ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。

今回は、ハーゲンダッツ ジャパンのマーケティング本部で働く大橋昌広さんに、詳細な業務内容や仕事観についてインタビューをしました。

  • PROFILE
    ハーゲンダッツ「ミニカップ」における新商品の企画・開発を担当。商品コンセプトやフレーバーの検討から始まり、パッケージデザインの選定、発売後の販売動向に至るまで、社内外の関係部署と連携しながら、新商品を開発。商品の中長期的な戦略や、新商品発売プランの決定にも携わっている。

ハーゲンダッツの商品企画の流れは?

ーー自己紹介をお願いします。

ハーゲンダッツ ジャパンのマーケティング本部に所属しております、大橋昌広と申します。入社後6年間は、コンビニエンスストア本部やスーパーマーケット本部向けの営業を行っており、昨年からマーケティング本部に配属となりました。

ーー現在の具体的な仕事内容を教えてください。

現在は、ハーゲンダッツ「ミニカップ」の新商品開発に励んでいます。中身を実際に作るのは、「R&Dセンター」という研究開発部門施設のメンバーですが、R&D部門とタッグを組んでフレーバーや商品のコンセプト、中身について決めていきます。

また、社内のデザインチームと相談しながら、パッケージも平行して開発を進め、中身とパッケージの両者が揃うことで商品が完成します。実際に商品が出来上がってから開発した商品を取り扱っていただけるように、卸売業・小売業などの企業さまに対しての商品案内資料や商談資料を作成します。営業に同行してプレゼンをすることもあります。

ーー商品の発売までにどのくらいの期間がかかりますか。

およそ2年ほどです。2年後の世の中を想定して商品開発することは難しいですが、2年後のトレンドをわたしたちが作るぞ、という気持ちで業務に携わっています。

――新商品開発にあたって、意識していることはありますか。

SNSやニュースなどで情報収集したり、話題になっているお店に足を運んでみたり、または実際にお客様へのヒアリングすることを通して、市場でどのようなものが人気を集めているかは常にチェックするように心がけています。

――フレーバーやパッケージデザイン選定における「こだわり」を教えてください。

なにより手に取っていただいた方に「おいしそう」と思っていただけるかを一番のポイントだと考えています。そのうえで、ハーゲンダッツに求められているものとして、「贅沢感、特別感」や「濃厚な味わい」だと感じているので、どういったフレーバーであっても、そういった要素を感じ取っていただけるようにこだわっています。

――大橋さんはミニカップ新商品の中長期的な戦略や、新商品発売プランの決定などの業務にも携わっていると聞きました。販売プランを考える上で、工夫されている点があれば教えてください。

他社も含めた市場の販売動向を確認しどのタイミングでどういった商品が売れそうか、というのを意識しています。

例えば、夏はさっぱりとしたフレーバー、冬は濃厚なフレーバーなどの大枠を決め、そのうえで発売日を決定する際には、どの週に発売するのが良いのか、細かく決めていきます。 近年は9月や10月になっても気温が下がらないことが多く、秋の期間限定フレーバーをいつ発売すべきなのかという課題に直面しています。

過去と同様の販売プランでは思ったよりも売上が伸びないこともあるため、「1つの正解」ではなく「今のベスト」を見つけるために試行錯誤を繰り返しています。

完璧を目指すことで培ったブランド力

ーー仕事の軸を教えてください。

「現状維持にならないように」、ということを意識して仕事に取り組んでいます。お客様によって異なるニーズを少しでも多く満たせるように、うまくいったときもうまくいかなかったときもお客様のご意見を参考にその原因を考え、現状を改善し続けようという姿勢を持つようにしています。

わたしは「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう」という言葉をモットーにしているのですが、お客様にとってこの商品をどのように受け止められるのだろう?お取引先様にとって、この提案はどのように受け止められるだろう?といったことを想像力を働かせて業務に取り組んでいます。

想像力を培うためにお客様、お取引先様、ハーゲンダッツに関わってくださる方、それぞれが「どのような考えを持っているのだろうか」ということを普段から意識するようにしています。

ーーご自身の強みを教えてください。

客観的に物事を見て、どこに課題があるかを理解することは得意だと思っています。例えば発売した商品の発売時期は合っていたのかや、商品名が本当に妥当だったのか等です。このような課題を見つけ、次の商品企画に活かすことはできていると思っています。

ーー入社前に考えていた仕事内容と現在の仕事内容にはギャップがありますか。

商品を企画するために、世の中のトレンドを追うことや新しいものや自分の知らないものにできるだけ多く触れてみることが必要不可欠です。こうした経験の積み重ねが、新商品の閃きに繋がると感じているからです。そういった点で、入社前に抱いていた華やかなイメージとは異なり、実際の仕事内容はとても地道なものでした。

ただ弊社のモットーである「Dedicated to Perfection (完璧を目指す)」を念頭に、社員全員が真摯に仕事に向き合うことで、今のブランドが築けているのだと感じています。

ーーハーゲンダッツ ジャパンに入社してよかったと思う瞬間を教えてください。

お客様、お得意様はもちろん、家族や友人からの「ハーゲンダッツはやっぱり美味しいよね、違うよね」という言葉をいだだいたとき、ハーゲンダッツというブランドや商品が愛されているなと感じられたとき、ハーゲンダッツ ジャパンに入社して良かったと思います。このような温かい言葉が励みになります。

ーー最後に大学生に向けたメッセージをいただけますか?

ついこの間大学を卒業したと思ったら、気づけばもう入社8年目になっていました。時間が経つのは早いですから、大学生の今だからできることに躊躇せず取り組んでほしいと思います。本日はありがとうございました。

マイナビ『学生の窓口』
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取材:マイナビ学生の窓口編集部
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:ハーゲンダッツ ジャパン

※本稿はマイナビ『学生の窓口』の過去の記事を転載したものです