――三浦さん演じるエマと、寛一郎さん演じるウミンについて、それぞれどんなところに魅力を感じていますか?

三浦:エマは自分の置かれた状況をよくしていくために、自分自身の力で行動を起こす強い女性だと思います。でも一方では、年齢相応の幼さや弱さ、迷いも抱えているんです。完成された確固たる意志があるというよりは、精神的に成長していく過程が作品の中で描かれている気がします。時には間違えたりしながら迷いながら進んでいくところに魅力を感じますね。

寛一郎:ウミンのことを感情が死んだロボットみたいな人にはしたくないと思っていました。カッコつけて突っ張ってるけど、本当は寂しいし、かわいいやつなんだろうなというのを彼の魅力にしたいと思って演じていました。

――エマとウミンは生まれつき特殊能力を持っていますが、どんなことを意識して演じたのでしょうか。

三浦:「特殊能力を持っている」と思うと、飛躍した存在になってしまいそうですけど、“他者と違うことによって虐げられている”という構造は、現代社会にも間違いなく存在します。まずはそこから理解しようとしました。それに、ほとんどのヴァリアントは少し手が温かくなるとか、ほんの少しだけ物が動かせるとか、ささいな能力しか持っていないんです。本人たちは「別に普通の人と変わらないんだけどな」と感じて生きている。そういった意味でも、演じる上で、遠い世界の話だと思ってはいけない作品だと感じました。

寛一郎:特殊能力とは違いますけど、例えばコンプレックスだったり、誰しも人と違う特徴を持っていると思います。ヴァリアントは、それが顕在化したものなんじゃないかと。だから透子さんが言った通り、遠い存在ではなく、僕らの中にある普遍的なものの1つとして考えたほうが分かりやすいかなと思っていました。

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――では改めて、この作品の見どころを教えてください。

三浦:画面の中の細部まで世界観が作り上げられていて、丸山健志監督の思いが込められています。細かいところまで注目して見ていただけると面白いんじゃないかなと思います。

寛一郎:日本ではこれまで超能力が登場するSFドラマが少ない中で、チャレンジングな作品だと思います。細かいところまで監督のこだわりが詰まっているので、普通のSFではないところを含めて見ていただきたいですね。

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■『HEART ATTACK』(FODで全8話一挙配信中)
出演:寛一郎 三浦透子
   三浦誠己 村上淳 西田尚美 岸谷五朗 ほか