ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話を伺う企画「#お仕事図鑑」。
今回は、星野リゾートで働く先輩にインタビュー。福島エリアで広報担当として活躍する齋藤朱莉さんに、広報活動の内容や星野リゾートの魅力について、詳しくお話を伺いました!
赤べこ×ナイトプール!? ユニークで魅力的なイベントを多くの人に
――自己紹介をお願いします。
星野リゾートの福島エリアで広報を担当しています、齋藤朱莉と申します。2018年に新卒入社後、磐梯山温泉ホテルのサービスチームで経験を積み、現在は福島県にある星野リゾートのホテルやスキー場全体の広報活動に従事しています。
――1日のスケジュールについて教えてください。
午後に取材を受ける事が多いのですが、その場合は、午前中にメールの返信や取材の準備を行います。お昼休憩を取った後、午後は取材にお越しいただいた方に対して、施設の案内や宣伝をする、というのが1日の大まかなスケジュールです。
――現在の仕事内容について詳しく教えてください。
福島県会津地域に位置する、会津の文化や歴史を楽しむことができる「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」と、昨年誕生した国内最大級のスキー場である「星野リゾート ネコマ マウンテン」の広報活動を主に行っております。業務内容は、大きく2つに分類されます。1つ目は、テレビや雑誌、SNSなどのメディアの方々からの取材を受け、ホテルやスキー場の魅力を存分にお伝えすることです。
2つ目は、多くのお客様に足を運んでいただくための「素材作り」です。例えば磐梯事業所では、会津ならではの文化や歴史を活用したイベントや食事、宿泊プランの作成に取り組んでいます。
――具体的にどのようなイベントを実施されたのですか。
イベントを開く際には、トレンドや季節を意識することを心がけています。例えば暑い時期であれば、かき氷やプールを楽しめるアクティビティや、会津が誇る美味しい桃を楽しんでいただけるイベントなどを提供しています。
具体的には、7月27日~8月31日に赤べこに囲まれた空間でプールを楽しむ「赤べこナイトプール」を実施しました。これは、お子さまをターゲットにした「せっかくの夏休みだからこそ、夜更かしをして遊んじゃおう」というコンセプトのイベントです。このように、福島県の文化とトレンドを融合したイベントの考案に日々励んでいます。
――桃のイベントについても伺いたいです。
磐梯山ホテルでは、今夏に「はらくっち桃フェス2024」というイベントも実施しました。はらくっち(福島県の方言で「お腹いっぱい」)になるまで、福島県の美味しい桃を使用したひんやりスイーツを楽しめるイベントです。スイーツは女性に興味を持っていただきやすいので、女性の支持が多いインフルエンサーをお呼びしてPR活動を行いました。
――ターゲット層によってPR方法を変えるという工夫がされているのですね。プロフィールに「地域活性化起業人」の制度を利用されているという記載がありましたが、そちらについて詳しく教えてください。
地域活性化起業人は、民間企業で働く人が地方自治体と協力して地域課題を解決することができるという国の制度です。現在私は、出身である福島県の魅力を伝えたいという想いもあり、「会津若松市観光ビューロー」に出向しており、地域との連携を大切に、エリア一帯となった観光を目指して奮闘しています。具体的には、これまでの星野リゾートの広報活動で培ったスキルを活かし、会津若松市のPR活動に特に従事しています。
――広報活動、または仕事全体で意識していることを教えてください。
広報活動において意識していることは、地域のあまり知られていない魅力を伝えるということです。出向してから会津若松市についてより深く学ぶことができているので、今後もPR活動を通して、知られざる地域の魅力をどんどん発信していきたいと思っています。
仕事をする上で意識していることは、2つあります。
1つ目は、お客様やスタッフ、取引先企業の方々とのコミュニケーションの取り方です。それぞれの立場や考えを尊重するために、どのようなコミュニケーションを取るべきかを考えています。特に、お客様からいただくお言葉をそのまま受け取るのではなく、本心ではどのようなニーズを持っているのか、というところまで深く汲み取れるように心がけています。
2つ目は、何事も楽しむということです。何事も前向きにチャレンジしたほうが良い経験を積むことができると思うので、この気持ちを忘れないようにしています。私のモットーは、「楽しく苦しむ」ですので(笑)。
――これまでのお仕事で、最も苦労したエピソードを教えてください。
入社1年目に「あいばせ! 踊らんしょ」というプロジェクトに初めて参加したときに、最も苦労しました。
「あいばせ! 踊らんしょ」は会津の民謡を生演奏するという、磐梯山温泉ホテルで毎晩行われているイベントです。民謡歌手の方を招くなど外部との連携も不可欠なイベントにもかかわらず、外部との連絡の取り方も分からないくらい、当初の私はゼロからのスタートでした。しかし、そうした状況に対して悔しさを持ち、そして苦労すら楽しんでやろうという思いで、なんとか乗り切ることができました。
星野リゾートの強みとは
――星野リゾートに入社を決めた理由を教えてください。
はじめに、就職するにあたって福島県の観光に携わることを一番に考えていました。というのも、大好きな地元の福島県が、処理水の問題や東日本大震災の影響で避けられてしまっているという話を聞き、そのような状況を改善したいと思ったためです。加えて、福島県だけではなく日本全国の魅力を引き出し、発信したいと考えたため、日本中の観光業に携わることができる星野リゾートに入社することを決めました。
――星野リゾートならではの強みを教えてください。
国内外に拠点を持ち、それぞれの地域で個性豊かなスタッフが多数働いているところです。福島県だけではなく、事業所間で連携を取りながら日本各地の観光事業に参画することもできます。幅広い視野を会得できる刺激的な環境があることは、星野リゾートならではの強みだと思います。
――星野リゾートの社内の雰囲気を教えてください。
年次関係なく、様々なことにチャレンジできる雰囲気があります。また、建設的な議論を通して、チーム一丸となって仕事を進めています。休日にはBBQやキャンプ、スノーボードをするなど、プライベートにおいても社員同士の仲がとても良いです。
――今後の目標について教えてください。
星野リゾートの一員として、福島県だけにとどまらず、日本全国に秘められた地域の魅力を多くの人に伝えられるように尽力していきたいと思っています。
――大学生に向けてメッセージをお願いします。
少しでも星野リゾートの一員、あるいは観光事業者として働くイメージを持っていただけていれば嬉しいです。星野リゾートでは、地域の魅力をPRできるような魅力的なイベントを多数実施していますので、星野リゾートに就職するかどうかはさておき、ぜひお客様としても施設にお越しいただければ幸いです。本日はありがとうございました。
マイナビ『学生の窓口』
-いろんな仕事をのぞき見!「お仕事図鑑」 -
イベント情報はこちら
取材:近 由梨子(ガクラボメンバー)
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:星野リゾート
※本稿はマイナビ『学生の窓口』の過去の記事を転載したものです