第一三共ヘルスケアは、藤田医科大学と共同研究に関する契約を1月28日に締結した。

共同研究においては、加齢に伴う嚥下力の低下に着目した錠剤の服用シミュレーションを実施することで、高齢者を含むすべての方が服用しやすい錠剤の開発に取り組んでいく。

高齢者の中には錠剤が喉につかえたり、飲み込みにくく感じたりする人が少なくない。同社はこれまで、錠剤を小さくすることで服用のしやすさを向上させる研究を進めてきたが、有効成分の配合量が多い場合など、小型化に限界があったという。そのため、より服用しやすい形状の錠剤開発に向けて新たな研究に着手した。

同研究では、嚥下機能に関する高い知見を有する藤田医科大学 医学部リハビリテーション医学講座と共同で、年齢層ごとに人の喉の動きをコンピューター上に再現した喉モデルを作成。このモデルを用い、嚥下シミュレーションを行うことで様々な錠剤の大きさ・形状を検討する。

さらに、実際に服用した際の飲み込みやすさとの相関性を確認することで、シミュレーションの精度を高め、将来的に服用しやすい錠剤形状の選定に活用することを目指すという。

また、同研究で得られる年齢層ごとの嚥下機能の研究成果については、口腔ケアやオーラルフレイル対策の研究ならびに製品開発へも応用できると期待しているとのこと。

同社では、本研究を通じて、高齢者など嚥下力が低い方の服薬に対する悩みに応える製品の提供を目指している。今後も科学的に根拠のある品質を大切にし、自社の研究にとどまらず、外部研究機関との共同研究や製造委託パートナーとの技術開発に取り組み、生活者満足度の高い製品を開発していくとのこと。