ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONSの数原龍友が自身初のフォトエッセイ『ついてきて』(講談社)を8月8日に発売した。2012年11月にデビューしてから約12年、ソロとしても活動している数原の初フォトエッセイは、構想3年、撮影1年を費やし、留学先のアメリカでも撮影を行った一冊で、家族の話やアーティスト活動の話など、これまでの人生について語っている。数原にインタビューし、同書を通して改めて感じた自身の性格や人生の転機について話を聞いた。

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    GENERATIONSの数原龍友 撮影:蔦野裕

初フォトエッセイに自身の思いが「詰め込まれている」

――構想3年、撮影1年とのことですが、どんな作品にしたいという思いで制作されたのでしょうか。

自分の手札や人となりを理解してもらえる作品を目指したいと思ったので、3年という時間がかかりました。31年間どういう思いで歩んできて、ここからどう生きていこうと思っているのか、この1冊に詰め込まれているので、本当に一つ集大成となる作品だと思います。

――フォトエッセイでこれまでの人生を振り返ってみて、ご自身に関して新たな気づきなどありましたか?

自分は“0か100の性格”で、とてもわかりやすいなと改めて思いました。また、自分は器用ではないと自覚していますが、学業よりも夢を選択した時に、母親を悲しませないような、もう少し違うやり方があったのではないかなと。すべての選択が今の自分を作ってくれているので、間違いではなかったのかなとも思いますが、不器用なところは子供の頃から変わらないなと思いました。

――0か100の性格は子供の頃から?

はい。子供の頃から物事に対しても人に対しても、好き嫌いがはっきりしています。

――アーティスト活動においても、0か100で決断することが多いのでしょうか。

そうだと思います。ただ最近は、人が生み出す可能性や、自分と感覚が違うものを取り入れることが面白いなと感じていて、それがモノづくりでありエンタメだなと思うので、自分が「なし」と思ったものでも、他の人が「あり」と言うのであれば、その理由を聞いてみたいと思うようになりました。

――人の意見を聞くことで可能性が広がることがあるわけですね。

そうですね。0だと思っていたものも、自分とは違うアイデアを聞くことで、面白いと感じることがあるなと。年齢を重ねる中で、そういう風に思えるように変わってきました。

――最近のGENERATIONSの活動で印象に残っている話し合いがありましたら教えてください。

新体制で初めてのツアーに向けてみんな気合いが入っていて、より良いものにするために意見を出し合っています。

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ドームツアーやオーディション…これまでの転機を回顧

――デビューから約12年経ちますが、ご自身にとって特に大きな転機だったと感じていることを教えてください。

やはりドームツアーです。GENERATIONSとしてデビューした時に、ドームツアーができるようなアーティストになりたいと口にしていましたが、とんでもない時間と労力といろんな方のお力添えがあって立てたステージでした。ライブ前にあんなに緊張して、地に足がついてないというのが手に取るようにわかったままステージに立ったのはドームツアーですね。自分だけでなくチーム自体の成長にもつながるすごく貴重な経験になったと思います。

――デビュー前の転機となると、やはりアーティストの道に進んだことでしょうか。

そうですね。歌手か焼き鳥屋かという2択で、そこも0か100ですよね。夢を取るか、若いなりに自分の将来について確実なほうを取るか。

――歌手の道に進んでなかったら焼き鳥屋に。

子供の頃から食べに行っていた焼き鳥屋さんで働かせてもらっていて、オーディションがダメだったら焼き鳥屋さんになろうという覚悟でオーディションに挑んだので、本当に人生の分かれ道でした。結果的にそのオーディションには勝てませんでしたが、片寄(涼太)と出会うオーディションにもなりましたし、人生何があるかわからないなと実感しています。

――フォトエッセイでは、2021年1月に受けた声帯ポリープの手術についても触れられていますが、手術も歌手としては大きな出来事だったと思います。

不安でしたね。手術をしてどうなるかわからないのに、その後もステージが控えているという状況は、本当に逃げ場がなくて。自分で解決するしかないという時に、EXILE ATSUSHIさんに相談したらすごく寄り添ってくださって。手術を経て、人ありきで今の自分は生きていられるんだなと感謝の思いも強くなりました。

――歌える喜びも改めて感じられたのではないでしょうか。

そうですね。ちょうどコロナの時期とも重なっていて、いろんなことを考える時期でした。ライブができるようになっても声が出せない環境が続くのかなとか、自分の喉だけではなく、世の中に対する不安もあったのですごく苦しかったですが、声が出せる状況に変わってきてよかったなと感じています。

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■数原龍友
1992年12月28日生まれ、兵庫県出身。2012年11月、GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカルとしてメジャーデビュー。2019年に初のソロ曲「Nostalgie」を配信リリースし、ソロとしても活躍。2023年7月より個人YouTube「ひとまずマイク置いてみた。」を開設。