コスモエネルギーホールディングスは11月26日、首都直下大地震の災害発生時の対策強化のため、コスモエネルギーグループの中核会社であるコスモ石油(COC)堺製油所とコスモ石油マーケティング(COM)大阪オフィスの2事業所にて「臨時危機対策本部地震BCP(事業継続計画)訓練」を実施した。
グループ全体の災害対応力の練度向上、持続可能な危機対応力の醸成・強化を目指す
同社グループは、ライフラインである石油製品の安定供給の責務を担っており、その責務を果たすため、日頃から巨大地震などの災害時における石油製品の供給体制および販売体制の整備に努めている。
今回の訓練は、「首都直下大地震」により同社グループの本社機能が麻痺した状況を想定し、危機対策本部を東京本社ではなくCOC堺製油所およびCOM大阪オフィスに設置。災害対応に関する権限を移譲するという前提で、同社グループ全体の災害対応力の練度向上、ならびに持続可能な危機対応力の醸成、強化を目的に行われた。
地震発災直後の関係各部署の連携確認など、訓練の実効性を高めるためにシナリオは非開示とし、本社からのBCP発動の連絡を受けての臨時危機対策本部の設置、COC堺製油所とCOM大阪オフィスによる合同会議の開催、被害状況の情報収集、石油製品の供給方針、販売方針の策定等に関する訓練を実施した。
今年もCOC堺製油所とCOM大阪オフィス間はWEB会議システム、災害情報を視覚的に表示するダッシュボードシステムなどを活用しオンラインでの情報連携や共有を行い、BCP対応の実効性や課題を確認することができている。
同社では、「今回の訓練によって得られた知見を今後のBCPに反映させ、より実践的な災害対応力の強化に努めてまいります」とコメントしている。
■<訓練の概要>
1.開催日時・場所
2024年11月26日 14:00〜16:00
・コスモ石油 堺製油所(大阪府堺市西区築港新町3-16)
・コスモ石油マーケティング 大阪オフィス(大阪府大阪市中央区本町2-1-6 堺筋本町センタービル10階)
2.訓練参加者 計86名
(1)コスモ石油 堺製油所
春井取締役常務執行役員 堺製油所長(臨時危機対策本部長)ほか、臨時危機対策本部事務局員および各班員 37名
(2)コスモ石油マーケティング
大阪オフィス 前田担当部長(臨時危機対策本部長)ほか、臨時危機対策本部事務局員および各班員 34名
(3)コスモエネルギーグループ及び外部訓練協力者 15名
3.訓練目的
(1)災害発生確認後直ちに各社にて臨時危機対策本部を設置し、従業員の安否確認を含めた効率的な災害対応を実施すること
(2)各社が訓練経験者と訓練未経験者を交えて情報収集を行い、随時連携、協力し早期の出荷再開に向けた判断・対応を速やかに行う
(3)WEB会議などを通してオンラインツールの習熟度向上を図ること
4.訓練シナリオ内容
(1)訓練当日に「首都直下大地震」が発生する。
(2)情報入手後、COC堺製油所、COM大阪オフィスそれぞれが臨時危機対策本部を立ち上げ、陸上出荷の再開および石油4品目(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の販売、危機対策本部(東京本社)から権限移譲された災害対応に関する意思決定を実施する。
(3)COC堺製油所では安否確認、各製油所・油槽所から、COM大阪オフィスでは各オフィス、運送会社、特約店、サービスステーションなどから被害状況、被害情報を収集、整理し、供給方針、販売方針を検討する。また、石油連盟他外部への対応を行う。
(4)同社グループが事業継続目標として掲げる発災後24時間以内に被災地エリアの製油所から石油4品目(ガソリン・軽油・灯油・A重油)の平時需要の1/2以上の陸上出荷能力を確保し、供給バックアップ体制により24時間以内に被災地への平時と同程度の出荷能力を回復させる。