エン・ジャパンは8月6日、「中途採用の選考辞退」についての調査結果を発表した。調査は2024年6月11日~7月9日、直近1年以内に中途採用を実施した企業293社を対象にインターネットで行われた。
45%の企業が「以前よりも辞退が増えた」と回答
直近1年以内に中途採用を実施した企業に「選考辞退は起きましたか?」と尋ねたところ、85%が「はい」と回答した。さらに、選考辞退が発生した企業に「以前と比べて、辞退の発生数に変化はありますか?」と聞くと、45%の企業が「増えた」と回答。従業員規模別にみると、1,000名以上の企業が56%と最もポイントが高い結果となった。
面接当日の「ドタキャン辞退」連絡なしが83%、2018年比で10ポイント増
直近1年以内の中途採用で選考辞退が発生した企業に、辞退発生のタイミングを聞いたところ「書類選考通過者による"面接前の辞退"」(60%)が最多。2018年の同調査より6ポイント増加した。「面接前日・当日の"ドタキャン辞退"」(52%)と回答した企業の辞退連絡の有無については、83%が「連絡はなかった(すっぽかし)」と回答。2018年の同調査より10ポイント増加している。
応募者の選考辞退理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「他社の選考を通過した・内定を取得した」(78%)。「特に理由は聞いていない」(26%)と回答した企業からは、「理由の確認すらできない状況だった」という声も寄せられた。
選考辞退の対策有無、企業規模別で33ポイントの差
「貴社では、選考辞退対策をしていますか?」と尋ねたところ、52%の企業が「はい」と回答。企業規模別では、「1~49名」が(45%)、「1,000名以上」が(78%)と、33ポイントの差がつく結果となった。具体的な選考辞退対策を尋ねると、トップ3は「書類選考後、通過者への連絡を早くする」(85%)、「面接日程を複数送り、選択できるようにする」(76%)、「応募者に、今後の選考の流れやお礼をメールで送る」(60%)だった。
選考辞退対策の効果やエピソードを尋ねたところ、「最終面接の際、既存社員に社内を案内させている。既存社員からの意見も聞けるので有効だった」(メーカー/10~29名)、「採用連絡をした際、面接で聞けなかったことを確認され、回答したところ不安を解消した上で入社してもらえた」(一般廃廃棄物収集・運搬業/10~29名)、「有力候補を逃さないよう、選考をスピーディに進めている。応募受領~1次選考までは1週間程度を目安に設定。応募者を待たせてしまうと、辞退率が上昇するという傾向は顕著にみられる」(メーカー/100~299名)、「面接日時確定メールに『自社採用サイトのURL』『ドタキャンの際の連絡必須』を注意事項としていれたところ、理由のはっきりした辞退連絡が来るようになった」(流通・小売関連/100~299名)といった回答が寄せられた。