リハルメクホールディングスは7月31日、「推し」に関する意識・実態調査の結果を発表した。調査は2024年6月14日~6月18日、全国50~89歳の女性571名を対象にインターネットで行われた。

「推し」がある(いる)人は46.1%

「推し」がある(いる)は、2022年から2023年にかけては10ポイント以上増えたが、2023年から2024年にかけては、ほぼ横ばいとなった。現在「推し」がない(いない)人のうち、「以前はあった(いた)」割合は、昨年も今年もほぼ同率だが、「興味はある」が減り、「興味なし」が約10ポイント増加した。

  • 現在の推しの有無

「推し」がある(いる)人に、「推し」を自分1人で推しているか、誰かと一緒に推しているかを聞いたところ、「自分1人」が59.7%を占めたものの、約4割は一緒に推す人がいることがわかった。一緒に推す人がいる人に、どういう関係の人かを聞いた結果、上位は、「推し友(推しを通じて知り合った人)」37.7%、「配偶者・パートナー」31.1%であった。

  • 一緒に推している人の有無

自由回答では、「三代目J SOUL BROTHERSのボーカル『今市隆二さん』を推しています。昨年初めて推しだけがいる空間に一人で参戦して推し感を味わいました。今年4月、主人がなんと一緒に行ってあげるといってくれて、今市さんだけのソロライブに参戦して、『一番、推してるなー!私!!』を実感できました」(55歳)、「推しはJO1というグループです。同じグループを推している友人(ライブで隣席になった岩手県在住の方)と、東京で会い(私は愛知県)、推し達が行ったレストランで同じものを食べ、彼らが行った神社へ行ってお参りし、ミュージックビデオを撮影した水族館に行きました」(61歳)、「推しは大相撲の力士と水泳選手の池江(璃花子)さん。子供や孫と観戦をする。オリンピックをテレビ観戦する」(62歳)、「推しは今は亡き(三浦)春馬くんです。生誕地に行き誕生日のお祝いを推し友が集まり祝いました。推し活で同じ体験をしたり、お店に行って来ました」(66歳)、「韓国ドラマ推し。コロナ禍のおうち生活の彩りになってくれ、ずっと沼落ち。パク・ソジュン、パク・ヒョンシク、キム・スヒョンは特に好き。韓国のことを小説や歴史映画でより知るようになり世界が広がった。夫は韓国語をここ3年も勉強している。夫婦で次に観るものを決めたり、一層仲良しになった」(71歳)など、推し友と一緒に、あるいは夫婦で推し活を楽しむ様子がうかがえた。

「推し」にかけている年間平均額は10万416円

「推し」あり(いる)の人のうち、「推し」に関してお金をかけている人は69.6%。お金をかけている人の1人当たり年間費用の平均は、10万416円と10万円を超えた。お金をかけている人の割合は昨年より減り、一昨年の水準に戻ったが、かけている年間平均額は、一昨年の9万円台より高く、昨年の10万円台をキープしている。活動内容別に1人当たり年間平均額の推移をみると、「遠征費」は年々増加し、金額も他の活動に比べて高額となった。「現場で応援するグッズの購入費」も額は少ないながら、年々増えている。一方、減少しているのは、「コンサート、ステージ、試合などのチケット費」と「本・雑誌・関連書籍など」だった。

  • 推しに関してお金をかけている割合と1人当たりの年間平均額

  • 活動内容別1人当たり年間平均額の推移

推しのパターン「異才惚れ推し」と「一目惚れ推し」が多数

「推し」あり(いる)の人に、自身の推しのパターンを選んでもらったところ、「異才惚れ推し」21.7%と「一目惚れ推し」21.3%が2割強で多数を占めた。この2つのパターンは、この3年間多数派ではあるが、年々減っている。一方増えているのが「末広がり推し」で、最初の「推し」を核にして「推し」の対象が広がるパターンが1割を超え、2022年から2倍弱に増加。

  • 推しのパターンの推移

自由回答でも、「推し」をきっかけに、新たなことに取り組み始めた記述が多数みられた。具体的には、「元気に応援できるように、体力をつけたいと思っている。しばらくサボっていたウォーキングを再開した」(56歳)、「韓国ドラマの俳優さんが 姿勢良く素敵なので、憧れて私も筋トレを始めました」(58歳)、「また本人に会いたい、ショーを観たいと思うので、リハビリを頑張って身体を鍛えていこうと努力している」(63歳)といった運動系や、「推しがイタリアのグループなので、イタリアを理解するためにイタリア語を習い始めた」(70歳)、「70代になってから、朗読サークルに入り、地元に知り合いが増えた。老後が寂しくなくなると思う」(75歳)といった学習系、「推し活で、推し友が広がり、旅をするようになった。新しいツールを覚えないと配信を見たり、グッズを買ったりできないので、とにかくネットに強くなった」(59歳)、「InstagramやTikTokなどこれまで無縁だったものを見るようになった」(67歳)など、多岐にわたる。

「推し活」の悩みは?

「推し活」の悩みを聞いたところ、「チケット代も高くなり、地方都市から会場までの移動代、宿泊費等もかかるので金銭的な負担が大きい」(67歳)、「とにかくチケットが取れない。又は一年位先の予定でチケットを確保しなくてはならない」(59歳)、「推しは好きですが、最近は年齢のせいか面倒で、色々な作業が鬱陶しいことも多い」(53歳)、「地方在住だとチケットが取れても、出掛けるハードルが、少しずつ高くなってきている」(64歳)といった悩みが寄せられた。

出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」