
車の2台持ちは、目的に合わせて2台の車の使い分けが可能となったり、故障や車検などの際にもバックアップとして使えたりするなど、日常生活の利便性を大幅に向上させます。
ただし、2台目の購入費用はもちろん、維持費が多くかかるのも事実。2台目の車を持つ際には、さまざまな手段を講じて、できる限り維持費を抑えたいところです。
この記事では、車の2台持ちでかかる維持費の目安とメリット・デメリットのほか、維持費を抑える方法について解説します。
車の維持費の目安
車を2台持ったときにかかる維持費は、車種やグレードのほか、使用状況によって大きく異なります。まずは、車の維持費の目安について解説します。
普通車の場合
排気量1.8Lで車重1.5tの普通車(ミニバンタイプ、ガソリンエンジン仕様)を所有した場合、下記のような維持費が年間で発生します。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
車検費用 (1年あたりの基本料金・手数料等) |
約20,000円 |
自動車税種別割 | 36,000円 |
自動車重量税 | 12,300円 |
自賠責保険料 | 11,500円 |
自動車保険料 (車両保険あり) |
60,000~95,000円 |
燃料代 (走行距離10,000kmの場合) |
約110,000円 |
12ヶ月点検費用 | 11,000~18,000円 |
駐車場代 | 約120,000円 |
※自動車保険の記名被保険者年齢が30~70代の場合
普通車の場合、年間で38万~42万円程度の維持費が必要です。ちなみに、都市部においては駐車場代が高い傾向があり、都市部在住の場合は維持費がさらに高くなる可能性があります。
一方で、ハイブリッド(HEV)仕様など優れた燃費性能を持つグレードを選んだ場合は、税金の減免措置が受けられる上、燃料代も安くなるため、トータルの維持費を安くできるでしょう。
軽自動車の場合
軽自動車(ガソリンエンジン仕様)を所有する場合の年間維持費は、下記のとおりです。軽自動車は燃費が良く、税金や12ヶ月点検費用も安いため、普通車よりも維持費を抑えられる傾向があります。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
車検費用 (1年あたりの基本料金・手数料等) |
約9,000円 |
軽自動車税種別割 | 10,800円 |
自動車重量税 | 3,300円 |
自賠責保険料 | 11,440円 |
自動車保険料 (車両保険あり) |
40,000~65,000円 |
燃料代 (走行距離10,000kmの場合) |
約90,000円 |
12ヶ月点検費用 | 8,000~12,000円 |
駐車場代 | 約120,000円 |
※自動車保険の記名被保険者年齢が30~70代の場合
車の2台持ちのメリット
車を2台持つことによって、いくつかのメリットが得られます。車の2台持ちの主なメリットは、下記のとおりです。
目的に合わせて2台の車の使い分けが可能となる
車を2台持つメリットとして、目的に合わせて車の使い分けが可能となる点が挙げられます。例えば、軽自動車とSUVタイプの普通車を所有していた場合、次のような使い分けが可能です。
<2台の車の使い分けの例>
軽自動車:狭い道を走れるサイズや燃費の良さを活かし、買い物や通勤に使用
普通車(SUVタイプ):積載性や悪路走破性に優れているため、家族でのアウトドアレジャーに使用
このようなそれぞれの強みを活かした使い分けにより、快適なカーライフが実現するでしょう。
車を同時に別の目的で利用できる
車を2台持っており、運転免許証を持つ人が家族の中に2人以上いれば、別の目的で車を同時に使用したいときに便利になります。
例えば、いつも家族が通勤で車を使っているものの、朝、急ぎで買い物に出掛けなければならなくなったシーンです。このような状況で、双方が車を使う時間やルートを調整したり、片方がタクシーなどを使ったりする必要がないのは、2台持ちのメリットといえるでしょう。
車で移動できる人数が増える
同居する家族が多かったり友人を乗せる機会が多かったりする場合、車が2台あれば、いっしょに移動できる人数が増えます。
1台で何度も往復する必要がなくなり、移動が効率的になるという点では、車の2台持ちはメリットが大きいといえるでしょう。
劣化が少なくなり、買取価格も高くなる
車を2台所有することで、1台あたりの使用頻度や走行距離が減ります。これにより、2台の車の劣化を抑えられ、車の状態を良好に保つことができるでしょう。
結果として、状態の良い車を手放す際の買取価格は、高くなる可能性があります。
片方の車が使えない状態でもバックアップとして車を使用できる
2台の車のうち1台がトラブルで動かせなかったり、車検中で使用できなかったりする場合でも、車がもう1台あれば、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
特に、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるため、バックアップがあるという安心材料となるでしょう。
車の2台持ちのデメリット
車の2台持ちは、少なからずデメリットも存在します。続いては、車の2台持ちのデメリットについて解説します。
維持費が高くなる
車を2台持つと、その分だけ維持にお金がかかります。1台分の維持費に加えて、次のような費用も倍増する可能性があるのはデメリットといえるかもしれません。
<車を2台持つ場合に倍増する可能性がある維持費>
車検費用
自動車税種別割
自動車重量税
自賠責保険料
任意保険料
燃料代
メンテナンス費用
これらの費用は年間で数十万円以上になるケースもあり、家計への負担が大きくなる点は避けられないといえるでしょう。2台持ちの場合は、維持費を節約する手立てを講じたいところです。
駐車スペースが必要になる
自宅に駐車スペースが1台分しかない場合、2台目の駐車スペースを確保する必要があることもデメリットです。自宅に駐車スペースがない場合は近隣の月極駐車場などを借りる必要があり、その分の費用が発生します。
そもそも、都市部では自宅に駐車スペースがなく、1台目でも駐車スペースの費用が生じるケースも多いため、事前に駐車場代の相場を調べておきたいところです。
管理に手間がかかる
車を2台持つことで、車検やメンテナンスにかかる手間が2倍になるのは、日々多忙であればデメリットに感じるかもしれません。
保険料や税金の手続きも2台分しなければならなくなり、管理に手間がかかる点には注意が必要です。
車の2台持ちが向いているケース
車の2台持ちは、メリット・デメリットを考慮しながら検討する必要があります。ここでは、車の2台持ちが向いているケースについて解説します。
仕事で車を使用している
仕事で日常的に車を使用する場合、2台持ちが便利なことがあります。例えば、営業職や運送業で、取引先への訪問や配達などに頻繁に車を使用するケースが挙げられます。
仕事で車を使う場合、トラブルやメンテナンスなどによって支障が生じるのはできる限り避けたいところです。車を2台所有していれば、どちらかの車が使えなくても、もう一方の車で対応できる可能性が高くなります。仕事の安定性を確保するためにも、車は2台あったほうが便利といえるでしょう。
公共交通機関が利用しにくい地域に在住している
鉄道やバスの駅や停留所まで遠かったり、運行本数が少なかったりといったように、公共交通機関が利用しにくい地域では、車が移動手段として必須になるため、2台あったほうが便利です。
車が2台あれば、家族がそれぞれの予定に合わせて移動しやすくなるため、生活の利便性が大幅に向上します。
子供や高齢者の送迎が必要
小さな子供が通園・通学したり、高齢者の病院・介護施設などへの送り迎えが頻繁に必要となったりする家庭では、車は2台あったほうが便利といえます。1台の車だけでは、ほかの家族が使用する場合、使用に関するスケジュール調整が大変となることがあるからです。
車が2台あれば、子供や高齢者の急病時・緊急時にも対応しやすくなるため、安心感も高くなります。
車の2台持ちでかかる維持費を抑える方法
車の2台持ちは、維持費の高騰はどうしても避けられません。ただし、維持費を抑える方法もいくつかあります。最後に、車の2台持ちでかかる維持費を抑える方法について見ていきましょう。
自動車保険のセカンドカー割引を利用する
自動車保険には、2台目以降の車を新たに保険契約する際、通常の6等級より1つ進んだ7等級からスタートできるというセカンドカー割引があります。1等級の違いですが、新規6等級だと3%の割増なのに対して新規7等級だと38%の割引なので、2台目購入時にこの制度を利用できれば、家庭全体の自動車保険料を節約できるでしょう。
6等級新規 | 7等級新規 | |
---|---|---|
割増引率 | +3% | -38% |
※保険会社によって等級による割増引率は異なる場合があります。
セカンドカー割引が適用されるにはいくつか条件があります。事前にどのような場合であれば適用されるのか確認しておきましょう。
なお、2台目の自動車保険の注意事項として、補償内容が1台目の補償内容と重複する場合があります(弁護士特約や個人賠償責任特約など)。補償内容が重複していると保険料をその分多く支払うことになるので注意してください。
セカンドカー割引の詳細については、下記の記事で紹介しています。ぜひご確認ください。
エコカーを購入する
2台目の車に、高い燃費性能を持つ電気自動車(EV)やHEVなどのエコカーを選択することで、燃料代を大幅に節約可能です。また、「エコカー減税」や「グリーン化特例」といった税制優遇措置の対象となるエコカーについては、自動車重量税や自動車税種別割が減免される場合もあり、これらも維持費の抑制に貢献します。
エコカーの車両本体価格は通常のガソリン車より高い傾向があり、初期費用としては高額になるものの、長期的に見れば経済的なメリットは大きいでしょう。国や地方自治体の補助金を活用すれば、初期費用をある程度抑えることも可能です。
いずれか1台を軽自動車やカーリースにする
大排気量の普通車を2台所有するのではなく、2台のうち1台を軽自動車や小排気量の車にすれば、燃料代や税金などを安くできます。用途によるものの、買い物や通勤・通学であれば、車のサイズや排気量が小さいほうが、利便性も高くなる可能性はあります。
また、2台目の車にはカーリースを利用するのも、維持費を下げる方法のひとつといえるでしょう。カーリースは、メンテナンスにかかる費用や税金のほか、保険料などが毎月支払う料金にすべて含まれているのが特徴です。購入にかかる初期費用が発生しないのも、カーリースのメリットといえます。
車を2台持ちする際には、一括見積もりを利用しよう
車の2台持ちには多くのメリットがありますが、維持費がその分、高くなるのが悩ましいところです。住む地域や家庭の状況によっては、2台持ちが欠かせないケースもあります。
2台の車の維持費をできる限り抑えたいなら、2台目にエコカーや軽自動車を選んだり、自動車保険のセカンドカー割引を活用したりしましょう。
なお、自動車保険の保険料や補償内容は、保険会社によって異なります。自分に合った自動車保険を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼するのがおすすめです。
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