
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、在職老齢年金で支給停止となる基準額についての質問です。
◆Q:2025年4月から在職老齢年金制度で支給停止される基準額は変わるの?
「2025年4月から在職老齢年金制度で支給停止される基準額は変わるの? 教えてください」(匿名希望)
◆A:2025年(令和7年)4月から、在職老齢年金制度で支給停止となる基準額が50万円から51万円に引き上げられます
2025年(令和7年)1月24日に、総務省から『令和6年平均の全国消費者物価指数』(生鮮食品を含む総合指数)が公表されたことを踏まえ、厚生労働省から『令和7年度の年金額改定についてお知らせします』との発表がありました。
この発表により、2025年度(令和7年度)の年金額は、前年度(令和6年度)から+1.9%に引き上げられます。
この年金額の改定に、在職老齢年金制度の支給停止基準額の変更点もあります。
在職老齢年金制度とは、60歳以降、厚生年金保険に加入しながら、老齢厚生年金や特別支給の老齢厚生年金をもらうようになった場合、賃金(賞与込み月収)と年金(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)の合計額が、支給停止基準額を上回ると、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)の一部もしくは全額が支給停止する仕組みです。
この在職老齢年金制度の支給停止基準額についても、2025年4月より、50万円から51万円に変更されることになりました。働きながら年金をもらう人は、知っておいてください。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
文=All About 編集部