甲子園の“有力候補”が…夏の地方予選で初戦敗退となった強豪6校。聖地が遠…

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 第106回全国高等学校野球選手権の、出場全49校が出揃った。甲子園予選から各地で熱戦が繰り広げられた中、今年は波乱の展開が数多く見られた。どれだけ下馬評の高い実力校でも「初戦の難しさ」は共通している。そこで今回は、地方大会でまさかの初戦敗退となった強豪校を紹介する。

 

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大阪学院大高(大阪)

 
 まさかの初戦敗退を喫したのが、大阪の大阪学院大高だ。
 
 強豪がひしめく大阪府の中で、甲子園出場は1996年の春のみ。2018年は北大阪大会の決勝戦まで進んだものの、大阪桐蔭高に2-23で大敗したこともあった。
 

 
 夏の甲子園初出場を目指し、昨年から就任した辻盛英一監督のもと力をつけたチームは、今年の春季大会で大阪桐蔭・履正社の「大阪2強」を下して優勝。一躍注目を集めた。
 
 迎えた夏の大阪府大会初戦の相手は、4年連続で夏は初戦敗退に終わっている同志社香里。下馬評では大阪学院大高が有利と考えられていた。
 
 しかし、同志社香里のエース・北野勇斗の前に打線がわずか5安打と沈黙。まさかの1-2で初戦敗退となった。
 
 今年はプロ注目の内野手である今坂幸暉、捕手の志水那優を擁していた大阪学院大高。悲願達成は来年以降に持ち越しとなった。






白鴎大足利(栃木)

 プロ注目の右腕を擁し、今夏の栃木県大会の優勝候補といわれていた白鴎大足利も、初戦で姿を消した。
 
 1975年、79年の夏の甲子園には、足利学園という名前で出場。1994年に現在の校名となり、直近では2008年夏の甲子園にも出場したが、1回戦で敗れた。
 

 
 それでも、今年は春の栃木県大会で優勝。すると、春季関東大会でも東海大相模(神奈川)などの並み居る強豪を破って春の関東王者に。作新学院とともに、優勝候補の一角とされていた。
 
 そして、鹿沼商工との夏の初戦に臨んだ白鴎大足利。プロ注目のエース・昆野太晴はベンチスタートとなり、試合は終盤までもつれる展開になった。
 
 そんな中、昆野は8回から登板。しかし、延長タイブレークでサヨナラ打を浴び、2-3でまさかの敗戦となった。
 
 鹿沼商工は、1967年に夏の甲子園出場経験のある高校。ただ、近年は目立つ結果を残していなかっただけに、金星を献上する形になった。






海星(長崎)

 
 2年ぶりとなる夏の甲子園を目指した長崎県の海星。その道は初戦で閉ざされてしまった。
 
 1892年に創立された海星は、長崎県の強豪として甲子園に幾度となく出場。夏は19回、春は6回出場しており、創成館や長崎日大などとしのぎを削ってきた。
 

 
 新チームになってからは、秋・春ともに決勝で長崎日大に敗れたものの、スコアは0-1の僅差。夏のリベンジに燃えていたことは容易に想像できただろう。
 
 今夏、第2シードで迎えた海星は、初戦で鹿町工と対戦。2年前の長崎県大会では2-1と勝利した相手だった。
 
 しかし、今年は得点を奪えない展開が続き、7回裏に先制を許した。その直後、8回表に無死一、三塁のチャンスを作ったが活かせず、0-1で試合終了。
 
 長崎県の高校野球を牽引してきた海星の初戦敗退は、18年ぶりの出来事。あまりにも短すぎる夏の終わりとなった。





享栄(愛知)

 春の愛知県王者として、夏に挑んだ享栄。だが、またしても甲子園出場を逃す形となった。
 
 強豪校がひしめく愛知県の中で、1980年代、90年代には甲子園に出場した経験がある享栄。しかし、夏の甲子園に限ると1995年が最後となっており、中京大中京や愛工大名電といった名門に後塵を拝する形となっている。
 

 
 そんな中、今年の春季愛知県大会では中京大中京や豊川を撃破して、見事優勝。聖地への準備は整っていた。
 
 迎えた夏の初戦、3回戦からの出場となった享栄は、愛産大工から校名を変えた強豪「名古屋たちばな」と対戦。
 
 しかし、1回裏に先制したものの、その後は名古屋たちばなの継投策に苦しみ、2回以降は得点を奪えず。終盤に勝ち越しを許すと、試合は1-2でゲームセット。
 
 享栄を率いた大藤敏行監督は、中京大中京時代の教え子である鈴木将吾監督に苦杯をなめることになった。
 
 中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄の「私学4強」の中で、近年低迷している享栄。今後、古豪復活を果たすことはできるのだろうか。






市和歌山(和歌山)

 
 現在の和歌山県で、智弁和歌山と双璧をなす存在の市和歌山。2年連続の夏の甲子園は夢となってしまった。
 
 前身となる市和歌山商時代を含めると、夏の甲子園に8回出場している市和歌山。昨夏の和歌山県大会で優勝を果たすと、甲子園でも1勝を収めた。
 

 
 2000年以降、智弁和歌山以外で2年続けて夏の和歌山県大会を制したチームはなく、市和歌山は新たな歴史を作るチャンスだった。
 
 今春の和歌山県大会ではベスト4に終わったものの、今夏もシードを獲得した市和歌山。しかし、そんな市和歌山の前に立ちはだかったのが、今年の選抜甲子園に出場した田辺だった。
 
 田辺のエース・寺西邦右の前にヒットは出るものの、ホームが遠い展開が続いた市和歌山。コールド負けを回避するのが精一杯で、最終スコアは0-6。初戦敗退が決まった。
 
 試合終了後には数多くの選手が膝をつき、涙を流す光景が見られた。前年優勝校のプレッシャーは、想像を絶するものなのだろう。







上田西(長野)

 
 実力校が相次いで敗れている長野県において、上田西も初戦で姿を消した。
 
 2013年に初めて夏の甲子園出場を果たした上田西。また、2015年には甲子園初勝利を挙げ、長野県を代表する学校に。
 

 
 その後は県大会で敗退という時期が長くなったが、昨夏は横山聖哉(現:オリックス)を擁し、長野県の頂点に返り咲いた。
 
 今年の春季長野県大会は決勝まで進み、東京都市大塩尻に3-9で敗れるも準優勝。好投手を5人も擁し、今夏も長野県大会の優勝候補の一角だった。
 
 迎えた夏の初戦の相手は強豪・松本国際だった。しかし、先制、中押しと徐々に点差を広げられる展開に。8回裏こそ無死満塁の絶好機を作ったものの、得点できなかった上田西は、0-4で敗退。
 
 2年続けて甲子園を目指した上田西の夏は、1勝もできずに終える結果となった。



 



 

 
【了】