テレビ東京のバラエティ番組『モヤモヤさまぁ~ず2』のアシスタントや経済ニュース番組『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のフィールドキャスターとして活躍している同局の田中瞳アナウンサー。初のフォト&エッセイ『瞳のまにまに』(11月20日発売/講談社)で心の内をつづった田中アナにインタビューし、今の仕事に対する思いや今後の抱負、また、アナウンサーを目指したきっかけや「テレ東に入ってよかった」と感じているテレ東ならではの良さも聞いた。

  • テレビ東京の田中瞳アナウンサー

    テレビ東京の田中瞳アナウンサー 撮影:加藤千雅

2019年にテレビ東京に入社してから約5年半。今の仕事に対する思いを尋ねると、より能動的に番組に関わるようになってきたと自身の変化を明かす。

「特にロケは正解がないので難しいのですが、自分なりにこうすべきだという直感が働くようになりました。そして、以前より少し余裕ができて、一個一個にこだわりたいと思うように。ただリポートするだけならナレーションと変わらないから、意味のあるリポートをしようと自分から何か提案したり、受け身だけでなく、そういう姿勢を持てるようになりました」

長い時間かけて取材しても放送では数分にまとめられるというテレビの世界。田中アナはVTR後のコメントにもこだわって発信している。

「3時間ぐらい取材して3分とかになるので。(映像で)こっちが使われるなら、(コメントでは)こっちをもう少し紹介しようとか、いつも考えながらやっています」

入社1年目から『モヤさま』と『WBS』というテレ東を代表する番組に抜てきされた田中アナ。4代目アシスタントを務める『モヤさま』が最初のレギュラー番組であり、「この番組で本当に全部を学ばせてもらいました」と語る。

「わからないことがあった時に誰に聞けばいいのかもわからない、スタッフとどのぐらいの距離感で接していいのかもわからない、カメラが回っている時に自分がいつしゃべっていいのかもわからない……何もわからないところから始まりましたが、これだけのスタッフがいて番組が出来上がり、スタッフとコミュニケーションを取ることでこういう空気感が生まれるんだとか、そういうことを全部教えてもらった番組です」

  • (C)熊木優/講談社

『モヤさま』はテレ東に入る前から好きで見ていた番組だからこそ、最初は苦悩もあったという。

「さまぁ~ずさん(三村マサカズ・大竹一樹)とアナウンサーがいる番組で、そこに自分がいるのが最初は違和感しかなくて、もしかしたらお茶の間で見ていたほうが良かったのかもしれないとも思いました。大好きな番組がこの空気感のままであってほしいと思うけど、自分にそれができるかなと不安で悩みました」

さまぁ~ずが自由気ままに街中を遊び回り、アシスタントを務めるアナウンサーの自然体の姿も魅力の『モヤさま』。最初の頃はかしこまった感じになってしまったという田中アナも、今ではすっかりのびのびとした姿を見せている。

「スタッフにもさまぁ~ずさんにもほぐしていただいて、徐々に素でいられるようになった気がします。素は“出す”というより“出ちゃう”ものだと思いますが、今は本当に出まくっています(笑)。オンエアを見てびっくりすることもあって、『自分の笑い方気持ち悪いな』『この時、姿勢悪いな』とか、無意識の部分で素が出ています。人間垂れ流しバラエティと言って良いのではないでしょうか……」

エッセイにはさまぁ~ずとの鼎談も収録。2人とも田中アナを絶賛しており、そのことに触れると「すごく褒められてしまいました」と照れ笑いを浮かべた。

さまぁ~ずから学ぶことも多いそうで、「バラエティ番組ですが、街の方あっての番組なので、街の方と接する時に、芸人さんというよりも、いち人間として、普通の感覚を持って接していらっしゃるんです。お笑いだからといって、ここまで言ったら失礼だというところを絶対に一線越えない。そういうことをちゃんとわかってやられていると思うので尊敬しています」と語る。