ロールス・ロイス、桜を纏う一台限りのファントムを披露

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、「ファントム・チェリー・ブロッサム」を発表した。世界に一台のみ存在するこの特別なファントム・エクステンデッドは、日本の”花見”に着想を得て、オーナーの個人的な思い出と美意識を細部に至るまでかたちにした、ビスポークの粋を極めたモデルである。

【画像】世界に一台のみ!日本の象徴「桜」をモチーフにビスポークを極めたロールス・ロイス・ファントム(写真8点)

日本では、桜は儚さと美の象徴として大切にされている。そんな花への敬意と、家族との思い出を未来へ受け継ぎたいという願いから、本作は誕生した。構想から完成までに要した期間は実に3年。オーナーとの対話を重ね、ロールス・ロイスのクラフツマンたちが魂を込めて仕上げた。

インテリアには、満開の桜の木の下にいるかのような幻想的な情景が広がる。スターライト・ヘッドライナーをはじめ、後部ドアやパーティションにまで繊細な刺繍が施され、ステッチの総数は25万針を超える。開発には6カ月以上を要し、花びらの刺繍ひとつひとつには、日本の伝統技法から着想を得た畳織りの質感が息づいている。

さらに、ロールス・ロイスとして初となる3D刺繍を採用。幾重にも重ねられた糸が彫刻のような立体感を生み、光の角度に応じて陰影が揺らぎ、まるで室内に咲く本物の桜のような存在感を放つ。すべての花びらは手作業で成形され、室内のライティングと響き合うよう計算された配置がなされている。

ドア内に収められたビスポークの傘にまで花びらのモチーフが忍ばせてあり、外装にも手描きのコーチラインとともに桜の意匠がさりげなく施されている。アークティックホワイトにクリスタルを重ねたボディカラーと相まって、静謐な華やかさを湛える佇まいが印象的だ。

ファントムが100周年を迎える2025年、この特別な一台は、クラフツマンシップと個人の想い、そして文化的な象徴性が美しく結びついた”走る芸術”として、新たな節目を静かに彩っている。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ ビスポークデザイン担当ゼネラルマネージャー
マルティナ・スターク氏のコメント:

「日本では、桜の花は、生命の儚さと移ろいゆく美しさの象徴として大切にされています。この素晴らしいコミッションでは、世界的にも知られるその一瞬の美を、25万針を超える絶妙なステッチを用い、ロールス・ロイスの最高峰モデル、ファントムに再現しました。ロールス・ロイス史上初の立体的な刺繍により、舞い落ちる花びらに立体感のある質感を与えました。日本古来の刺繍技術を用いて開発されたこの一台は、お客様が大切にする深い個人的な思い出を映し出しています。個人的な想い、伝統的な職人技、そして現代的な芸術性を結び付けるビスポークの力を実証するものです」