アントプロダクションが運営する保険の無料相談サービス「グッドカミング」は、高額療養費制度に関するアンケート調査を実施した。調査対象は日本在住の男女300人で、調査期間は2025年2月12日~2025年2月14日であった。なお、調査方法はインターネットによる任意調査であった。
今回の調査では、現状の高額療養費制度の区分と同じく、回答者の年収帯を「年収156万円以下(住民税非課税)」「年収156万円~370万円」「年収370万円~770万円」「年収770万円~1,160万円」「年収1,160万円以上」の5段階に分けて集計した。
最も多かったのは 「年収370万円~770万円」の116人(38.7%)。日本の平均年収に近い層で、今回の高額療養費制度の改定で相対的な負担が大きくなるグループであるとのこと。次いで「年収156万円~370万円」92人(30.7%)、「年収156万円以下」54人(18.0%)が続き、低・中所得層の回答が多数を占めていることがうかがえる。一方で、「年収1,160万円以上」の高所得層はわずか3人(1.0%)であった。
2026年8月からは、年収の区分をさらに13区分まで細分化し、2026年・2027年の2段階で上限額を引き上げる予定であるとのこと。例えば、約510万円~650万円の年収帯では自己負担額が約11万3400円、最も高い区分の約1650万円以上では約44万4300円となる。
2025年8月からの高額療養費制度の負担上限額の引き上げについて質問したところ、「知っている」と回答したのは125人(41.7%)であった。次いで、「聞いたことがあるが詳細は知らない」が121人(40.3%)、「知らなかった」は54人(18.0%)となった。合計で58.3%の人が「詳細を知らない」結果となり、制度の改定が十分ではない点がうかがえる。回答者からは、「制度の変更内容について、わかりやすく説明してくれる機会があればいいなと思いました。」などのコメントが寄せられた。
「高額療養費制度の自己負担額引き上げについてどう思いますか?」という質問に対し、「断固として反対」および「やや反対」の回答が合計220人(73.3%)となった。「やむを得ないと思う」という消極的な理解を示した人は64人(21.3%)であったが、「賛成」と明確に支持する人はわずか11人(3.7%)にとどまる結果となった。約7割以上の人が「反対」 している背景には、家計負担の増加への懸念が大きいようだという。
自己負担額の引き上げでどんな影響を受けるか質問したところ、全体の約77.7%が「医療費の負担が増え、生活に影響が出る」と回答した。「特に影響はない」と回答したのは約2.6%にとどまり、多くの人が節約や診断控えなどを意識(懸念)する結果となった。
回答者からは、「財源に限りがあり、高齢者の医療費が増加していることを考えれば負担増もやむを得ない。」「自身が病気、怪我などで就労不可能な状態になった際のセーフティネットが機能しなくなる不安に駆られた。」などのコメントが寄せられた。
高額療養費制度とは、医療費の負担が重くなりすぎないよう、窓口で支払う医療費が月の1日~末日で上限額を超えた分の金額が支給される制度のこと。上限額は年齢や所得に応じて定められる。
「高額療養費制度について、どの程度理解していますか?」と聞いたところ、「仕組みや計算方法、申請方法などを理解している」と回答したのは、わずか24人(約8.0%)であった。最も多かったのは 「ある程度のルールは知っている」で167人(約55.7%)。一方、「ほとんど知らない」と回答したのは109人(約36.3%)にのぼる結果となった。制度の詳細を理解している人は1割未満にとどまり、具体的な計算方法や申請方法を把握している人が少ないことがうかがえる。
「高額療養費制度をこれまでに利用したことがありますか?」という質問に対し、最も多かったのは「ない」で、187人(62.3%)であった。一方で、過去に1~2回利用したことがある人は98人(32.7%)、「何度もある」と回答した人は15人(5.0%)となった。
「高額療養費制度の改定によって、民間の医療保険への意識は変わりましたか?」という質問に対し、「特に変わっていない」と回答した人が最も多く、154人(51.3%)であった。一方で、「保険の見直しを検討」している人は42人(14.0%)、「これを機に新たに加入を考える」と答えた人は18人(6.0%)となった。
また、「加入予定はないが、医療費への備えを厚くしたい」という回答も86人(28.7%)にのぼり、約4割の人が、何らかの形で医療費への備えを意識していることがうかがえる。
今回の改定による自己負担限度額の引き上げを受け、一部の人々が将来の医療費リスクを考慮した医療保険の見直しや加入を検討し始めているとのこと。一方で、過半数の人は現時点で「特に変わっていない」と回答しており、改定の影響が直ちに民間保険加入の増加につながるとは断言できないようだという。
今回の調査から、制度の改定により家計の負担が増すと感じている人が多いにも関わらず、情報が十分に行き渡っていない現状がうかがえた。今後、政府や医療機関、保険業界などが積極的に情報を発信し、多くの人が正確な情報を得られるような取り組みが求められるとのこと。





