
メジャーリーグ 最新情報
念願のメジャーデビューを果たしたロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希。決して完璧と言える投球内容ではなかったが、確かな第一歩を踏み出した。メジャー屈指の選手層を誇るドジャースには、佐々木以外にも将来のスター候補とされる有望株が多数在籍している。そこで今回は、ドジャースのブレイク候補を紹介したい。(文:Eli)
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C/LF/1B ドルトン・ラッシング
ドルトン・ラッシングは米サイト『mlb.com』をはじめ様々な媒体において佐々木朗希に次ぐドジャースのトッププロスペクトと評価されているキャッチャーだ。
昨季は2A,3Aでプレーし114試合出場、打率.271、wRC+142と格の違いを見せた。メジャーリーガーも混ざるスプリングトレーニングの試合では21打席に立ち打率.200ながら驚異的な四球率42.9%、出塁率.619によりwRC+194の成績を残した。
また、ある試合では打球初速115.6マイル(約186キロ)の打球を放った上に、別の打席でサヨナラとなる2塁打を放った。
現状、ラッシングの本職であるキャッチャーは10年契約を結んだウィル・スミスにブロックされているが、ドジャースは昨季のトレードデッドラインにおいてラッシングの放出を拒否。
マイナーではLFや1Bの練習を開始するなど、様々な角度でラッシングのメジャー出場機会を確保しようとしている。おそらく今季中旬までには何らかの形で昇格するだろう。
RP ベン・カスパリウス
ベン・カスパリウスはラッシングとは対照的に、プロスペクトとしての初期の評価が高かったとは言えないリリーフ投手だ。
2021年ドラフトで5巡目、全体162位指名されたカスパリウスは2023年mlb.com球団別プロスペクトランキングではランク外も、近年はぐんぐん評価を上げ、最新の2025年版では14位につけた。
デビューは昨季で、レギュラーシーズン、ポストシーズン合計14.2イニングを投げた。カスパリウスの強みは”スピンの感覚”で、投げるフォーシーム、カッター、スライダー、カーブのすべてがリーグ上位の回転数を誇る。
特にスライダーは平均で3000回転を超え、これはメジャー1位の数字だ。またスプリングトレーニングでは平均96-97(約154~156キロ)、最速99マイル(約159キロ)を叩き、リリーフ投手に重要な”速球の威力”を持っていることを見せた。
既に2025年の登板も果たしており、シカゴ・カブスとの東京シリーズ第1戦で3点差の7回という緊張感のある場面で登板し、1イニングをパーフェクトに抑えた。
当分はアクティブロースター上にロングリリーフ要員として据え置かれる予定で、そこで結果を残せばセットアッパーとしての役目を勝ち取るかもしれない。
RP ジャック・ドライアー
ジャック・ドライアーは東京シリーズでメジャーデビューを果たしたリリーフ投手だ。昨季はマイナーで46試合に登板、防御率2.20の成績を残し、オフにはルール5ドラフト対策で40人枠に登録された。
スプリングトレーニングでは6回、防御率3.00、K%45.5と驚異的な成績を残し、東京シリーズに向けたアクティブロースターに登録。そのままメジャー初登板を果たした。
ドライアーは2021年にドラフト外FAとしてドジャースとマイナー契約を締結。毎年600人近くがプロ入りするMLBドラフトにおいてどことも契約しなかったことは当時のドライアーの低評価ぶりをうかがわせる。
その後も名のあるプロスペクトランキングに載ることは無く、米メディア『The Athletic』のKeith Law氏が作成したドジャースの球団別ランキングでも欄外にすら載ることがなかった。
そんなドライアーをメジャーまで押し上げたのが伸びのあるフォーシームだ。ドライアーのフォーシームは93マイル(約150キロ)と平均以下の球速だが、スプリングトレーニングでは20-22インチの縦変化を記録。
これはメジャートップを張れる数値だ。さらにスライダーも変化量は少ないものの、平均87-88マイル(約140~142キロ)を叩き空振りを奪うには十分だ。
伸びのあるフォーシームとスライダーのコンボは、昨季67試合登板で防御率1.76の成績を残したアレックス・ベシアと酷似しており、界隈ではベシア2号と呼ばれている。
今年のみならず、今後数年間にわたってドジャースブルペンを支える存在になる可能性が高いだろう。
SP ランドン・ナック
ランドン・ナックは故障者が続出した昨季のドジャース先発投手陣を支えた先発投手だ。今季はマイナースタートで先発デプスの一人としての役割を期待されている。
そんなナックは昨シーズンを12先発で69回防御率3.65という微妙な結果に終わったが、リーグトップともいえる層の厚さを誇るドジャースの先発ローテ入りとその先の活躍を目指して、オフシーズンにチェンジアップの改良に取り組んだ。
昨季のチェンジアップは平均的な84.2マイル(約135キロ)の球速からフォーシームとの違いがほとんどない軌道で飛ぶ球だった。被打率は.182と低かったが、リーグ平均を下回る空振り率27.1を記録した。
東京シリーズ第2戦では3点差の7回に登板。オフシーズンに習得したチェンジアップの一種”キックチェンジ”を全30球中8球投げ、5球が空振りとなった。
チェンジアップのグリップを変えることで球速を維持したまま縦横両方の変化をつけることに成功した。元の強みである伸びのあるフォーシームとジャイロスライダーと共にナックが活躍する鍵となるだろう。
SP ジャスティン・ロブレスキー
ジャスティン・ロブレスキーは昨季36.1回を投げ防御率5.70と散々な成績を残し、オフを挟んで再起を図る先発投手だ。昨季は与四球率10.4、Location+95と制球に苦しんだロブレスキーだが、読売ジャイアンツとの練習試合では2.0回27球を投げ与四球ゼロと改善を見せている。
また、打者6人に対してフォーシームとカーブだけで抑えられたというのも好印象だ。左から平均94-95マイル(約151~153キロ)の速球を投げられる点が強みのロブレスキーだが、昨季は変化球が固まっていない印象だった。
スプリングトレーニングではフォーシームに加え、落ちるカーブ、平均85-86マイル(約137~138キロ)のスライダー、90マイル(約145キロ)代のカッターと固まったようで2先発9.1回で防御率1.93、奪三振率26.5の成績を記録した。
今シーズンはナックと同様に先発デプスとしての役割を期待されている。
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