大正製薬は11月5日、「おならに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年9月、20歳~69歳までの男女400名を対象にインターネットで行われた。
自分のおならが「気になる」人は67.1%、「臭いと思う」人は71.3%
自分のおならが「すごく気になる」「気になる」「たまに気になる」と回答した人は合わせて67.1%。自分以外の人のおならが「気になる」(56.8%)を上回っていて、過半数の人が自分のおならを気にしていることがわかった。
また、自分のおならが「いつも」「たまに」臭いと感じる人は、合わせて71.3%。自分のおならに対して、どうにかならないだろうか、と感じているようだ。気になるのは「音」(19.8%)や「におい」(32.5%)よりも「両方」という人(47.8%)が最多だった。
おならの対処方法が不明な人が過半数を占めることが判明
おなら対策について「音が出ないようにする/においが臭くならないようにするためにはどうしたらよいと思うか」を尋ねた。どちらの問いも「野菜(食物繊維)を摂る」(音15.0%/におい20.8%)、「便秘の解消」(音13.5%/におい16.5%)、「バランスのよい食生活」(音12.0%/におい16.3%)が上位となり、腸内環境を整えることが大切と考えている人が目立つ。しかし「わからない」という解答も音・においとも多く、「音」(60.3%)、「におい」(53.5%)ともにトップ。気になるおなら対策だが、実は対処方法がわからないという人が圧倒的に多くなっている。
臭いおならになりやすいと思っている食べ物・飲み物は?
おならの原因についてはどう感じているのか、臭いおならになりやすいと感じる食べ物・飲み物について聞いた。おならの代名詞「いも類」(29.3%)を抑え、「肉類」(32.0%)「にんにく」(30.8%)が上位に入っている。おならは腸の動きが悪いサインで、肉類の食べ過ぎは腸内環境を乱す、という意識が徐々に浸透してきているようだ。なお「わからない」との回答も34.3%と1/3を占めている。
おならが気になる理由、男女の意識に微妙な違いも
次に自分のおならが「すごく気になる」「気になる」「たまに気になる」と回答した人に、その理由を聞いたところ、男性は「マナーとして」(49.2%)、「においが臭く申し訳ないから」(43.3%)の順だった。
一方女性は、「恥ずかしいから」(55.4%)、「おならをしたことが知られたくないから」(45.3%)が上位。周囲に配慮する男性に対して、とにかく恥ずかしい、人に知られたくないという女性の、微妙な意識の違いがうかがえる。
36.8%の人が「おならで困った/恥ずかしい経験がある」
おならで困ったことでは、1/3以上の人(36.8%)が、「おならで困った/恥ずかしい経験がある」と回答した。
「我慢して苦しかった」(57.8%)、「においで周りの人に迷惑をかけた」(22.4%)、「物を持ち上げたときにおならがでた」(17.7%)が上位となった。意図せず、うっかり出てしまったおならが原因で、つらかった、恥ずかしい思い出がある人も多いようだ。男性は「うんちがでてしまった」(21.9%)が3位に。
どこまでのシチュエーションならおならをする?
次にどこまでのおならなら許されるのか、おならをするシチュエーションについて尋ねた。その結果「家で一人」(83.5%)が圧倒的に多く、次いで「外で一人で歩いているとき」(42.0%)「外出先のトイレ」(30.5%)と一人でいることが絶対条件となっている。逆に「実家で家族といるとき」の回答は22.8%。7割以上の人が、実は家族の前ではぐっと我慢していることがわかった。「夫婦・カップル・友人」と一緒にいる時はもっとNGのようで、外で(7.8%)、家の中(7.5%)ともに10%以下。大切な人の前でのおならは、夫婦だとしてもやっぱりできないと感じている人が多いようだ。
医師が「おなら」について解説
大腸肛門病センター高野病院の理事長・高野正太氏が、おならについて解説している。
おならの成分の大部分は、食事中に口から取り込まれた空気だという。これに大腸内の腸内細菌が食物を分解する際に作り出すガスが加わり、腸には約1リットルのガスが存在するといわれている。これらが体外に排出されたのが"おなら"。どちらの成分も体内に蓄積することは望ましくないため、我慢しないことが重要だとか。おならは「排出すべきもの」として理解するべきだと、高野氏は語る。
においが臭くならないようにするためには?
においの原因は腸内の細菌が食べ物を分解する際に発生するガスで、前日の食事内容だけでなく、日々の食生活が腸内環境に与える影響も大きく関わっているという。脂肪分の多い肉やアルコールを頻繁に摂取する人は、おなら臭が発生しやすいとされている。
一方で、海藻類や水溶性食物繊維を含む食品、漬物、納豆、チーズなどの発酵食品は腸内環境を改善し、においの軽減につながる。効率よく腸内環境を整える上でビフィズス菌・乳酸菌配合のサプリメント等を摂取する方法もある。においの原因となる腐敗産物の発生を抑制する効果につながる。
食生活だけでなく、ストレスも腸内環境を乱し、においの原因となることがある。また、おならを我慢すると、排出されないガスが血液中に吸収されて、口臭や体臭の原因となり、別のにおいの問題を引き起こすこともあるという。
おならの音が出ないようにするためには?
おならの音に差が生じる理由については、明確には解明できていないという。力を入れて出す際の音は、腹圧の影響によるものと考えられるが、突然出てしまうおならの音は、ガスの蓄積が一因である可能性もあると思われる。お尻付近に大量のガスが溜まり、その圧力によって音が発生するものと考えられる。「このような音を避けるためには、無理に我慢せず、出せるタイミングで静かにおならをすることが望ましいと考えます」と高野氏は述べている。