F1日本グランプリに登場した、レッドブルの特別な空間「Red Bull FRONT ROW」とは?

昨年、鈴鹿サーキットのターン7に登場して話題となった「Red Bull FRONT ROW」が、今年のF1日本グランプリでも姿を現した。これはレッドブルがVIPゲストをもてなすためのホスピタリティ施設。一般向けの販売は行われておらず、招待ゲストやキャンペーンの当選者のみが楽しめる特別なスペースだ。

【画像】レッドブルの世界観が反映された特別なF1観戦空間「Red Bull FRONT ROW」(写真30点)

その名の通り「フロントロー(最前列)」でF1観戦を楽しめるのが最大の特徴だ。VIP向けの席種として知られる”パドッククラブ”ではメインストレートを通過するマシンを上から観るのに対して、ターン7(NIPPOコーナー。かつてのダンロップコーナー)に位置するRed Bull FRONT ROWでは、S字〜逆バンクを抜けて高速で回り込んでくるマシンを真横で観ることができる。

2階建ての建物の1階部分では食事やデザートのビュッフェやドリンクが提供され、2階にはテラスやバー、DJブース、シミュレーターなどか設置されている。コースを見渡す2階テラスからの眺めは圧巻だ。

屋外にスケートボードのランプが造られているのもストリートカルチャーの雄であるレッドブルらしい施設といえるだろう。

セッションの合間や終了後には所属ドライバーがRed Bull FRONT ROWへグリーティングにも訪れる。今回取材をした予選日には、予選を終えたオラクル・レッドブル・レーシングの角田裕毅選手が駆け付けてくれた。

予選終了後のチームミーティングが長引いたとのことで、角田選手の来場が予定時刻より押す中、ボルテージが上がったRed Bull FRONT ROW内では自然発生的にセッションが始まった。ステージ上でフリースタイルフットボールのYu-riとダンサーのTHE D SoraKiが即興でバトルを繰り広げ、DJのサウンドに合わせてゲストも体を揺らす。レッドブルのホスピタリティならではのグルーヴィーな盛り上がりだ。

そしてお待ちかねの角田選手が登場。オラクル・レッドブル・レーシング昇格後の初レースとあって緊張感がただようトークショーになるかと思いきや「プレッシャーを感じるようなシチュエーションであっても、不思議とリラックスして落ち着いています」と語っていた。レッドブルファミリーが集まるRed Bull FRONT ROWという温かな場という要因もあるのだろうか、「本当は皆さんと一緒にここでお酒でも飲みたい気分です(笑)」と冗談を交えリラックスして話す角田選手の姿が印象的だった。

パドッククラブとは一味違う、独自の世界観と活気があふれるRed Bull FRONT ROW。来年以降もオープンするかは不明だが、モータースポーツのみに閉じない新しいF1観戦スタイルを提供する場として今後の展開に注目していきたい。