三井住友銀行は、関西初出店となる「Olive LOUNGE 船場」を4月7日にオープン。オープンを前に、店舗の報道公開を行いました。スターバックスやコワーキングスペース「SHARE LOUNGE」が併設されたコンセプト店で、東京・渋谷、下高井戸、高円寺に続く4店目のオープンとなり、Olive LOUNGEは今後もさらに拡大させていく計画です。
銀行らしくない銀行、Olive LOUNGEが関西に
Olive LOUNGEは、三井住友銀行と三井住友カードが共同で提供する金融サービス「Olive」をモチーフにしたコンセプト店。従来の銀行を異業種に開放することで、他のテナントと共存した空間を提供して、Oliveユーザーが自由に活用できる店舗に仕上げています。
仕事だけでなく、普段の利用でも人が集うような空間を目指し、「銀行に用があるから行く」だけでなく、生活の一部として自然に存在できる場所となるというコンセプトで設計されているそうです。
地域住民との交流の場としても位置づけており、そのため、地元に根ざした下高井戸、さらに5店舗目の東京・成増のような住宅エリアへの出店も積極的です。象徴的なエリアとしての渋谷に続いて、関西圏では江戸時代から商業・金融の地として栄えた船場をチョイスしました。
オフィス街の中心であり、ビジネスパーソンなどの来店を想定。仕事の合間に立ち寄り、仕事帰りにも利用してもらえるような店舗を目指します。
もともとは三井住友銀行船場支店で利用者も多かったということで、支店機能としてはそのまま維持されています。ATMや貸金庫も維持されています。銀行窓口としては1階に個人向け、2階に法人向けという分類にはなりましたが、窓口数は維持しており、同等以上の対応が可能とのこと。
従来は、銀行の窓口に用があった場合、「ただ待ち時間」でしたが、Olive LOUNGEとなってスターバックスで飲食をしたり、仕事をしたりしながら待つことができるようになりました。
Olive LOUNGEのため、Oliveユーザーが利用できる「Oliver's Place」も用意され、LOUNGE内の専用スペースでゆっくりできます。銀行窓口のオープン時間以外は、窓口もOliver's Placeとして開放されるといった点も面白いところです。
店内にはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営するスターバックスとSHARE LOUNGEが同居。1階はスターバックス、2階はSHARE LOUNGEという構造で、電源席も豊富にあるため、仕事をしながら飲み放題のソフトドリンクやアルコールも楽しめます。
Olive LOUNGEの営業時間は、銀行窓口が平日9~15時ですが、平日15~19時、土日祝日10~18時はアバターによる無人受付を実施。ATMは平日7~22時、土曜日は8~22時、日曜日は8~21時のオープンです。
平日7~22時というのはスターバックスの営業時間。今まで銀行の店舗は時間外には閉鎖されていたのに対して、Olive LOUNGEではスターバックスやSHARE LOUNGEがあるため、店舗に人が足を運ぶようになり、より日常的に店舗利用の機会が増えることになります。
これによって顧客接点をさらに増やせるというのが、三井住友銀行側のメリットです。LOUNGEではOliveへの誘導や金融サービスを紹介するなどのセミナーも開催。例えば新NISAやふるさと納税の説明をするなど、金融サービスに興味を持ってもらう役割も担います。
CCCが運営するスターバックスとSHARE LOUNGEは大阪市内にも複数あり、Olive LOUNGEだけのサービスではありません。Olive LOUNGEでは、金融機関である三井住友銀行との組み合わせで適したエリアへの出店を両社で検討していると言います。
SHARE LOUNGEは、1時間1,100円のソフトドリンクプランと、1,540円のアルコールプランの2種類があり、それぞれドリンクは飲み放題。スナックを中心としたフードもおかわり自由となっています。ソフトドリンクのみですが1日3,850円、月額33,000円の設定もあります。Olive LOUNGEの特典として、Oliveで決済するとVポイント10%還元となります。
同社デザイナーの野田智美氏は、「金融をより暮らしの中へ」というOliveの目指す姿を、リアルな空間に具現化したのがOlive LOUNGEだと話し、Oliveはアプリを中心としたデジタルをメイントしたサービスですが、「リアルな場である店舗でしか提供できない価値が求められている」として、OliveとOlive LOUNGEの双方で価値を提供していきたい考えです。
Olive LOUNGE船場では、新たに地元のアーティストとのコラボレーションも実施。MIZPAM氏、tsubasa.氏、Simo氏という3人のオリジナルコースターなどを用意したり、主に障害のある作家のアートをプロダクト化しているヘラルボニーのアート展示、SHARE LOUNGEにおける厳選した書籍などを展開することで、「金融や仕事の場でありながら、アートに触れて心に潤いと刺激をもたらす空間」(野田氏)を目指したそうです。
報道関係者向けの内覧会では、ゆかりのゲストとして音楽クリエイターのヒャダインさん、地元でカルチャーやアートを盛り上げる活動を行っているプロデューサーのフルタニタカハルさん、FM802のラジオDJである加藤真樹子さんが登場。船場の思い出を語るとともに、Olive LOUNGEは「壁がなく、気軽に金融相談ができそう」といった感想も話していました。
三井住友銀行とCCCでは、4月中に東京・成増、神奈川県・鶴見にも出店。関西圏でも船場を旗艦店としてさらに拡大していきたい考えを示しています。