kurayamisakaインタビュー 日本のオルタナを世界へ、躍動する5人組の結成秘話

2022年に東京・大井町で結成。フジロック'24のROOKIE A GO-GO、NME「2025年注目すべき世界中の新鋭アーティスト100組」に選出されるなど、国内外で注目度が高まっている。バンドの創始者であるギタリスト・清水正太郎が手がける楽曲は、グランジや90年代オルタナギターロックに歌謡曲的なメロディが乗ることもあれば、ポストロックやシューゲイザーで押し切ることも。自らのルーツを変幻自在に落とし込み、5人の伸び伸びと躍動する演奏がその魅力を最大限にスパークさせる。

左から堀田庸輔(Dr)、内藤さち(Vo, Gt)、フクダリュウジ(Gt)、清水正太郎(Gt)、阿左美倫平(Ba)

kurayamisaka:2022年に東京・大井町で結成された5人組ロックバンド。2000年代オルタナとJ-POPが無邪気に混ざり合ったかのような楽曲にファンが急増中。2022年リリースの楽曲「farewell」が耳の早いリスナーから話題を集め、同年のEP『kimi wo omotte iru』は国内のみならず海外でも高く評価される。主催の公演は全て即日ソールドアウトを記録し続け、ネクストブレイク最有力バンドへ。

はじまりは「軽いノリで」

─結成の経緯から聞かせてください。まず清水正太郎さん(Gt)さんが内藤さちさん(Vo, Gt)に声をかけたところから始まったんですよね。

清水:そうですね。さっちゃんとは大学の同級生なんですが、前から同じバンドをやってて、歌がうまいし共通の好きなバンドもいたので、新しいバンドを立ち上げようって思ったときにさっちゃんが思い浮かんで誘ってみました。

─共通のバンドというと?

清水:ふくろうずとかのコピーバンドをやってたんだよね。さっちゃんとフクダ(リュウジ:Gt)が同じ軽音サークルで。

─kurayamisakaの結成前から清水さんは曲を作ってたんですよね。

清水:そうですね。大学卒業後、せだいっていうバンドでも活動してて、その経験を活かしたバンドを新たにやろうと思ったんです。

─清水さんから声をかけられて、内藤さんはどう思いましたか?

内藤:前一緒にやってたバンドも楽しかったですし、軽音サークルでずっと一緒に遊んでた仲なので2分ぐらいで「やる」って言いました(笑)。

清水:阿左美はせだいの活動を通じて友達になったんですが、阿左美と堀田(庸輔:Dr)は幼馴染で、堀田のドラムプレイをTwitterで見たらうまかったので誘いたくて、阿左美に連絡先を聞いて、「俺、正太郎っていうんだけどバンドやらない?」っていう得体のしれないLINEをいきなり送りました(笑)。

堀田:結構気遣ってくれたんですよ。「バンドやらない? でもメンバーに女子いるけどいい?」って聞かれて(笑)。軽いノリで「とりあえずいいっすよ」って返したのを覚えてます。

清水:もともと阿左美も誘いたかったんですけど、彼はいくつもサポートを掛け持ちしてて忙しそうなので、堀田の連絡先を聞くことで新しいバンドを組むことを匂わせたうえで「ちなみに阿左美はどう?」って聞いたら快諾してくれて。

阿左美:今は砕けた関係性ですけど、当時(清水は)憧れのバンドの先輩だったので嬉しくて快諾しましたね。

清水:ありがたいことに3人にオッケーもらって。それでもうメンバーが集まってるのに、Twitterで「新しいバンド始めるぜ。仲間はいるか?」って呼び掛ける投稿をしたら、彼(フクダリュウジ:Gt)が翌日「新しいバンド興味あります。ちょっと荒波に揉まれたいっす」ってLINEをくれて。4人でやろうと思ってたけど、阿左美がやってたyubioriっていうバンドは5人でトリプルギター編成だったし、「5人もありかもな」って思ってOKしました。(フクダに)あのツイートを見てどう思ったの?

フクダ:僕は大学で留年してて遅く社会人になったんですが、それまでバンドをやったことなかったし、このまま働くだけかって思ってたときに正太郎くんの投稿を見て、ドキドキしながらダメ元で連絡してみたら、メンバーにさちさんもいるっていうのが返ってきて「なおのことやりたい」って思いました。

清水:フクダは軽音サークルでは一緒だったけどオリジナルのバンドが初めてで。それで5人になりましたね。

「最初の一曲」と5人のルーツ

─結成するかしてないかくらいのタイミングの2022年3月、「farewell」のサビをTwitterに投稿したところから活動が始まり、にわかに注目の的となったそうですが、「farewell」はどういう経緯で作られた曲なんですか?

pic.twitter.com/B43gSwpXxV — kurayamisaka (@kurayami_saka) March 2, 2022

清水:メンバーが集まったときはまだ曲がなかったんですが、1曲あった方がみんなの士気が上がると思って曲作ろうと思って。会社の帰り道に自転車を漕いでたら、ふとメロディが降りてきて。それを鼻歌で歌ってボイスメモに録ったんです。それが良すぎて、そのままさっちゃんに送っちゃって。さすがに(バンドの)グループLINEには送れなかったんですが(笑)。まだスマホに残ってるので流しますね。

─ありがとうございます。

フクダ:あまり期待しない方がいいですよ(笑)。

(清水の鼻歌による「farewell」の一部が流れる)

内藤:「曲ができたから送るわ」って連絡が来て、会社行くために家を出てワクワクしながら聞いたら、この音源が聞こえてきて(笑)。

─でもメロディはいいですよね(笑)。

内藤:メロディはいいけど、コードも何もわかんなかったので「ようわからん」って送って。

清水:「判断できません」みたいなこと言われて(笑)。ちょっとわかりにくかったなっていうことで、GarageBandで1曲分のデモを作って裏声を入れた音源を送って、ようやく納得してもらえました。それでこの曲を合わせるためにスタジオに入って。

─「farewell」には今のkurayamisakaの強みがしっかり出てると思うんですが、どんな手応えがあったんでしょう?

清水:合わせてすぐ「これは大丈夫だ」っていう感触を持った記憶がありますね。皆さん、どんな感じでした?

阿左美:「楽しいからいいか」って思った(笑)。

内藤:私もめちゃくちゃ久々のバンドだったので「楽しい! めっちゃいいじゃん」って。自分たちでもそんなこと言ってたよね。

フクダ:僕は初めてバンドでオリジナルをやったので「これでいいんだろうか」っていう気持ちはありつつ、キャッキャッした楽しさはありましたね。

堀田:僕は曲を覚えるのに必死だったんですけど、「みんなが楽しそうでよかったな」って思ってました(笑)。

─5人でバンドをやるにあたって、清水さんから具体的なビジョンは共有したんですか?

清水:全員に共有はしてないんですが、さっちゃんを誘ったときは「toddleみたいなバンドをやりたい」って伝えました。「farewell」はまんまtoddleですし(笑)。5人で最初に合わせた時点で「バッキングがいくつもあるといいな」って思いました。

─清水さんからはtoddleやふくろうずの名前が挙がりましたが、それぞれのルーツというと?

阿左美:僕はギターから楽器を始めたんですが、ベースをやりたいって思ったきっかけはcinema staffでした。あとはブッチャーズ(bloodthirsty butchers)ですね。「farewell」を聞いて「めっちゃtoddleじゃん!」って思って、好きなように弾けそうだなって思いました。

内藤:私はaikoとCharaに一番影響を受けてて感情が出るような歌い方をしていたんですが、kurayamisakaをやるにあたって一番参考にしたのはadieu(上白石萌歌)でしたね。

堀田:僕はミッシェル・ガン・エレファントみたいなバンドをやったこともあればツービートばちばちのメロコアをやったこともあって、広く浅くですね。kurayamisakaに誘われたときにうんにょんくん(清水)が見てくれた「叩いてみた」動画ではNUMBER GIRLの「透明少女」を叩いてたので、それ色に染まるのが続いているのかなって思ってます。

フクダ:「farewell」がtoddleだったので、文脈的にブッチャーズを意識したりしながら正太郎さんの作るフレーズを参考にしつつ、自分が特に影響を受けてるART-SCHOOLやThe Novembersのギターフレーズや音作りを入れられたらいいなと思って隙を窺っています(笑)。

笑えるかっこよさ、メロディの切なさ

─今挙げてもらったバンドの影響を感じさせるアンサンブルに、内藤さんのJ-POPな抑え気味のボーカルが乗るっていう今のkurayamisakaのスタイルは意図したものだったんでしょうか?

清水:「farewell」のときは、さっちゃんに「もっとAIっぽく」って伝えたんですけど、初期は「もっと淡々と歌ってくれ」ってかなり指示しましたね。toddleとかたくさんの曲を聴くなかで、女性ボーカルのバンドの曲は絶対こういうアプローチがいいよなって常々思ってたんです。それをやりたくていろいろと考えた結果、kurayamisakaの結成に至ったところがあって。このアプローチなら僕がこれまで培ってきたバンドのノウハウを落とし込んだうえでイケるっていう確信がありました。

─出発点はtoddleでしたが、今はアプローチがどんどん広がっている過程ですよね。

清水:もともとライブをやるつもりはあまりなくて、音源作り中心でたまにライブをやれたらいいかと思ってたんです。みんなを誘うときも「音源制作に集中しましょう」と言ってて。結果、大嘘だったんですが(笑)。みんな陽気な人たちなのでライブを実際にやると結構ちょけたりして、それが意外と盛り上がって「音源とギャップがあっていいな」って思うようになったんですよね。そうなると音源でも、激しい演奏のなかで歌がひとつ独立した別軸としてある、みたいな方向性がいいのかもしれないって思い始めて変化していきました。

清水正太郎(Photo by Tatsuhito Takagi)

─kurayamisakaのライブを最初に見たとき、いろいろとエクストリームなポイントがあって、最初に9mm Parabellum Bulletのライブを見たときの感覚を思い出したんです(笑)。

清水:わかります(笑)。

─思いきりギターを回してるメンバーがいれば、低位置のマイクで叫んでるベースがいて、かっこよすぎて笑っちゃうという。

清水:まさにそういうライブを目指してます。僕の好きなライブって結構笑っちゃうんですよ。かっこいいか面白いかでいったら、ギリギリ面白い寄りなんじゃないかっていう。kurayamisakaの音源はちょっとドリーミーなオルタナ感があると思うんですが、メンバーはそういう人間じゃないので良い意味で裏切りたいんですよね。

─ライブを重ねていくなかで、エクストリーム過ぎて笑える感じになっていったんですか?

清水:1発目から結構ふざけてました(笑)。

阿左美:僕はyubioriや他のサポートベースをやってるバンドでもずっとヘドバンしてて(笑)。残響レコード系の感じが意識せずとも自然と出ちゃってますね。

フクダ:さちさんは歌ってるからあまり動けないですけど、他のフロントふたり(清水と阿左美)はわちゃわちゃしてて。僕はkurayamisakaが初めてのバンドっていうこともあって、技術的にもメンタル的にも最初はそういうことができてなかったので、家でやってみたりして(笑)。

一同:(笑)。

フクダ:本当に恥ずかしいんですけど(笑)。僕が影響を受けてるThe Novembersのケンゴ(マツモト)さんもすごく目を引くギターの弾き方をするし。cinema staffの辻(友貴)さんもそう。かますようなアプローチにだんだん慣れてきて今に至るっていう感じです。

フクダリュウジ(Photo by Tatsuhito Takagi)

阿左美倫平(Photo by Tatsuhito Takagi)

─内藤さんは他のメンバーの動きに対してどう思いました?

内藤:最初にライブをやったときはびっくりしましたね(笑)。(清水からは)最初「ちょっとやらされてるぐらいの雰囲気で」って言われてたこともあって。

清水:懐かしい(笑)。そういう感じの方が面白いかなと思ったんですけど、徐々にその設定は消えましたね。

内藤:私はもともとそんな体を動かすタイプでもないので、周りをあまり気にせず、自分の好きなように乗ったり乗らなかったりっていう感じでやってます。

─曲作りはまず清水さんが詞曲を作って、バンドでアレンジしていくという流れですか?

清水:そうですね。みんな(社会人として)働いててハイペースでスタジオに入れないので、僕が丸々家で作った曲をみんなに送って、それぞれが弾きやすいようにアレンジしたり、ブラッシュアップして完成させていて。あまりみんなに負担をかけないようにしてます。

─1stミニアルバム『kimi wo omotte iru』の収録曲はそれぞれ、ふくろうず、くるり、レッド・ハウス・ペインターズ 、空気公団、キリンジ、NUMBER GIRLといったリファレンスが明確にあったそうですね。

清水:そうですね。僕はアーティストっていうよりは普通のバンド好きみたいな感じなので、他のアーティストの曲やライブの繋ぎやMCに触発されて自分の曲に落とし込んでるんです。「あの曲とあの曲を混ぜたら絶対かっこよくなる!」っていう感じで曲を作ってます。

─90年代オルタナギターロックにJ-POPが入るような曲もあれば、ポストロックやシューゲイザーで押し切る曲もありますが、バランスを意識してるのか直感的なのかどうなんでしょう?

清水:とりあえずGarageBandで作ってみて、さっきスマホで聞かせた「farewell」みたいなショボい音でも、かっこよく聞こえたらバンドで合わせても大丈夫って思っているくらいで。あまり深く考えてないですね。みんなに持っていくまでにひとりで地道にトライ&エラーをすることで何とかなってる気がします。

─他のみなさんは、清水さんの曲の魅力をどう感じていますか?

阿左美:まずキャッチーなので、そこから肉付けするのが面白いです。あと、僕はさちさんが聴いてるようなJ-POPは通ってないこともあって、自分じゃ絶対に浮かばないメロだなって思います。

─内藤さんはメロディをアレンジしたりするんですか?

内藤:全くしないですね。デモの裏声のメロディをそのまま歌ってます。

内藤さち(Photo by Tatsuhito Takagi)

─そうなんですね。清水さんの曲の魅力というと?

内藤:キャッチーだけど哀愁があって、ちょっと物悲しい感じがするのがめっちゃいいなって思うのと、私のなかにはない変な譜割りだなって思います。後から歌詞が来るんですが、いつも「そんな言葉入らないよ」って思うくらいよくわからない譜割りなんですけど、完成してみると「これが良かったんだ」って思うので、そこもまた癖になるところなのかなって思います。

フクダ:僕の清水正太郎のイメージってギタリストで、せだいもその前にやってたバンドも、正太郎くんの作るギターフレーズに魅力を感じてて。しかも、さちさんが言うようにどの曲にも切なさがあるところに惹かれますね。

堀田:送られてくるデモがどれも全然違うので「いろんな曲を聴いてるんだろうな」って思います。僕がいくつものバンドを掛け持ちしていた頃、「いろんな音楽ができて楽しいな」っていう気持ちがあったんですが、それを(清水は)一人でやってる感じで。だから千差万別のデモが来ると、かつての楽しかった頃を思い出すような気分になる(笑)。デモが送られてくる度に「また新しいの来た!」っていう気持ちになるので、少年ジャンプを毎週買うみたいな感覚があります。

堀田庸輔(Photo by Tatsuhito Takagi)

海外への眼差し、憧れの連鎖

─一貫してアートワークにイラストが使われていますが、どんな想いがあるんですか?

清水:まず直感で、(kurayamisakaでは)写真ではなくイラストだなって思ったのと、僕が一番影響を受けているASIAN KUNG-FU GENERATIONのジャケットのような統一性をいつか持たせられたら嬉しいなと思っています。(2023年のシングル『evergreen/modify Youth』以降は)めばちさんっていう「コミック百合姫」の表紙イラストを描いているイラストレーターの方にお願いしているんですが、昔からめばちさんの絵がすごく好きで、「いつかジャケットを描いてもらえたら嬉しいな」と思ってて依頼したらOKしてもらえたんです。

─EP『kimi wo omotte iru』はジャケットに描かれた2人の学生、向井あかりと松井遥香の人生の一部を切り取った作品というコンセプトだそうですが、そのコンセプトは曲が出揃ってから付けんですか?

清水:「farewell」を作ったときは単に別れの曲として書いたんですが、EPを作るとしたら「farewell」の歌詞を軸に何かコンセプトが付けられたら面白いなとざっくり思ってて。それで曲が出揃って歌詞を仕上げていくなかで、全曲うまいこと繋げられそうだなと感じて、結果的にそういうコンセプトが生まれました。『kimi wo omotte iru』を出す頃、沖縄旅行に家族で行ったんですが、そういう経験がほとんどなかったのでホテルのロビーのソファーに座ってたら、その状況にすごいワクワクしてきちゃって眠れなくなって。そこでバンドの世界観やアルバムにどういう曲が入ってるかっていうことは一切知らせずに、あらすじだけ書くのは面白いんじゃないかって急に思い立ったんです。それで架空のあらすじを作りました。

Photo by Tatsuhito Takagi

─イギリスの音楽メディア、NMEの「注目すべき世界中の新鋭アーティスト100組」に選出されましたが率直にいかがでしょう?

清水:アニメのタイアップ曲もないですし、日本語でやってるのもあって勇気が出ましたね。でも「どこで見つけたんだろう?」という感じで、あまり実感はないです。一時期『kimi wo omotte iru』がRate Your Music(音楽レビューサイト)のトップ10に入っていたことがあったんですが、なんで入ったのかもよくわかってなくて(笑)。YouTubeの海外からのコメント数も増えていますね。

内藤:インスタにも海外からDMが来てます。

清水:海外からLPの注文もありますね。欧米が多くて、アジア圏の方々の反応もあったりして嬉しいですね。

─海外でライブをやりたい気持ちはありますか?

清水:マスドレ(MASS OF THE FERMENTING DREGS)のライブを見たとき、日本なのに海外のお客さんがたくさん来ていて、さっきまで隣で英語で喋ってた人が、曲が始まったら日本語でシンガロングしてて。そういう盛り上がり方は憧れますね。ロックというジャンルにおいては英語が主流で、日本人の大多数は歌詞の意味をわからず英詞を聞いて楽しんでいるわけで、中学の頃から「海外の人は日本語の歌詞を聴いて同じような感覚を持つのかな?」っていう疑問がずっとあって。でも、高校生ぐらいの頃に見た映画『ショーシャンクの空に』で、主人公がアメリカの刑務所でイタリア語の「フィガロの結婚」をかけるんですけど、何を歌ってるかはわからないけどうっとりするんです。そのシーンを見たときに、英語圏の人もそういう気持ちになるんだなって衝撃を受けて、言葉がわからなくても音楽は通じるという確信を持ちました。だからいつかは海外でライブがやりたいですね。

阿左美:友達のひとひらっていうバンドが中国でライブをやったとき、めちゃくちゃ盛り上がってて率直に「やってみたいな」と思いました。活動範囲が広がることは絶対に悪いことではないと思う反面、「仕事どうしようかな」っていう現実的な問題もあるのでちょっと考えてるところです。

─では最後に、4月9日にリリースされる新曲「sekisei inko」について聞かせてください。

清水:もうNUMBER GIRLでありART-SCHOOLでありニルヴァーナであり……すいません、そのままの曲です(笑)。

―わかります(笑)。

清水:「みんなも好きだよね?」っていう気持ちが大きいんですよね。この曲を聴いた人がいつか「これ『seklisei inko』やん!」となるような曲を作ってくれたら、それ以上嬉しいことはないと思いますし。憧れの連鎖というか。

─ライブの冒頭で、清水さんが口上的な感じで話すのは向井秀徳さんをイメージしているんでしょうか?

清水:はい、向井さんです。でも、僕は向井さんじゃなくて「向井さんに憧れてる人」なのでボロが出まくってて(笑)。だから笑ってもらいたいですね。実際はあの口上をやってる感じの人間ではまったくないので(笑)。

─今日の取材で、そういう人ではないことはよくわかりました(笑)。ちなみに、清水さんがいつも着ているアディダスのジャージにも何か想いがあるんですか?

清水:これはSuchmosです。

堀田:本当、いろんなの聴いてるな(笑)。

清水:メンバーみんなバンドが大好きで、好きなバンドの話をずっとしてるんですよね。例えばNUMBER GIRLの解散ライブのガヤの話とか。

阿左美:そういう話でよく盛り上がってますね。

清水:そういうやりとりが、そのままkurayamisakaっていうバンドになってる感じだと思います。

kurayamisaka

「sekisei inko」

2025年4月9日リリース

配信:https://pci.lnk.to/sekiseiinko

kurayamisaka tte, doko? #5

「つま先から頭の隅に流れるツアー」

2025年5月24日(土) 梅田Shangri-La

ゲストバンド : MASS OF THE FERMENTING DREGS

2025年5月25日(日) 名古屋CLUB UPSET

ゲストバンド : mekakushe(バンドセット)

2025年6月4日(水)恵比寿LIQUIDROOM

ゲストバンド : Homecomings

※全公演ソールドアウト