大谷翔平のお得意様、苦手なチームを大分析!プレーオフで対戦濃厚なあの…

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 「50-50」の偉業を達成するなど目覚ましい活躍をみせているロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。今季のレギュラーシーズンを振り返ると、今後のポストシーズンで立ちはだかる「壁」となる2チームが浮上した。そこで今回は、大谷選手が得意としているチーム、苦手なチームはどこなのか、データを元に分析した。(文:島倉孝之)
 

「50-50」達成に多く貢献したチームは…?
 大谷翔平選手が現地時間9月19日のマイアミ・マーリンズ戦で50本塁打50盗塁の「50-50」の偉業を達成したのは、既に多くの人の知るところだ。所属するロサンゼルス・ドジャースも同じ日にポストシーズン進出を決めた。今後は、ポストシーズンでの大谷選手の活躍に注目が移っていく。
 
 このタイミングでの今回のテーマは、今季のレギュラーシーズンでの大谷選手の得意チーム、苦手チームだ。ここでは、レギュラーシーズンでの大谷選手の活躍の足跡を振り返るだけでなく、間もなく始まるポストシーズンでの活躍も占っていく。
 
 なお、数字は現地時間9月22日終了時点のものを前提とし、レギュラーシーズン最終週のサンディエゴ・パドレス、コロラド・ロッキーズとの各3試合のものは含まない。
 
 まず多くのファンが気になる本塁打と盗塁に着目する。大谷選手の本塁打・盗塁数が多い対戦チームは以下のとおりである。マーリンズやロッキーズのほか、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、ミルウォーキー・ブリュワーズもそろって上位にランクされる。
 

 

 
 しかし、MLBの場合、年間の対戦数がチームによって異なる(ドジャースの場合、ア・リーグ3~4、ナ・リーグ西地区13、ナ・リーグ他地区6~7)ため、絶対数の指標だけで得意・苦手を判断するのは困難である。以降ではOPS、打率、AB/HR(1本塁打当たり打数)、1盗塁あたり試合数のデータをもとに得意・苦手を分析していく。
 
 対戦相手の勝率、リーグやディビジョン別の成績は以下のようになっている。
 

 
 AB/HRでは対勝率5割未満のチームが、試合数/盗塁では対勝率5割以上のチームがそれぞれ好成績となっている。このカテゴリー間で打率の差はほぼない。
 
 リーグ別にはOPSやAB/HRでアメリカン・リーグ(以下ア・リーグ)の方が、試合数/盗塁でナショナル・リーグ(以下ナ・リーグ)の方が好成績になっている。ナ・リーグの中では、東地区を得意にする一方、中地区の打率やOPSが低位になっている。






やはり強豪チームは一筋縄ではいかず…
 以降は対戦相手別の上位・下位チームを取り上げる。前記のとおりチームやリーグ間に対戦試合数の差があることから、ナ・リーグに限ったランキングも掲載した。9月22日終了時点でワイルドカード3位から2ゲーム差以内のチームは着色して表記した。
 
 OPSは、マーリンズを除き上位をア・リーグのチームが占める。ナ・リーグでは、東地区のチームが3つランクインしている。
 
 一番数字が低いのはニューヨーク・ヤンキースで、トロント・ブルージェイズとともに6割に満たない。ナ・リーグではシンシナティ・レッズ、フィラデルフィア・フィリーズに対して7割未満の数字にとどまっている。
 

 

 
 打率に関しても、ア・リーグ東地区の2チーム(ヤンキース、ブルージェイズ)に対し.154にとどまっている。
 
 ナ・リーグに関しては、シカゴ・カブスを除く中地区のチームの数字が低く、フィリーズを除く東地区の数字が高くなっている(ニューヨーク・メッツはナ・リーグ6位の.316)。中地区ではカブスだけ得意で、東地区ではフィリーズだけが苦手な感じだ。
 

 
 AB/HRは、マーリンズのほかはア・リーグのチームが上位を占める。ナ・リーグでは、マーリンズのほかブレーブス、メッツ、ブリュワーズ、ロッキーズが10を切っている反面、サンディエゴ・パドレスなど4チームからは数値が20を超えている。
 
 これらのチームから打った本塁打の数はいずれも1である。ヤンキース、シアトル・マリナーズからは本塁打がない。
 

 
 シカゴ・ホワイトソックスやオークランド・アスレティックスからは1試合に1つ盗塁を記録しているほか、ナ・リーグではマーリンズやブリュワーズから1.2試合に1つ盗塁を記録している。
 
 一方、盗塁を記録していないチームも9チームあり、本塁打よりチーム別の偏りが大きい。ナ・リーグで盗塁を記録していないのはピッツバーグ・パイレーツだけだ。
 







見えてきた大谷翔平の苦手チーム、得意チームは…?

 今回の結果から、2024年大谷選手の得意チーム、苦手チームを推定すると以下のようになる。※はポストシーズン進出を決めたかレギュラーシーズン最終週まで進出可能性を残したチーム、○はア・リーグのチームである。
 
■得意■
マーリンズ
ロイヤルズ※○
ホワイトソックス○
ブレーブス※
メッツ※
 
■苦手■
ヤンキース※○
ブルージェイズ○
フィリーズ※
レッズ
 

 
 各指標から明らかに最も苦手とわかるのがヤンキースである。本塁打、盗塁それぞれのライバル選手(アーロン・ジャッジ、エリー・デラクルーズ)のいるヤンキースやレッズが奇しくも揃って苦手チームになっているのも着目点だ。
 
 9月22日時点の順位のとおりにドジャースが地区優勝を果たしていた場合、苦手の1つであるフィリーズとの対戦があるとすればリーグチャンピオンシップとなる可能性が高い。
 
 ヤンキースと対戦するならワールドシリーズになる。フィリーズ→ヤンキースの順でドジャースや大谷選手への「壁」が立ちはだかるのだ。両チームはドジャースにとっても厳しい対戦相手だ。
 
 レギュラーシーズンではフィリーズには1勝5敗に終わった。ヤンキースには2勝1敗と勝ち越したが、相手主砲の1人であるホアン・ソト選手の故障欠場の影響も受けるとともに、アーロン・ジャッジ選手には打ち込まれた。
 
 さらに、大谷選手が本塁打も盗塁も記録できず「0₋0」に終わった唯一の対戦相手がヤンキースである。
 
 レギュラーシーズンの大谷選手の苦手チームからは、本人やチームがチャンピオン・リングを獲るために乗り越えないといけない2つの壁が浮上した。
 
 大谷選手はこれにどう立ち向かうのか、自身もファンも体験していない、ヒリヒリとしたポストシーズンの世界が待っている。


 
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【了】