マイナビは3月27日、「マイナビ 看護師、薬剤師、介護福祉士の職場のカスタマーハラスメントに関する実態調査」の結果を発表した。調査は1月31日〜2月5日、20歳〜49歳の男女で看護師(准看護師を含む)・薬剤師・介護福祉士(各309人)を対象に行われた。
カスハラ被害を受けた経験を持つ人の割合
まず、カスハラ(ペイハラ)の被害を受けたまたは見聞きした経験があるか聞いたところ、薬剤師では86.5%、看護師では68.6%、介護福祉士では63.6%が経験があると回答した。
自身が被害を受けたという人は、薬剤師では72.3%、看護師では54.1%、介護福祉士では49.4%となっている。薬剤師が働く現場では、他の職種と比べてカスハラ(ペイハラ)が多く発生している傾向が伺えた。
具体的なカスハラの実態
現在の職場でどのようなカスハラ(ペイハラ)があるか尋ねると、「威圧的な言動」(看護師56.6%、薬剤師62.5%、介護福祉士47.2%)や「精神的な攻撃」(看護師50.7%、薬剤師32.9%、介護福祉士45.9%)が多い結果となった。
職種別に見てみると、薬剤師では「責任がないにもかかわらず物品(薬品)の交換や金品の要求」(26.1%)、看護師・介護福祉士では「身体的な攻撃」(看護師30.4%、介護福祉士27.8%)が多い傾向が見られた。
カスハラ(ペイハラ)による影響についての質問では、いずれの職種も8割前後が体調や職場の状況などに影響があると回答している。「メンタル不調・モチベーション低下」がどの職種も6割程度となっているほか、介護福祉士では「職場内の風紀の悪化」が27.3%にのぼっている。
職場でのカスハラ対策は?
職場でのカスハラ(ペイハラ)対策実施率については、いずれの職種も5割以下となっている。特に看護師では4割程度で他の職種に比べて低い。
効果を実感できる対策としては、看護師・介護福祉士では「上司が相談を受ける体制」(看護師69.1%、介護福祉士68.0%)が多い結果となっている。
一方で、薬剤師では「対応マニュアル」が70.5%で最多となり、次いで「対応するための研修」が67.8%で続いている。
最後に、2025年4月から施行されるカスハラ防止条例への期待について質問したところ、いずれの職種も半数以上が「罰則がないと効果はない」と回答した。また、介護福祉士では「罰則があっても効果はない」と答えた人も3割弱にのぼっている。