読売テレビ・日本テレビ系で放送中のドラマ『クラスメイトの女子、全員好きでした』(毎週木曜23:59~ 通称:クラ好き)。本作は、爪切男氏による同名エッセイを原作に、“真の作者を巡る”オリジナル要素を加えた新たな物語として制作された回想ハートフルコメディ。偶然手に入れた小説を盗作して一躍人気作家となってしまった主人公・枝松脛男(えだまつ すねお)を演じるのは人気声優・木村昴だ。
今回は木村に、撮影現場の雰囲気や主演として心掛けていることなどをインタビュー。また、いつも明るくいるための秘訣についても教えてもらった。
ドラマの展開を新川優愛と一緒に予想
――まず、今回の脚本を読んだ感想を教えてください。
最初オファーをいただいて、ドラマのタイトルを聞いたときには、想像がつきそうでつかないな、どういう話なんだろうなと思いました。全員好きってどういう意味なんだろうと。その後で、原作のエッセイを拝見したんですけど、そういうことか! と納得しましたね。とにかく世界を見る目が優しい主人公の話なんだって、すごく楽しみになりました。
――なるほど。たくさんの人を好きになれるというのは優しさの現れだと。
はい。実際演じてみても「あ、こういう見方をしているのか、この人は」と、ためになることも多くあって。そういうのが映像として、どうやって表現されていくのかがすごく楽しみになりました。最初にまとめて何冊か台本をいただいたときも、おもしろくて、一気に読んじゃいました。その時は早く撮影がしたかったですね。
――脚本については、共演者の方ともお話しされましたでしょうか?
ヒロイン役の新川(優愛)さんと「この後、どうなると思う?」みたいな話はしましたね。最終話の台本を受け取った時は「読んだ? 読んだ?」って前のめりに聞いちゃいました。そしたら、まだ読んでいないタイミングだったようで「え、それ、言わないで!」と言われました。
――演者同士でネタバレNGな時期もあったんですね。
はい。新川さんも、そのくらい楽しみだったんでしょうね。ふたりとも読んだ後で「いいよね、あの最後の締め方!」みたいな話もしました。あのエッセイがこうなったのかって思いましたし、こんなにおもしろいドラマに出られるなんて、むちゃくちゃラッキーだなって思いましたね。
枝松脛男との共通点は惚れっぽいところ!?
――木村さんが演じている枝松脛男の印象も教えてください。
僕、ものすごく惚れっぽいタイプなんです。多いときには1日7〜8回ひとめぼれするくらい。そういうところは一緒だなって思いました。異なる部分は、僕の場合はクラスメイトの女子に限らず、同性同士でも先輩・後輩でも、1回嫌なところを見ちゃうと、全部キライになっちゃうタイプなんです。だから、人のちょっとずれた部分を見て「あ、ステキ」って思える寛大さや、優しい目線は見習いたいなと思いました。そういう物の見方ができたらいいなって。
――役作りで意識されたことはありますか?
イメージを膨らませれば膨らませるほど、とことんいいヤツなんだろうなって思いました。ただ、いいヤツすぎるからこそ、演じ方をミスると、見ている人からイライラされちゃうかなとも思いました。この間観たゾンビ映画がまさにそれだったんですよ。絶対について行かないほうがいい娘がお父さんについて行っちゃって、見つかってグループ全員亡くなっちゃって……。「ほれ、見い!」って声に出しちゃいましたもん。
――(笑)。だからこそ、枝松は憎まれないようなキャラにしたかったと?
はい。「ダメだなこいつ、でも憎めないな」みたいな雰囲気が理想かなと思いました。イイやつだけど、アホなわけではないので、そこを履き違えないようにしようと。知れば知るほど、世界を優しい目と冷静な目で見ている部分があるので、本当に不思議な男だなと思いました。