国土交通省は、都市鉄道の混雑率調査結果(2023年度実績)を8月2日に公表した。つくばエクスプレスも高い混雑率となっており、2023年度の混雑率は154%。東京圏において、日暮里・舎人ライナー(混雑率171%)、東京メトロ日比谷線(混雑率162%)、JR埼京線(混雑率160%)、JR中央快速線(混雑率158%)に次いで混雑率の高い路線となった。
つくばエクスプレス(秋葉原~つくば間)は2005年の開業以来、6両編成の車両を使用して運行を続けてきたが、近年は通勤時間帯を中心に混雑が激しくなっている。コロナ禍前の2019年度、7時30分から8時30分までの時間帯、最混雑区間の青井駅から北千住駅まで輸送力1万8,304人(6両×22本)に対し、輸送人員3万1,324人で混雑率171%だった。
こうした状況を受け、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道は、抜本的な混雑緩和対策として、2019年度から「8両編成化事業」を推進。終電から始発までの作業可能な2~3時間で、保守・修繕等と並行して工事を行うため、10年を超える事業期間を予定しており、サービス開始時期は2030年代前半になるという。最混雑区間における朝ラッシュ時の最大運行本数25本化による混雑緩和も継続的に行うとしている。
コロナ禍の影響を受けた2020年度は混雑率116%だったが、その後は輸送人員の増加等もあり、2021年度は混雑率123%、2022年度は混雑率138%で推移した。2023年度、7時29分から8時29分までの時間帯、最混雑区間の青井駅から北千住駅まで輸送力1万9,944人(6両×24本)に対し、輸送人員3万712人で混雑率154%に。2019年度と比べて輸送力が増強される一方、輸送人員がコロナ禍前の水準に近づいていることを感じさせる調査結果となった。