フジテレビが米・スカイバウンドエンターテインメントと共同制作するドラマ『HEART ATTACK』(FODで全話配信中)の完成発表イベントが19日、都内で行われた。

  • (左から)Shawn Kittelsenand氏、SAKURA、寛一郎、三浦透子、阿部久令亜、めがね、冨岡愛、丸山健志

    (左から)Shawn Kittelsenand氏、SAKURA、寛一郎、三浦透子、阿部久令亜、めがね、冨岡愛、丸山健志

「赤い麺」は美味

近未来の日本を舞台に、政府が人権を否定するほどの特殊能力を持つ“ヴァリアント”と呼ばれる人々が抑圧、権力と闘い、運命的な愛情をスリリングな展開と刺激的な映像演出で描いていく同ドラマ。

主演の寛一郎は、今作の見どころについて、「キャスト皆がバリエーションを持っている。どんなバリエーションを持っているのか?なぜ彼らにバリエーションが備わったのか、楽しみにしていてください」と呼びかけ、こちらも主演の三浦透子は「細かいところまでこだわりが詰まっていて、私たちヴァリアントが住んでいる世界観を表現するための工夫、どこを工夫するのかというポイント。例えば食事、クラブで踊っている人たちの振り付け、ダンスとか我々がいま生きている世界で流行っているものとはちょっとちがった奈落という世界での流行りを作り出しています」と語る。

その具体例として、劇中には「赤い麺」が登場。阿部久令亜は「見た目は独特しいけど食べると、美味しかったです」と声を弾ませ、三浦は「“体に害のあるものではありません”と伝えてもらいました」と、安心して口にすることができたそうだ。

三浦透子、方向音痴に日々エネルギーを使う

作品にちなみ、「欲しい能力」について登壇者がそれぞれ回答。“1分で本の内容が入ってくる”という寛一郎は「これは本だけでもなく1日の時間をもう少し長くしてほしいっていうことで、わかりやすく映画見るのも何にでもそうですけど。買って満足して読んでいない本とかが結構たまっていて。それを読みたいんです。読めよって話なんですけど時間がかかりますからね。ちょっと日常を楽にする能力だと思って、書きました」。

“記憶を消す、何も考えなくても目的地までたどり着ける”という三浦は「嫌なことも忘れたいみたいな発想ではなくて。1回読んだ本がすごく面白かった、っていうやつを読んでなかった時に戻してもう1回読みたい。映画とか本とか、結末を知ってしまう前にもう一度戻りたいなっていうことってあるなと思って書きました。もう一つは本当にただの方向音痴を直したいって話なんです。本当に日々それにものすごくエネルギーを使ってるなって感じるので。あまりそこにエネルギーを割かずに目的地に取り付けるようになりたいな、という思いで書きました」とのこと。

そして、“体が未知なる楽器になって新しい音を出す能力”という丸山健志監督は「このアンケート書いてる時に三浦さんのライブにちょうど行ってる時で。そのライブに行って、声って本当に才能っていうかすごい能力だから、声以外に何かないのかな、身体から発せられる音とかがあって人を幸せにできたりとか、そういうバリエーションがあったらいいなって思いました」と話した。

名曲をカバー「すごく重みのある歌詞」

このイベントには、原作のShawn Kittelsen氏が登場。映像化された作品を見て、「心がわき踊る、本当に素晴らしい『HEART ATTACK』でした。見ながら心がわき踊る気持ちがし、本当に心から誇りに思いました。丸山監督をはじめキャストの皆さん、クルーの皆さんには感謝しかありません。この私が書き上げたストーリーの精神というものをそのまま維持していただきながら作り上げていただき、本当にありがとうございます」と興奮とともに感謝を伝えた。

さらに、主題歌「強く儚い者たち」を歌う冨岡愛も登場。Coccoが1997年に発表した名曲のカバーで、歌唱した冨岡は「ドラマも人間の強いところ弱いところを繊細に描かれている作品だなと思ったので、それを私も曲を通して表現できたらなと思いながら歌わせていただきました。世界観もですが、すごく重みのある歌詞で、それをどう昇華して表現していくのか、ということを一番考えました」と込めた思いを明かした。

冨岡の歌唱を聴いた寛一郎は「本当に素晴らしかったです」、三浦は「声がすごく真っすぐでとても言葉が入ってくるな、って印象があって、ドラマの主題歌ということもあってより言葉が入ってくる感じが胸に沁みました。大人の女性の声に聞こえるときと少年のように聞こえるときと、両方あってその波が聴いていてとても感動しました」と感激していた。

現実世界に通じる場面も…「心が苦しくなる」

このイベントの前には、第1話の試写会を開催。来場者からは「話の内容の続きが気になるのはもちろんですが、Lのアジトが出てきたシーンに世界観の細部へのこだわりを感じ、もっと見たいと思いました」「差別されると人権がないような扱いを受けてしまう。世界のどこかで今もそのように扱われていると思うと心が苦しくなる」と、印象深い場面の感想が寄せられた。

また、こちらにも「欲しい能力」を聞いてみると、「顔に手で触れたらメイクをした状態になる能力。ヘアメイクや着替えなどもできたらうれしい」「帯電できる能力。電気を作れて自由に操れるので、どこにいても電気が使える。充電などに便利」といったアイデアがあった。