多少くたびれていても極めてクール!ジャガーXK140の近況報告|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、1955年ジャガー XK140を20年近く所有するロバート・コウチャーが愛車の近況を報告する。

【画像】風格と雰囲気が漂う1955年ジャガーXK140のインテリア

1955年ジャガーXK140 FHC SEをかれこれ19年間も所有していることに気づいて、我ながら驚きを隠せない。私の「リトル・ブラック・ブック」(以下「LBB」)の冒頭には、こう書かれている。

「2006年8月12日、ロバート・コウチャーが走行距離13,333マイルにて購入。」

このLBBは、私が書き込んだ各種項目やメモでほとんどいっぱいになってしまった。これまでにつぎ込んだ費用もしっかり書かれているので、妻には見せないようにしている。多くのエンスーたちと同様に、XKには過剰な投資をしてしまった。それでも、私なりの計算でいえば、この数年間で得た素晴らしい経験はその投資分を補って余りある。XKはバルセロナ、ル・マン、スコットランド高地や道中のお店など、忘れられない場所へと連れて行ってくれた。

このジャガーは、私が購入するよりずっと前の1990年にフルレストアを受けている。私は、エンジン、ギアボックス、ブレーキ、サスペンションを含むすべてのレストアをやり直し、その過程で可能なすべてのアップグレードを行った。この車は、事実上すべてが一新されている。つまり、本来あるべき磐石で信頼性の高い車であることを証明することが可能なのだ。完璧な”クール・ロッド”のごとく走らせるために投資したのだから、多少くたびれているかもしれないが、極めてクールな佇まいだ。

最近、このジャガーをブレントフォードの川沿いにあるランス・マコーマックのショップ「ロマンス・オブ・ラスト」に持ち込んだ。ランスはコンクール受賞歴のあるレストアラーで、XKを見てすぐに運転席のシートクッションに補修が必要であることに気づいた。彼は、ハンプシャー州フックのアンヴェイルド・コーチトリミングのジェイミー・ペリーマンと話すよう、勧めてくれた。他にも、バッキンガムシャーにあるシルバー・クレスト・ウッドワーク・アンド・デザインのスティーブ・ベルに会いに行き、ウッドベニヤを選んでもらうようにとも言ってくれた。

彼の言うことはきっと正しい。なので、言われた通りにしてみようと思う。しかし、それでジャガーのパフォーマンスが上がるかといえば… そういうわけではない。

文:Robert Coucher