J.D.パワー ジャパンはこのほど、「J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査」の結果を発表した。調査は2024年5月中旬~下旬、クレジットカード会社が発行するプロパーカードを保有する人(20~69歳の本会員)7,610人を対象にインターネットで行われた。

プレミアム部門での満足度向上が顕著

本調査では、クレジットカード会社が発行するプロパーカードの提供しているサービスや年会費により、4部門に分けて総合満足度を発表している。

部門別に総合満足度を前年調査(2023年8月発表)と比較すると、プレミアム部門で+15ポイントと向上幅が最も大きく、次にスタンダード部門で+5ポイントとなった。一方、年会費無料部門では-2ポイントとほぼ横ばい、ハイステータス部門では-6ポイントとなった。

  • 部門別総合満足度の推移

満足度が最も向上したプレミアム部門では、「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」、「年会費」のファクターでいずれも10ポイント以上の向上が見られ、「ポイントの貯まりやすさ」や「キャンペーンの充実度」といった評価項目が満足度の向上に寄与していることが確認された。

一方、満足度が最も低下したハイステータス部門では、「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」のファクターで10ポイント程度の低下が見られ、「交換できる商品・サービス」、「キャンペーンの充実度」、「付帯サービスの充実度」といった評価項目で低下が確認された。これらのプレミアム部門とハイステータス部門はともに年会費1万円以上という比較的高額な年会費を要する部門として、主に高いレベルのサービスを提供するカードブランドを対象としている。支払う年会費とカード会社から提供されるサービスレベルが、高度なバランスを求められる両部門において総合満足度では明暗を分ける結果となった。

タッチ決済は満足度やロイヤルティ向上に寄与

タッチ決済が利用できるクレジットカードと店舗が拡大している。スピーディーな決済ができることに加え、セキュリティ面や衛生面といった安全性、ウェアラブル端末等で利用ができる利便性の観点からも、日本のみならずグローバルに利用が拡大している決済方法である。

本年調査においても直近1年以内のタッチ決済利用経験の有無別に満足度を見ると、タッチ決済を利用した顧客は利用しなかった顧客に比べ、満足度が高いことが確認された。満足度の違いをファクター別に見ると、「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」での差が最も大きく、カード会社によってはタッチ決済の利用によってポイント還元率を増やしているほか、タッチ決済のみを対象としたキャンペーンを実施している会社もあることなどが背景にあると推察される。

  • タッチ決済利用有無における総合満足度

タッチ決済の利用有無における満足度の差は若年層ほど大きく、加えてクレジットカードを高頻度で利用する顧客ほど満足度が高い。またタッチ決済を利用した顧客は、利用していない顧客に比べ、主利用カードの継続意向、増額意向、推奨意向(「そう思う」、「まあそう思う」の合計)といったロイヤルティがいずれも高いことも確認された。

2024年クレジットカード顧客満足度「プレミアム部門」

  • J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査「プレミアム部門」

アメリカン・エキスプレス(683ポイント)が、「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」、「手続き・サポート」の4ファクターで最高評価を受け第1位となった。第2位は「年会費」ファクターで最高評価のJCBカード(677ポイント)で、第3位はダイナースクラブカード(648ポイント)だった。

2024年クレジットカード顧客満足度「ハイステータス部門」

  • J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査「ハイステータス部門」

ハイステータス部門では、エポスカード(671ポイント)が3年連続の総合満足度第1位を獲得した。第2位はPayPayカード(666ポイント)で、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価だった。第3位は「クレジット機能」ファクターで最高評価の三井住友カード(664ポイント)だった。

2024年クレジットカード顧客満足度「スタンダード部門」

  • J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査「スタンダード部門」

スタンダード部門では、エポスカード(697ポイント)が7年連続の総合満足度第1位に。「年会費」ファクターで最高評価を受けた。第2位は楽天カード(675ポイント)で、「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」の3ファクターで最高評価だった。第3位は三井住友カード(647ポイント)だった。

2024年クレジットカード顧客満足度「年会費無料部門」

  • J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査「年会費無料部門」

年会費無料部門では、JCBカード(691ポイント)が2年連続の総合満足度第1位を獲得。「クレジット機能」、「会員向けサービス/特典」の2ファクターで最高評価だった。第2位は楽天カード(681ポイント)で、「ポイントプログラム」、「手続き・サポート」の2ファクターで最高評価。第3位は三井住友カード(672ポイント)だった。