
ブリヂストンは3月7日、タイヤ・路面摩耗粉じん(TRWPと呼ばれる)の環境影響を把握するため、独自の実車捕集法を開発したと発表した。
TRWPとはタイヤと路面の摩耗で発生する粉じんのことで、タイヤ表面のトレッドと道路舗装差材の混合物。ブリヂストンではこのTRWPの粒径分布、飛散状況、そして環境影響の把握、そのための効率的な捕集法の開発を進めている。
TRWPは一般的に、大気中に飛散して呼吸器系の健康に対する悪影響や、雨水などによって流されると河川や海洋に到達し、水質汚染を引き起こす可能性、さらに地表に堆積することで土壌の質を劣化させたり、生態系に対する有害な影響が指摘されている。
今回ブリヂストンが新たに開発したTRWPの捕集法は、まずTRWPなどの粒子の飛散状況を高速度カメラとレーザー光を組み合わせることで可視化。その結果をもとに効率的に捕集可能なタイヤ全体を覆う装置とした。さらに自動運転を使用することで一定の走行状態を保持するとともに、回生ブレーキを使う電気自動車(EV)を用いることで排気粉じんブレーキ粉じんの影響を排除した状態でのTRWPの捕集を可能とした。
ブリヂストンは、TRWPの粒径分布や飛散状況、環境影響を把握するための研究を進めており、効率的な捕集法を開発することで、これらの環境影響を理解し、緩和する取り組みを加速させていくとしている。
※タイトル写真を差し替えました
〈文=ドライバーWeb編集部〉