JR貨物は、同社の車両所3カ所において、輪軸組立作業時に不正行為を行っていたことが判明したと発表した。当面の対応として、検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両(機関車4両・貨車560両)について運用停止の作業を進めており、その後は可及的速やかに車軸の検査を実施するとしている。

  • JR貨物が輪軸組立作業における不正行為の発生と、当面の対応などについて発表

7月24日に発生した山陽本線新山口駅構内での貨物列車脱線事故を受けて、9月6日に関西支社広島車両所内で輪軸組立作業を確認していたところ、社員からの申告により、車輪および大歯車の圧入作業において圧入力が基準値を超過していた場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて検査を終了させていたことが判明したという。他の車両所でも社内調査を実施した結果、圧入力が基準値を超過した状態で検査を終了させていたことが判明した。

不正行為が発生した車両所は、北海道支社輪西車両所(貨車309両)、関東支社川崎車両所(貨車218両)、関西支社広島車両所(機関車4両・貨車33両)の3カ所。いずれも、作業担当者は圧入力値が基準値を下回った場合、車輪および大歯車の固定に不具合が生じる可能性があると認識していたが、基準値を若干超過する分には問題がないものと認識していたと説明している。不正行為を行っていた車両所における輪軸組立作業は、作業体制を再整備するまで作業を停止する。

なお、山陽本線新山口駅構内で発生した貨物列車脱線事故の脱線車両も、検査結果データが差し替えられていた輪軸を搭載していたが、脱線の原因については運輸安全委員会により調査中とのこと。