“チャイルドシート”の利用率「78%」…子どもの命を守るチャイルドシートの重要性を解説
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。9月27(金)の放送では、使用の推奨が“150cm未満”に引き上げとなった「チャイルドシート」について、JAF認定セーフティアドバイザーの杉本実さんから話を伺いました。


※写真はイメージです



◆身長150cm未満の子どもにはチャイルドシート着用を

車に子どもを乗せるときに使用する「チャイルドシート」。JAF(日本自動車連盟)は、その推奨基準を「身長150cm未満」に引き上げることを9月13日(金)に発表しました。

8月18日(日)には福岡市で路線バスと軽乗用車が衝突し、軽乗用車に乗っていた7歳と5歳の姉妹が亡くなる事故がありました。原因は衝突時の腹部の圧迫とされており、2人はチャイルドシートや児童用のジュニアシートではなくシートベルトを着用していたとのことです。

道路交通法で、チャイルドシートの使用は“6歳未満の子ども”に義務づけられています。体の大きさではなく年齢で区切られていますが、同じ年齢であっても子どもたちの体格には違いがあります。

文部科学省が発表した最新の調査結果によると、小学6年生時点の男子の平均身長は146.1cm、女子の平均身長は147.9cmで、ともに150cm未満です。法律上の“6歳未満の子ども”と、使用が推奨される身長には大きなギャップがあります。

杉本さんによると、6歳を超えても身長150cm未満の子どもの場合、シートベルトが首やお腹などの体の柔らかい部分に負荷がかかってしまい、十分な効果を発揮できない場合があります。子どもの命を守るために、チャイルドシートや学童用チャイルドシートを使用しましょう。


※写真はイメージです



◆チャイルドシートの正しい使い方・座り方を知ろう

幼い頃は大丈夫だと思いますが、小学生あたりからはチャイルドシートを恥ずかしく思って嫌がる子もいるかもしれません。また、身長が100cmを超える頃になると、チャイルドシートのハーネスがきつくなったり、シェルから頭がはみ出すようになったりします。そこで使用するのが「学童用チャイルドシート」です。

体重はだいたい15kg~36kg、4~12歳が使用可能で、JAFが推奨する「背もたれつきタイプ」では、肩ベルトの高さ調節ができるので子どもの首にシートベルトがかかることはありません。一方、背もたれがなく車の座席に置くだけで使える「ブースタータイプ」については、JAFが「体格によって肩ベルトが首にかかってしまう可能性もありますので、首にかからないようにするのを意識しましょう」と注意を促しています。

チャイルドシートの利用率は、2024年の調査結果では6歳未満全体だと78.2%、5歳児に限っては57.9%に留まっているのが現状です。そのうえ、取り付け状況のミスユースは約3割、座らせ方のミスユースが約4割という結果があり、「こんなにも多くの人が、車中の子どもの安全を確保できていない状況にあります」と杉本さん。

“子どもが大きくなってきた”“子どもが嫌がる”といった理由もあり、法律的にも6歳になれば使用義務もなくなることから、チャイルドシート使用率の低下につながっていると予測できますが、そもそもチャイルドシートは法律を守るためではなく、子どもの命を守るためにあるものです。子どもがチャイルドシートを嫌がるようになった、あるいは体に合わなくなったら「学童用チャイルドシート」に移行し、着用する理由を話して理解してもらいましょう。

また、せっかくチャイルドシートを使用していても、正しい取り付け、正しい座らせ方ができていない場合は意味がありません。JAFのWEBサイトをはじめ、インターネットで検索をすれば、正しい装着の仕方の動画はたくさんあります。子どもの安全のためにも、今いちど確認しましょう。

<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/