こんにちは！ガクラボの蒲生杏奈です。今でこそ学生の海外留学や国際交流が盛んになっていますが、その歴史を考えたことはありますか？

実は日本には海外からの留学生が約27万人（2023年の数値なので、今はもっともっと多そうですよね）もの留学生が在籍しており、その中で約41.37%を占めるのが、お隣・中国からの留学生なのだそうです。『ニッポン華僑100万人時代』といわれる近代、日本と中国の交流の歴史はとても深く、歴史に名前が残る中国の偉人たちも多くが過去日本に留学をしていたのです。

今回は、そんな中国の留学生たちがどんな歴史をたどってきたのか？留学中どんなことを考え、歴史に名前を残してきたのか？を学ぶことができる『百年留学生記念館』に行ってきました。

『百年留学生記念館』とは？

同記念館は、20世紀初頭に日本で学び、新たな知識を追い求めた若者たちの物語を未来へ紡ぐ文化交流施設です。歴史を学ぶだけでなく、異なる文化や価値観が交わる場として、新たな挑戦を促す場となることを目指しているといいます。

グランドオープンは2025年3月21日から（開館時間は10時～18時）。ぜひ気軽に足を運んでみてください。世界の見方がちょっと変わるかも！

いざ、『百年留学生記念館』の中へ！

地下鉄丸ノ内線西新宿から徒歩2分、地下鉄大江戸線都庁前駅から徒歩5分、JR新宿駅から徒歩7分のアイランドタワー地下1階にあります。

館内は心地良いアロマの香りが…！中国で有名な茉莉花（まつりか／ジャスミン）のアロマを焚いているとのことです。

そして建物内に入ると、大正時代の日本の大学生が来ていた学生服が目に入ります。歴史に浸り、よりリアルに当時の生活を想像しながら館内を回っていただけるように置いてあるそう。実際に着て館内を回ったり、写真を撮ったりすることができます。

特別展「青年 周恩来東京留学の足跡」

現在は開館を記念し、特別展「青年 周恩来東京留学の足跡」が開催されています。

同展示は、19歳で日本に渡り多くの困難を乗り越えた、中華人民共和国初代総理 周恩来の青春時代を、彼の日記や再現された大正時代の風景を通じて紹介しています。

周恩来の当時の家が再現されています！よりリアルにするために、自転車が通る音や、隣の家の人が歩いている音などが流れていました！

さらに進むと、当時の思い出深い「神保書店」が再現された場所が！周恩来は勉学に行き詰まった際、この場所に救われたといいます。

さらに周恩来さんのご家族が所有しているという当時の書籍をお借りして、展示しているそう！展示してある紙の状態からも歴史を感じました。

中国の偉人たちのゆかりの地が、東京にはたくさんあることを知りました。この記念館に行った後、ゆかりの地に行くと、街を歩きながら歴史を学べるかも？

さらに進むと、ちょっとしたアトラクションが！「人間関係」、「進路」、「勉強」など項目を選択すると、周恩来が当時抱えていた悩みをどのように解決していったかをもとに、今のあなたの悩みに寄り添うアンサーをくれます。

名前を入れると、日付入りのありがたいお言葉が入ったステッカーがもらえます。ちょっとしたお土産にぴったり！スマホの裏に入れられるサイズ感です。

また、周恩来の人生を描いた書籍も置かれており、自由に読むことができます。

最後には、来館者同士で悩みを共有し、解決のアイデアを相談できるスペースがありました。

自分なりの解決方法も貼ることで、誰かの悩みに寄り添うことができます！

館内にはフォトスポットも。鏡越しに記念写真を撮れますよ！大正レトロな学生服を着て撮ると、タイムスリップしたみたいですよね。

中国人留学生の交流や、共生の架け橋となることを目指して

『百年留学生記念館』は、歴史の保存や展示にとどまらず、現代の若者たちが異文化交流を通じて挑戦する場を提供することを目指しているそうです。

館内では、若者同士や留学生との対話を促進する交流イベントや、閉館後の特別講義「100-YEAR ACADEMY」など、未来に向けた多様な取り組みを展開予定とのこと。

取材を終えて…

いかがでしたか？インターネットもSNSもない時代に、留学生たちがどんなことを考えて過ごしていたのかを知ることができました。そして、歴史に名前が残るような人たちも、私たちと同じように苦悩を抱えながら、「社会を変えよう」という熱意を持って学んでいたんだなと思い、より身近に感じることができました。

『百年留学生記念館』は、そんな貴重な機会を提供してくれる場所です。この記事を読んで、留学や中国文化がより身近に感じられていたら幸いです。

ライター：蒲生杏奈（ガクラボメンバー）

編集：ろみ（学窓編集部）