ビズリーチ WorkTech研究所は10月22日、「企業における退職者状況」に関する調査結果を発表した。調査は5月29日~6月7日、ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する企業の経営層、人事担当者548人を対象に行われた。

調査結果から、特に大企業において退職者が増加していることが明らかとなり、その主な退職者層として「入社5~10年の新卒入社者」が浮かび上がっている。

退職者増加の傾向—特に大企業で顕著

今回の調査では、全体の58.8%の企業が、直近1年で退職者が増加していると回答。

この傾向は、企業の規模が大きくなるほど顕著で、従業員数3,000名以上の大企業では、73.3%が退職者増加を実感している。かつては一社で勤め上げることが一般的であった大企業において、転職による退職が増加していることが背景にあると同社は推測する。

また、退職者層に関する調査では、大企業ほど「入社5~10年の新卒入社者」と「管理職・役職者」が多いという結果で、特に「入社5~10年の新卒入社者」は、他の規模の企業に比べて63.6%と高い割合を占めている。

中堅社員の退職理由と企業の対応

次に、最も問題視されている退職者層である「入社5~10年の新卒入社者」に対して、その退職理由も明らかにされている。

調査によると、この層での退職理由として最も多かったのは、「従業員個人のキャリアの将来性」(59.3%)で、次いで「給与・賞与」(46.2%)が挙げられた。

個人のキャリア自律が進む中、外部でのスキルや経験を求める傾向が強まっていることが示唆されると同社。

ビズリーチ WorkTech研究所 所長 友部博教氏は「今回の調査により、雇用の流動化の影響が企業内でも顕著になりつつあることが明らかになりました。そのため、企業は『社員に選ばれ続ける』ための組織運営を一層強化する必要があります。もちろん職場環境や待遇などに明確な問題があり、それが退職要因となっている場合は見直すことが必要です。しかし今後は、個人のキャリア自律が進むにつれて、特に不満がない場合でも将来のキャリアを見据え、離職するケースが増加すると予想されます」とコメントする。