井上新監督の下で“ピンチ”に…?中日、来シーズンは厳しい立場となり得るベ…

プロ野球 最新情報

 2024年限りで立浪和義監督が退任し、2025年シーズンから井上一樹新監督が指揮を執る中日ドラゴンズ。プロ野球では指揮官が代われば、起用方針も変わることが多い。井上監督の就任初年度となる来季は、戦力層が大きく変わる可能性もありそうだ。そこで今回は、井上新体制でピンチの立場となり得るベテラン選手を紹介したい。

 

今シーズンのセ・リーグはDAZNで生中継!

月額1270円お得に観るなら[PR]

 

高橋周平

・投打:右投左打

・身長/体重:180cm/90kg

・生年月日:1994年1月18日

・経歴:東海大甲府高

・ドラフト:2011年ドラフト1位

 

 近年は故障が重なり、3年連続で出場試合数が100試合未満となっている高橋周平。レギュラー再奪取には、茨の道を歩むことになりそうだ。

 

 東海大甲府高では甲子園出場経験こそないものの、高校通算71本塁打を記録。2011年ドラフト会議で3球団競合の末、中日ドラゴンズに入団した。

 

 

 プロ入り後はしばらく伸び悩んだが、高卒7年目にようやく自身初の規定打席に到達。翌2019年には三塁手部門でベストナインとゴールデングラブ賞のW受賞を果たすと、2020年には108試合出場で打率.305をマークした。

 

 しかし、その後は数字を落とし、2022年以降は故障もあってレギュラー陥落。昨季は「3番・三塁」で開幕スタメンに名を連ねたが、86試合の出場で打率.215に終わった。

 

 そんな中、今季はオープン戦で結果を残して2年連続開幕スタメン入り。だが、4月に右外側ヒラメ筋損傷を負って離脱を強いられた。

 

 6月には一軍復帰を果たしたが、福永裕基の台頭があり、スタメンの機会が減少。最終的には60試合の出場で打率.260、2本塁打、16打点という悔しい結果に終わった。

 

 今オフは国内FA権を行使せず、新たに2年契約を締結。だが、井上一樹新監督が期待を寄せる石川昂弥、福永らの存在もあり、厳しい立場に置かれている。

中田翔

・投打:右投右打

・身長/体重:184cm/107kg

・生年月日:1989年4月22日

・経歴:大阪桐蔭高

・ドラフト:2007年高校生ドラフト1巡目

 

 移籍初年度の今季は、開幕4番を託された中田翔。しかし思うような結果は残せず、来季は正念場のシーズンとなりそうだ。

 

 打点王を3度獲得するなど、主軸打者としてチームを牽引していたが、2021年のシーズン途中に無償トレードで読売ジャイアンツへ活躍の場を移した。

 

 2022年には109試合出場、打率.269、24本塁打、68打点の好成績をマーク。しかし、翌2023年は岡本和真の一塁起用もあって出場機会が減少。同年オフに自由契約を選択し、中日ドラゴンズに加入した。

 

 今シーズンは、開幕戦から「4番・一塁」で起用されると、早速ホームランを記録。同31日の試合でもアーチを描くなど、打線の起爆剤として順調なスタートを切っていた。

 

 しかし、5月中旬から状態が下降気味となり、その後は右太もも裏肉離れや腰の違和感を発症して離脱。最終的に62試合の出場で打率.217、4本塁打、21打点と物足りない数字に終わった。

 

 来季は細川成也が一塁手に転向するプランもあり、厳しい立場になることも予想される。2025年シーズンは、是が非でも本領を発揮したいところだ。

岩嵜翔

・投打:右投右打

・身長/体重:189cm/90kg

・生年月日:1989年10月21日

・経歴:市立船橋高

・ドラフト:2007年高校生ドラフト1巡目

 

 今季は支配下復帰を果たしたが、防御率5点台と振るわなかった岩嵜翔。来季は勝負の1年となるだろう。

 

 2007年高校生ドラフト1巡目で福岡ソフトバンクホークスに入団。プロ入り当初は先発として起用され、2011年には13試合の登板で6勝を挙げた。

 

 

 その後はリリーフ転向となり、2017年には72試合に登板して46ホールドポイント(6勝3敗40ホールド)、防御率1.99と大活躍。リーグ優勝・日本一に大きく貢献し、最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝いた。

 

 翌年以降は右肘の手術もあって低迷したが、2021年は48試合に登板し、防御率4.17ながらも16ホールドポイント(2勝5敗6セーブ14ホールド)を記録。同年オフには又吉克樹の人的補償で中日ドラゴンズに移籍となった。

 

 新天地ではセットアッパーとして期待されたが、移籍初年度はわずか1試合の登板で長期離脱。同年9月には右肘内側側副靱帯再建手術(通称:トミー・ジョン手術)などを受け、育成選手としてリハビリに励んだ。

 

 今季は開幕からファームで防御率1点台の好投を続けると、6月に支配下復帰。だが、9月12日のヤクルト戦で1回3失点、同18日の阪神戦では1回を投げきれずに4失点という厳しい投球が続き、一軍では21試合登板、防御率5.85と低調な数字に終わった。

 

 来シーズンで36歳となる岩嵜。右の中継ぎは清水達也や松山晋也、藤嶋健人といった実力者が揃うだけに、来季は結果が欲しいところだ。

大野雄大

・投打:左投左打

・身長/体重:184cm/85kg

・生年月日:1988年9月26日

・経歴:京都外大西高 - 佛教大

・ドラフト:2010年ドラフト1位

 

 ここ2年は不完全燃焼に終わっている大野雄大。エースとしてチームを支えてきたが、来季は背水の陣で挑むシーズンとなりそうだ。

 

 2010年ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団すると、プロ3年目には先発ローテーションに定着して2桁10勝を記録。2019年には25試合の登板で9勝8敗、防御率2.58の好成績で最優秀防御率のタイトルに輝いた。

 

 

 さらに、翌2020年には20試合の登板で11勝6敗、10完投6完封、148奪三振、防御率1.82と圧巻の数字をマーク。同年は最優秀防御率と最多奪三振に加え、沢村賞にも輝いた。

 

 その後もエース格として活躍を続けたが、昨季はコンディションが整わず、開幕直後に左肘クリーニング手術を実施。同年はわずか1試合の一軍登板でシーズンを終えた。

 

 復活を目指した今季は、4月3日の巨人戦で5回1失点の好投を披露し、幸先良く白星をマーク。しかし、同20日の阪神戦では2回途中6失点と苦しい投球になり、無念のファーム降格となった。

 

 8月には再び一軍の先発ローテーションに入るも、打線の援護にも恵まれずに黒星が先行。最終的に一軍では9先発で2勝6敗、防御率4.87と不本意な結果に終わった。

 

 チームは、今秋のドラフト会議で金丸夢斗、吉田聖弥といった即戦力左腕を上位指名している。世代交代がちらついているだけに、もう一花咲かせたいところだ。

木下拓哉

・投打:右投右打

・身長/体重:183cm/95kg

・生年月日:1991年12月18日

・経歴:高知高 - 法政大 - トヨタ自動車

・ドラフト:2015年ドラフト3位

 

 今季は攻守で精彩を欠いた木下拓哉。新体制では世代交代が進み、出場機会が限られる可能性がありそうだ。

 

 トヨタ自動車から2015年ドラフト3位で中日ドラゴンズに入団。2020年のシーズン後半から正捕手の座を奪うと、翌2021年には123試合の出場で打率.270、11本塁打、43打点をマーク。盗塁阻止率もリーグ2位の.426を記録した。

 

 

 2020年は大野雄大、2021年は柳裕也とともに最優秀バッテリー賞に選出。リーグを代表する扇の要となった。

 

 しかし、昨季は6月に右大菱形骨骨折を負って離脱。同年は89試合の出場にとどまり、打率.237、5本塁打、26打点と低迷した。

 

 今季は74試合出場で打率.228、3本塁打、9打点とさらに成績が下降。また、盗塁阻止率も1割台に落ち込むなど、守備面でも苦しんだ。

 

 今オフには国内FA権を行使するも、残留を決断。だが、チームには石橋康太やドラフト4位入団の石伊雄太といったライバルもいるため、来季は復活必至のシーズンといえるだろう。

涌井秀章

・投打:右投右打

・身長/体重:185cm/85kg

・生年月日:1986年6月21日

・経歴:横浜高

・ドラフト:2004年ドラフト1巡目

 

 4度の最多勝に輝いた実績を誇る涌井秀章。来季で39歳を迎えるベテランだが、故障離脱は避けたいところだ。

 

 横浜高から2004年ドラフト1巡目で西武ライオンズに入団。高卒2年目に早くも一軍で12勝を挙げると、その後はエース街道を駆け上がった。

 

 

 翌2007年には17勝を挙げて最多勝に輝くと、2009年は27試合登板で16勝6敗、11完投4完封、防御率2.30をマークし、最多勝と沢村賞を戴冠。まさに大車輪の活躍を見せた。

 

 2014年からは千葉ロッテマリーンズ、2020年からは東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーし、新天地でも先発として活躍。そして2022年オフ、自身4球団目の所属となる中日ドラゴンズに移籍した。

 

 昨季は打線の援護に恵まれない試合もあり、21試合の登板で5勝13敗、防御率3.97と自己ワーストの敗戦数に。今季は悔しさを晴らすかのように、開幕から18回1/3イニング連続無失点を記録した。

 

 しかし、7月13日の阪神戦で右広背筋肉離れを発症して長期離脱。9月22日の広島戦で復帰後初勝利を挙げたものの、今季は16先発で3勝5敗、防御率3.07という数字となった。

 

 また、チームは今秋のドラフト会議で金丸夢斗、吉田聖弥といった即戦力の先発候補を獲得した。さらに、若手右腕の松木平優太も台頭。来季は熾烈な先発ローテーション争いが予想される。

 

 

【了】