アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが24日、東京・東銀座のマガジンハウスで小説『ミアキス・シンフォニー』(2月26日発売 1,980円税込 マガジンハウス)の発売記念発表会を行った。

小説『ミアキス・シンフォニー』の発売記念マスコミ発表会を行った加藤シゲアキ

小説家としても活躍している加藤シゲアキが2018年から2022年まで全16回にわたり、雑誌『anan』で不定期に連載していた小説『ミアキス・シンフォニー』。それに大幅な加筆、修正を加えた同書から、新たなる物語が誕生した。どの街にもありそうな大学や和食屋を舞台に、1つの場面を様々な視点から辿っていくうちに交錯していく登場人物たちを描き出す。

発売間近に控えたこの日は、出版元のマガジンハウスで報道陣を前にしての発表会を実施。加藤は「本当にいつ完成するのか分からない時期もありましたし、(連載スタートが)2017年で、その間に2~3冊本が出ていたので、この作品は作家人生の半分を近くかけて作り上げました。僕の分身のような作品が生まれたと思っています」と自信を見せつつ、連載のオファーがあった時は「書き下ろしと連載の違いが分かりませんでした。ある種見切り発車でやる形になり、タイトルと内容を決めて手探りの状態から始めました」と連載当初は模索の日々が続いたという。

テーマとしては"愛"を扱っており、「愛をテーマって照れくさいんですが、書いている期間は30代なので、"愛だよな"と大人になって思ったんです。当時読んでいたエーリッヒ・フロムの『愛するということ』にインスパイアを受けて書き上げたというのもあり、登場人物を深堀りしていくとあらゆる愛が浮かんできました」と振り返った。

連載した文章を書き直したり加筆するなど長い時間をかけて作り上げた同書。「広げた風呂敷の畳み方がわかりませんでした」と困難を極めたというが、「難しいから楽しかったかもしれないですね。LEGOで作った車をバラバラにしてスーパーカーにする感じ。車ではありますが、かなりグレードアップさせていくというか、同じパーツを使ってアップさせていくのが本当に大変でした。ある程度ゴールを決めて作ったほうが良いと思いましたし、実験的に作れたからこそ自分にしか書けない作品ができたと思います」と最終的には大満足の作品に仕上がったという。

自身の愛については「自分自身を信じることなんだなと書いていて思いました。やっぱり愛するっていうことを突き詰めていくと、どんな時も相手を思うことは最終的に自分が試されている状況だと思います」と回答を。また、イベント当日には事務所の先輩にあたる大倉忠義が結婚とお相手の妊娠を発表。「本当におめでとうございます。世代も近いので『おめでとうございます』と心の底から連絡させていただきました」とイベント前に祝福の言葉を送ったといい、「良きパパになれそう?」という報道陣の質問には「きっと大倉さんならなれると僕自身、信じております」と期待を寄せていた。