一般社団法人クロスユーと三井不動産が主催する国内外の宇宙プレイヤーが集結するアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2024」が、2024年11月18日から22日まで、東京・日本橋にて開催される。オープニングセレモニーでは、宇宙ビジネス共創プラットフォームのクロスユーと、欧州宇宙機関など、各宇宙開発・研究機関との合意書締結式も行われた。
宇宙開発・研究における欧州との共創関係を構築
「NIHONBASHI SPACE WEEK」は、今回で4回目となる宇宙ビジネスイベント。日本橋には、今年から「JAXA 宇宙戦略基金事業部」が置かれるなど、宇宙産業をけん引する産官学の企業や団体が集まってきており、宇宙開発研究の中心地となりつつある。イベントの参加者も年々増えており、昨年には国内外から延べ8,000人の宇宙プレイヤーが集った。
今年は、欧州宇宙機関(ESA)をはじめ、海外の公的機関や企業・団体が数多く参画。国内外100以上の企業・団体が参加し、150名以上がビジネスカンファレンスやイベントに登壇する。
オープニングイベントでは、クロスユーと欧州宇宙機関(ESA)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ハーウェルサイエンスアンドイノベーションキャンパスとのMOU・LOI(基本合意書)の締結式が執り行われ、それぞれの代表が挨拶を行った。
クロスユーの中須賀真一理事長は「(本イベントは)新しい技術やビジネスアイデアの創生、共同研究のネタ作り、あるいはビジネスの共創が起こることを目指したもの。アジア最大規模の宇宙イベントとなったと思いますが、将来は世界中に知られるような大きな宇宙イベントにしたい」と、挨拶の中で今後の展望を語った。
また、政府が10年で1兆円規模の支援を行う宇宙戦略基金についても触れ、「今年は非常に重要な1年になった。どのようにお金を使っていくか。そのためにはコミュニティの役割がますます大きくなる。宇宙産業をスケールアップしていくには、海外展開が大事で、いろいろな国と連携して一緒に戦略を立てることをしっかりとやらなければならない」と、今後の宇宙開発におけるコミュニティの重要性を指摘した。
欧州宇宙機関のジョセフ・アッシュバッハー長官は「このような集会に参加し、クロスユーとともに日本の宇宙コミュニティの架け橋となれるようになりたいです。日本の宇宙関連団体・事業の方針や方向性を、個人的にも極めて重要視しています。日本と欧州の両方に利益のあるものとして、宇宙経済を発展させスピードイノベーションを推進する民間セクターのアプローチに関わっていきたいと思います」と話す。
フランス国立宇宙研究センターのジュリアン・マリエズ駐日代表は「この締結式を迎えられたことを、心より嬉しく思います。国境を越えてこのようなパートナーシップ協定を結ぶことは稀なことではありますが、近年、民間組織との連携の重要性は高まっています。公的機関が民間への支援を行っていくことは非常に重要であり、今回の協力も非常に重要なものと認識しています。クロスユーとエコシステムを構築し、宇宙産業開発をより促進させられるように取り組んでいきたいと思います」とコメントした。
ハーウェルサイエンスアンドイノベーションキャンパスのディレクター、バーバラ・ギネリ氏は「今回、クロスユーと我々を含む欧州を代表する3つの主要機関との間で合意書が締結されますが、これは大変意義深いものだと考えています。宇宙イノベーションの未来は、グローバルなパートナーシップと、相互補完関係こそが強みになる。各国から宇宙機関が集まる特徴的なキャンパスは欧州であり、日本にとって理想的な拠点になり得ます。私たちにとっても、ごく自然なパートナーと認識しています」と語った。
中須賀理事長は調印を終えた代表らと笑顔で握手を交わし、今後の宇宙開発・研究における協力と互いのさらなる飛躍を誓っていた。
宇宙ビジネスパーソンが日本橋に集結
会期中には、日本橋エリアの各所でカンファレンスやイベントなどが行われる。
日本橋三井ホールでは20日まで、国内外の宇宙ビジネス団体が出展する展示会「-EXHIBITION-」が開催される。会場には、海外宇宙機関やスタートアップ企業、自治体、アカデミア、新たに宇宙ビジネスに着手した企業など、60を超えるブースがズラリと揃い、それぞれの技術や研究についてアピールする。参加は無料(要事前登録)。
また、日本橋三井タワーのアトリウムでは、小惑星探査機「はやぶさ2」実寸大型模型や、気球による成層圏遊覧フライトキャビンの実機など、大型開発製品を展示する。こちらは期間中、誰でも見学可。