![後半ATにセルロートが同点弾 [写真]=Getty Images](index_images/index.jpg)
コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準決勝ファーストレグが25日に行われ、バルセロナとアトレティコ・マドリードが対戦した。
いよいよ準決勝に突入したコパ・デル・レイ。ホーム&アウェイ方式で開催される唯一のステージとなる準決勝では、バルセロナとアトレティコ・マドリード、そしてレアル・ソシエダとレアル・マドリードが対戦する。
現在ラ・リーガで首位に立つバルセロナは、コパ・デル・レイではラウンド32でバルバストロを4-0で、ラウンド16でベティスを5-1で、さらに準々決勝でバレンシアを5-0で撃破。一方で、ラ・リーガではそんなバルセロナを勝ち点差「1」で追いかける3位のアトレティコ・マドリードは、同大会に1回戦から参戦。ラウンド32までは3部より下のカテゴリーの相手を順調に破ってきており、ラウンド16で2部のエルチェを4-0で下すと、準々決勝ではヘタフェを5-0で粉砕した。
そんな両者が相まみえる最初の90分間は、バルセロナのホームで開催。試合はキックオフ直後にスコアが動く。積極的な入りを見せたアトレティコ・マドリードは開始から20秒後、アントワーヌ・グリーズマンからのボールをフリアン・アルバレスが頭で叩くも、ここはGKヴォイチェフ・シュチェスニーに弾き出される。それでも、このプレーで右コーナーキックを獲得すると、ショートの位置で受けたロドリゴ・デ・パウルとのパス交換からグリーズマンが鋭いボールを供給。クレマン・ラングレが頭で逸らすと、最後はファーサイドへ走り込んだアルバレスがダイレクトで仕留めた。
幸先良く先手を取ったアトレティコ・マドリードの勢いは止まらない。6分、ジュール・クンデからのバックパスを狙っていたアルバレスがインターセプトし、敵陣まで持ち出すと、相手を引きつけて中央へ繋ぐ。走り込んだグリーズマンはアレハンドロ・バルデをかわすと、右足でねじ込み、早々とリードを広げた。
開始10分以内に2点ビハインドという、まさかの立ち上がりを強いられたバルセロナだったが、12分には1つチャンスを構築。ピッチ中央付近でペドリから斜めのパスを受けたハフィーニャが、ダイレクトで背後のスペースへ流し入れると、抜け出したフェラン・トーレスが右足で狙うが、ここはGKフアン・ムッソが立ちはだかる。ビッグチャンスを逃す形となってしまったが、19分には反撃の狼煙をあげる一発が生まれる。
敵陣右サイド大外に張ったラミン・ヤマルとのパス交換から、クンデがボックス右のスペースへ侵入。マイナスへ折り返すと、浮いていたペドリがダイレクトで沈める。1点を返したことで勢い付いたバルセロナは直後の21分、フレンキー・デ・ヨングが敵陣深い位置まで飛び出してコナー・ギャラガーにプレスをかけ、右コーナーキックを獲得。ハフィーニャが左足で内巻きのボールを送ると、ファーサイドでパブロ・バリオスに競り勝ったパウ・クバルシがヘディングシュートを沈め、バルセロナが試合を振り出しに戻した。
一気に畳み掛けたいバルセロナは32分、GKムッソへのバックパスが短くなったところをフェランが狙うも、GKを抜き去った後の右足シュートはヒットせず。このまま前半終盤に差し掛かったが、バルセロナはこのままハーフタイムへ突入することを許さなかった。
41分、再び右コーナーキックから、ハフィーニャの蹴ったボールにイニゴ・マルティネスが反応。スクリーンプレーでフリーになると、ファーサイドで狙い澄ましたヘディングシュートを沈め、バルセロナが逆転して前半を終えた。
後半へ折り返すと、アトレティコ・マドリードは立ち上がりの52分にグリーズマンがフィニッシュまで持ち込むシーンを作るも、ここで得点が生まれることはない。その後はバルセロナが試合の主導権を握り、ハフィーニャやラミン・ヤマルが中心となって追加点の気配を漂わせるが、次の1点は生まれずに時計の針が進む。
71分にはアトレティコ・マドリード。アンヘル・コレアの見事なターンからマルコス・ジョレンテが抜け出し、折り返しをアレクサンダー・セルロートが押し込んだものの、ここはバルセロナが見事なラインコントロールを見せており、オフサイドの罠にかかる。
このまま終盤へ差し掛かると、74分には後半のファーストゴールが生まれる。敵陣中央でアレハンドロ・バルデからのパスを受けたペドリが右へ広げると、待っていたヤマルが縦へ仕掛ける。対峙したヘイニウド・マンダーヴァを振り切って中央へ折り返すと、最後はロベルト・レヴァンドフスキが押し込んだ。バルセロナの若き“エース”、そして68分から途中出場していた“エースストライカー”が大仕事をやってのけ、バルセロナが勝利を手繰り寄せた。
だが、アトレティコ・マドリードもこのまま試合を終わらせない。84分、左サイドへ流れてボールを受けたアルバレスがボックス左へ流し入れると、斜めの動きでボールを引き出したコレアが強引に腰を捻ってマイナスへ折り返す。最後はマルコス・ジョレンテが豪快な右足シュートを沈め、再び1点差に詰め寄った。
さらに後半アディショナルタイム、最終ラインからの1本のロングフィードで、サムエウ・リーノがバルセロナのハイラインを破る。中央への折り返しをアレクサンダー・セルロートが押し込み、土壇場で同点に追いついた。
試合はこのままタイムアップ。立ち上がりの2ゴールが決まった時はアトレティコ・マドリードが、4点目が生まれた時にはバルセロナが勝利かと思われたが、最後までスリリングな展開となり、数えきれないほどの見どころがあった試合は4-4のドローで終了。決着はセカンドレグへ委ねられることとなった。
セカンドレグは4月2日に行われ、アトレティコ・マドリードが本拠地『リヤド・エア・メトロポリターノ』にバルセロナを迎える。
【スコア】
バルセロナ 4-4 アトレティコ・マドリード
【得点者】
0-1 1分 フリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリード)
0-2 6分 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)
1-2 19分 ペドリ(バルセロナ)
2-2 21分 パウ・クバルシ(バルセロナ)
3-2 41分 イニゴ・マルティネス(バルセロナ)
4-2 74分 ロベルト・レヴァンドフスキ(バルセロナ)
4-3 84分 マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)
4-4 90+1分 アレクサンダー・セルロート(アトレティコ・マドリード)