目の前で突然人が倒れたら…適切な対処をするために知っておきたい「救急法」を解説
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、災害に備えて知っておきたい「救急法」についてお届けしました。

※写真はイメージです

災害時はもちろん家族や身近な人が事故や急病で倒れたとき、あなたは冷静に行動することはできますか? そのような場面に遭遇したときに「救急法」の知識があれば、大切な人の命を救うための行動ができるかもしれません。

救急法とは、救急車が到着するまでにおこなう一時救命処置(心肺蘇生法、AEDを用いた除細動など)のことです。ケガ人や急病人に対して、一時救命を正しくできるかどうかが命を救う鍵となります。基本的な心肺蘇生や応急手当ての方法を学んで、いざというときに役立てられるように準備しておきましょう。

心肺停止になった後、AED(自動体外式除細動器/Automated External Defibrillator)の対応が1分遅れるごとに救命率は7~10%低下し、10分以内にAEDをおこなわないと助からない恐れがあります。また、総務省によると、救急車を要請してから現場に到着するまでにかかる時間が、2023年は全国平均で約10.0分でした。そのため、救急車が到着するまでのあいだ、その場に居合わせた人の行動が非常に大切になってきます。

では、急病人や災害時に助けなければならない人がいたら、どう対処するべきでしょうか? 重要なポイントは3つです。

◆ポイント①「周囲の安全と倒れている人の状態を確認」

まず、二次被害が起きないように自分や周りの人が危険にさらされていないかをチェックすることが大切です。その後、倒れている人について「1.意識はあるか」「2.呼吸をしているか」「3.出血はあるか」「4.手足は動かせるか」「5.脈拍はあるか」を確認し、近くにいる人に大声で助けを求めて、119番通報とAEDの準備をおこないましょう。

◆ポイント②「心肺蘇生」

倒れている人が呼吸をしていなかったら心肺蘇生をおこないます。心臓マッサージは、胸の真ん中に手の付け根を置いて、肘を真っすぐ伸ばして5~6cmくらい沈むように胸を圧迫します。人工呼吸は、気道を確保した姿勢から鼻をつまみ、軽く胸が上がる程度の息を吹き込みます。“心臓マッサージ30回、人工呼吸2回”というサイクルで、救急車が到着するまで繰り返します。

途中でAEDが届いたら、電源を入れて音声ガイダンスに従って準備しましょう。AEDは一般の方でも扱えるように作られているので、操作自体はあまり悩むことなく操作できると思います。

◆ポイント③「ケガの応急手当て」

出血などケガがある場合は手当てが必要になりますが、そのときに三角巾やスカーフ、シーツなどが役に立ちます。血が止まるように圧迫したり、傷が空気に触れないようにしたり、固定したりするために身近にある物で対処しましょう。

各地の消防署や日本赤十字社では、救命講習を定期的に開催されています。実践練習をすることで、災害時などでも自信を持って行動できるようになります。大切な人の命を守るためにも、救命講習に参加してみてはいかがでしょうか?

<番組概要>

番組名:防災 FRONT LINE

放送日時:毎週土曜 8:25~8:30

パーソナリティ:手島千尋

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/