オクラってどんな野菜

オクラとは、まるで納豆のような独特の粘り気と、表面に生えている産毛が特徴の野菜です。主に鮮やかな緑色をしており、さまざまな種類がある夏野菜の中でも、栄養豊富な緑黄色野菜に分類されています。

オクラが生まれたのは、遠く離れたアフリカ大陸です。エジプトでは、なんと2000年以上も前からオクラが栽培されていたといわれています。オクラが日本にやってきたのは、幕末〜明治初期頃であり、意外と最近です。現在では、家庭料理はもちろん、料理店での料理にも使われているほどメジャーな野菜です。

オクラの小さな実の中には、糖質・マグネシウム・亜鉛・銅・鉄・カロチン・ペクチン・ビタミンC、Eなど、夏の健康を維持するのにぴったりな栄養が含まれています。中でも、ネバネバの成分の1つでもあるペクチンには、胃の粘膜を保護したり、タンパク質の消化を助ける効果があるので、夏バテで食欲不振になりがちな時期におすすめです。それだけではなく、血中コレステロールをコントロールする力もあるので、生活習慣病の予防にもひと役買います。

おひたしやサラダ、天ぷらに和え物と、さまざまな調理方法で楽しめます。好みの調理方法で味わえるのも魅力の1つです。

オクラの種類

オクラの種類

角オクラ

角オクラの品種例
・グリーンソード
・アーリーファイブ
・ベターファイブ
・テリーヌ など

角オクラは、スーパーなどでよく見かけるオクラの種類です。断面が星形をしているものが多いですが、六角形や八角形の角オクラもあります。

食べ頃なのは7〜10センチほどの長さのもので、それ以上大きいものだと、実が硬くなってしまい調理しづらくなります。初心者でも栽培しやすいほど強くて丈夫であり、収穫の時期になるとたくさんの実が収穫できます。茹でることで独特の粘り気が増すため、粘り気を生かした煮物やサラダ、和え物で楽しむのがぴったりです。

丸オクラ

丸オクラの品種例
・ヘルシエ
・エメラルド
・島の唄
・みどり丸ノ助 など

丸オクラは、角オクラと違って断面が丸いオクラです。丸オクラが生まれたのは伊豆諸島にある八丈島で、現在でも八丈島では丸オクラがメインで栽培されています。

食べごろの大きさが10〜15センチと大きめで、食べたときに柔らかく、味が甘めで濃く、しっかりしているのが特徴です。オクラは火を通して調理することが多いですが、丸オクラの場合は、独特の青臭さやアクもないので、生食にも向いています。

オクラ特有のネバネバもふんわりとしており、丸オクラの甘めの味と一緒に楽しむことができます。生で食べてもおいしいことを生かして、サラダやおひたしにして食べると、丸オクラのおいしさを十分に味わえるでしょう。

赤オクラ

赤オクラの品種例
・ベニー
・ジュエル
・島の恋 など

よく見かけるのは緑色のオクラですが、赤オクラは表面が紅色〜赤紫色をしています。赤オクラの鮮やかな赤色は、緑色になりがちな野菜料理の差し色としても活躍できます。

表面こそ赤みがありますが、味や粘り気は角オクラなどの一般的なオクラと変わりません。一般的なオクラと違うのは、角オクラが10センチほどが食べごろなのに対し、赤オクラの場合は20センチくらいまで大きくなっても柔らかいため、大きな実でも食べやすいのが特徴です。

表面の赤色の正体は「アントシアニン」という栄養素です。ブルーベリーなどに多く含まれており、眼精疲労などに効果があります。このアントシアニンは水溶性なので、角オクラの調理と同じようにお湯で茹でると赤い色が溶け出してしまいます。茹でても美味しく食べることはできますが、せっかくなら栄養素を逃さず、赤オクラの色味にある栄養をそのままいただきたいものです。赤オクラでおすすめなのは、生食や揚げ物・炒め物です。水に浸けない食べ方なら、赤オクラを余すことなくいただくことができます。

ただし、生で食べる場合に、オクラの表面に生えている産毛を取り除くために塩で板ずりをしても赤色が落ちてしまいます。販売されていたときに入っていたネットの中にオクラを入れ、水道水で流しながらこすり合わせて産毛を取り除くのが良いでしょう。

白オクラ

白オクラの品種例
・楊貴妃
・ネバトロ王子
・ヘルシエ など

一般的なオクラよりも緑色が薄く、白に近いことから白オクラと呼ばれるオクラがあります。加熱して煮物などにも使うことができるオクラですが、白オクラは柔らかいので生で食べるのがおすすめのオクラです。

約50年前に海外から日本にやってきており、歴史がかなり浅く、栽培している地域も少ないです。白オクラは別名「サラダオクラ」とも呼ばれていて、加熱せず、生でサラダにして食べられます。加熱しないことで、白オクラに含まれている栄養を逃すことなく摂取できます。

また、一般的なオクラよりも粘り気が約3倍ほど強いのも特徴です。夏の旬の時期に、より強い夏バテ防止・改善効果を発揮してくれるでしょう。

オクラの栄養を残さず取り入れたい場合には白オクラのサラダがおすすめです。粘り気が強いので、もともと水分が含まれている海藻と一緒に海藻サラダとして食べると食べやすいです。

ミニオクラ

ミニオクラの品種例
・ダビデの星
・グリーンソード
・グリーンスター など

ミニオクラとは、文字通り小さいオクラのことです。一般的なオクラを、食べごろになる前の幼果の時点で収穫するので大きさも2~4センチと、小さくてかわいいオクラです。

でも、色・味わい・粘り気は普通のオクラと変わらないためおいしく食べることができます。実がまだまだ若いうちに収穫するため、柔らかくて食べやすく、生で食べるのにも向いています。通常、オクラのガクの部分は硬いため調理のときには取り除いてしまいますが、ミニオクラは実の全体が柔らかいためガクまで全部食べられます。ミニオクラとして収穫されるのは、角オクラがほとんどです。

通常は業務用として飲食店に販売されていることが多く、一般のスーパーで見かけることはまれです。

オクラが出回る時期は?

オクラにはさまざまな種類・品種がありますが、6月頃から収穫が始まって、出荷のピークとなるのは7〜8月です。栄養たっぷりでおいしいオクラを食べるのなら、7〜8月頃にスーパーに並んでいるオクラを狙うのがおすすめです。旬の時期なら、栄養がたっぷりなだけではなく、品質の良い国産の野菜が安価で買えるというメリットがあります。

オクラは鮮度が落ちやすいので、購入したら野菜室で保管しましょう。そして、2〜3日以内に食べ切るようにすればおいしく食べることができます。それ以上保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。
ネバネバが楽しいオクラをサラダや煮物、和え物など、いろいろな調理方法で楽しんでみてください。

まとめ

オクラには、角オクラ、丸オクラ、赤オクラ、白オクラ、ミニオクラといったさまざまな種類が存在し、それぞれに特徴があります。角オクラは定番で栽培もしやすく、丸オクラは甘みが強く生食に向いています。赤オクラは鮮やかな色が特徴で、白オクラは柔らかく粘り気が強いです。ミニオクラは小さくて柔らかく、ガクまで食べられます。今回の記事を参考に、それぞれのオクラを生かして料理に取り入れてみましょう。