JTは、AR技術を活用したエンターテイメントを提供するGraffityが開発した、Apple Vision Proによる空間映像体験「Ploom Dive」を、Ploom Shop 銀座店・名古屋店・なんば店にて、9月13日より開始する。

  • JT 商品企画部 ブランドマネージャーの福本茂孝氏(左)とGraffity 代表取締役CEOの森本俊亨氏(右)

「Ploom Dive」は、Apple Vision Proの最新テクノロジーを用い、海洋生物に囲まれたデジタル空間の中でPloomによる喫煙体験を愉しむ空間映像コンテンツ。Apple Vision Proの性能を活かした、異なる2つのシーンで場面を展開。Ploomを愉しむ5分間の一服時間を特別なものに変える、現実とデジタルが交錯する新しい形のリラクゼーション体験を提供する。

空間映像体験「Ploom Dive」の提供開始に先立って行われた発表会にて、「僕たちがワクワクできないことをしても何も伝わらない」というJT 商品企画部 ブランドマネージャーの福本茂孝氏は、今回の施策についても「とにかくワクワクしていただきたい」との期待を寄せつつ、まずは「Ploom」ブランドの概要について紹介する。

  • JT 商品企画部 ブランドマネージャーの福本茂孝氏

「Ploom S(プルーム・エス)」から始まったJTの高温加熱式たばこだが、その転換点となったのが2021年に投入された「Ploom X(プルーム・エックス)」。グローバルを含めてJTの一丸となって開発された「Ploom X」の投入以降、メビウスの改善や「Ploom X ADVANCED(プルーム・エックス・アドバンスド)」の投入などがあり、3年間継続して成長し続けている。

この背景について「お客様にたばこを愉しんでいただきたいというのはもちろんですが、一番こだわったのは“味”」と強調する福本氏。紙巻たばこにおいても当然ではあるが、「加熱式だからこそ追求しなければ行けないと思っている」と続ける。「JTとしては、いかに“味”という部分を高めていけるか」にこだわりのポイントがあったと振り返る。

その中で登場した「Ploom X ADVANCED」は、JTの独自加熱技術である「POWER HEATFLOW」を搭載。温度と気流を緻密にコントロールすることで最高加熱温度320度を達成し、たばこスティックのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能となり、たばこ葉本来のうまさを最初から最後まで加熱式たばこで堪能できるようになった。さらに、5分間無制限で愉しめる点も大きな特徴になっているという。

Ploomブランドが追求するのは「味で選ばれる、一服。」。まずは味を楽しんでいただき、味で選んでほしいという福本氏は、「Ploom X」を使ったブランド調査の結果を紹介。競合他社と比べて38%が「Ploom X」を選んだという結果に対し、「正直、これで“選ばれる一服”になっているとは思っていなかったが、これ以上の味の改善も望めないのではないか」という技術的な限界を感じたと振り返る。しかし、「Ploom X ADVANCED」で同様の調査を行うと、実に過半数がPloomを選ぶ結果になったという。

「Ploom X ADVANCED」になって支持が増えた理由について、「これはひとえに“年月”によるもの」という福本氏。デバイスに使用する素材が新たに開発されたことによって、320度の加熱にも耐えられるようになったことが、たばこのうまさを引き出す大きな要因となっているという。

「このデータを持って、Ploomが味で選ぶ選択肢として考えていただけるポテンシャルがあるとようやく言えるようになった」と笑顔をのぞかせた。

一方で「単純に味がおいしいというだけではなく、何かもっと提供できるものはないか」との考えから生まれたのが、今回新たに発表された「Ploom Dive」。狭く、薄暗く、人が密集しているところで吸わなければならない昨今の喫煙事情に対し、「Ploomが提供する空間の中でだけは、深くたばこを楽しみ、一服を堪能してほしい」との思いが、空間映像体験という発想につながっているという。

  • Ploom Dive

「Ploom Dive」の体験では、Ploomでたばこを吸う5分間を特別なものにして、たばこの良さを改めて感じてもらいたいという福本氏。「このコンテンツを提案されたときは、まず自分が一番最初に試したいと思ったのが大きなモチベーションになった」と開発時の気持ちを振り返った。

■空間映像体験「Ploom Dive」の工夫点

続いて、空間映像体験「Ploom Dive」を開発したGraffity 代表取締役CEOの森本俊亨氏が、企画・開発における工夫点についてを紹介。Graffityは、ARエンターテイメント・空間エンターテイメントを提供する会社で、ARゲーム・空間ゲーム事業、AR新規事業の支援「Graffity AR Studio」、Apple Vision Proアプリ開発支援「Graffity Spatial Lab」の3つを軸に事業展開を行っている。

  • Graffity 代表取締役CEOの森本俊亨氏

「Ploom Dive」の工夫点については、「水中で光と動きが交差する、リアルな鯨とのインタラクティブ体験」「リアルタイムな空間マッピングと鏡面反射でリアルにデジタルが溶け込んだ体験を実現」「美しく揺らめく水面と光が現実と世界を繋ぐ」「ゆったりとした動きと音響が生み出す、深いリラクゼーション体験」の4つを挙げた。4Kなみの解像度を持つApple Vision Proによって、非常にリアルな体験ができることを強調する。

その中でも、ユーザーの動きに合わせてクジラなどのオブジェクトが動くようなインタラクション、リラクゼーションを意識したゆったりとした動きによって、まるで水中にいるかのようなリアルな体験が可能。「暗くて狭い喫煙所の課題を解決できる」と自信を覗かせた。

今年6月に発売されたApple Vision Proだが、初年度35万台、5年間で累計3,000万台といった予測から、「はじめからコンシューマー向けには普及しない」と断言する森本氏。特に黎明期においては、店舗での活用が中心となり、「その中でのキラーユースケースとして、空間映像体験はひとつのキーワードになる」との見解を示した。

■空間映像体験「Ploom Dive」の概要

「Ploom Dive」では、「トロピカルな海中シーン」と「アブストラクトシーン」といった2つのシーンを展開。「トロピカルな海中シーン」は、Apple Vision Proのリアルな描画力を最大限に活かし、まるで本物のようなクジラや熱帯魚を目の前に浮かび上がらせる。臨場感あふれる海中のサウンドトラックとともに、雄大に泳ぐクジラや熱帯魚を眺めながら、リラックスした一服のひとときを楽しむことができる。

  • 「Ploom Dive」体験のイメージ

「アブストラクトシーン」では、空間に抽象的なオブジェクトが漂い、非現実的で不思議な世界観を演出。3Dオブジェクトは音楽に合わせアニメーションし、クジラや実空間の障害物に衝突するとバウンドする演出が行われるなど、現実空間と3Dがシームレスに融合し、Apple Vision Proならではの世界観が体験できる。

空間映像体験「Ploom Dive」は、9月13日11時より、Ploom Shop 銀座店・名古屋店・なんば店の3店舗で展開され、各店舗にはApple Vision Proが2台ずつ用意される予定となっている。終了時期については決まっておらず、「基本的には継続していきたい」とのこと。

さらに今後は新たなコンテンツの投入なども検討されているという。福本氏が「百聞は一見にしかず」と話す通り、まさに「Ploom Dive」は驚きの世界観を提供してくれるコンテンツとなっているので、ぜひ足を運んでみてほしい。