日本海洋少年団連盟は、「第56回全国海洋少年団大会式典の部 令和6年度全国海洋少年団大会」を、東京都千代田区の海運ビルにて8月3日に開催した。

今年から式典の部・競技の部に

海洋少年団は、幼稚園児から高校生までの男女の団員が海を活動の場として、団体行動を通して社会生活に必要な公徳心を養いながら、社会貢献を行い、国際性豊かなリーダーとして活躍できる人材を育成することを目的としたもので、全国大会では、日頃の訓練の成果を試すとともに、優秀な団員や指導者への表彰や活動報告が行われる。

これまで2年に一度行われていた全国大会だが、本年度より表彰や活動報告を行う「式典の部」と訓練の成果を試す「競技の部」に分け、2年間かけて行うこととなり、令和6年度は「式典の部」が開催されることとなった。

今回の大会には、北は札幌から南は宮古島までの30団に加え、アメリカ、韓国、香港から団員および指導者が出席。計約160名が参加し、褒状および永年功労賞などの授与や活動報告などが行われた。

  • 日本海洋少年団連盟会長の内藤忠顕氏

国歌斉唱に続いては、日本海洋少年団連盟会長の内藤忠顕氏が登壇。「このような盛大な式典を挙行できますことは、ひとえに皆様方のご厚意の賜であり、心より御礼申し上げます」と関係者への感謝を述べた。また全国大会の歴史を紐解きながら、2019年以降、コロナ禍の影響によって開催が中断されたことにより「団員たちが国境を含めた地理的距離を超えてひとつの場所に集い、友情を温め合うという貴重な機会を持てない厳しい状況が長く続きました」と振り返り、昨年度より本格的に海洋少年団の活動が再開されたことに対して、全国の団員および指導者に敬意を表した。

さらに、全国大会が、運営側の負担を軽減するために、「式典の部」と「競技の部」に分けて開催することに至った経緯を説明。あらためて関係各位に感謝を述べて、挨拶を締めくくった。

  • 名誉総裁の高円宮妃殿下

続いて、名誉総裁の高円宮妃殿下より「日本は海に囲まれた海洋国家で、古来、海に大きく依存してきました。海洋少年団の皆さんは、日頃から海に親しみ、海に学び、心身を鍛え、豊かな海に触れながら環境を大切にする心を養ってもらいました」と海洋少年団の活動に触れ、「皆さんがこれからも海洋少年団の活動を通じて、困難にくじけない、物事を成し遂げる力や、友情を大切にする心を育み、明るく健やかに成長してほしいと願っています」とのおことばが贈られた。

今回の全国大会には来賓として、海事振興連盟 副会長の海江田万里氏、海事振興連盟 常任理事の赤池誠章氏、国土交通省 海事局長の宮武宜史氏、海上保安庁 長官の瀬口良夫氏、文部科学省 総合教育政策局 社会教育振興総括官の平野誠氏、全日本海員組合 組合長の松浦満晴氏らが参加。来賓を代表して海江田副会長が挨拶を行った。

  • 海事振興連盟 副会長の海江田万里氏

自身も海洋少年団に所属していた海江田氏は、かつて団員として全国大会に参加したエピソードを披露。「非常に楽しい時間を過ごした」と当時を思い返しながら、「(全国大会に参加したことは)おそらく皆さん方の一生の思い出になるのではないだろうか」と語り、「海を愛する気持ち、海が大好きだという気持ちをいつまでも持っていただきたい」と締めくくった。

そして、海洋少年団活動を長く継続している団員、長年の指導などボランティア活動をしてきた指導者に対して、内藤連盟会長から褒状および永年功労章などの授与が行われた後は、海洋少年団の活動を映像で報告。映像では、来年開催される「競技の部」に発展していく、全国各地で昨年開催された地区大会の模様が紹介された。そして、連盟歌を全員で斉唱し、全国大会「式典の部」は締めくくられた