大谷翔平、メジャー200号本塁打の内容も”レジェンド級”…?意外な現役選手…

メジャーリーグ 最新情報
 

今シーズンのメジャーリーグは
初回登録は2週間無料トライアル実施中![PR]
 
 現地時間7月13日にMLB通算200本塁打を記録した大谷翔平選手。その達成までの歩みは歴代のMLB選手と比較しても引けを取らない素晴らしい内容だ。達成ペースや特性が類似した現役選手との比較からも、大谷選手のポテンシャルの高さが裏付けられた。今回は、大谷選手のMLB200号本塁打までの軌跡について纏めた。(文:島倉孝之)

大谷翔平の歩み
 
 現地時間2024年7月13日、コメリカ・パークでのデトロイト・タイガース戦で、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がMLB通算200本塁打を記録した。MLBデビュー7年目、794試合目、3293打席目での快挙達成である。
 
 今回は、この記録達成にちなんで、歴代の名選手や現役選手との比較を含め大谷選手の200号までの歩みやその特色を振り返る。また、この機会に、大谷選手と類似した特色のある打者との本塁打の内容の比較を行いたい。
 
 大谷選手の主な記念の区切りとなる本塁打は以下のようになる。

 

 
 MLBでの初本塁打は野手としての出場2戦目のことであった。メジャー初本塁打から通算50本塁打まで約3年を要したが、その後は1年に1回のペースで50本刻みの記念となる本塁打を記録している。
 
 では他の選手と比較すると、大谷選手の通算200本塁打達成のペースはどの位置づけにあるのか。デビュー以降の試合数からみて、MLBで通算200本塁打を達成したスピードが速い選手の歴代上位5位は以下のとおりである。

 ライアン・ハワード(2004~2016):658試合
 アーロン・ジャッジ(2016~):671試合
 ラルフ・カイナー(1946~1955):706試合
 ピート・アロンソ(2019~):710試合
 ファン・ゴンザレス(1989~2005):766試合

 
 その他、以下の各選手が大谷翔平選手よりも少ない試合数で通算200本塁打を達成している。
 
 アルバート・ベル(1989~2000):769試合
 ハーモン・キルブルー(1954~1975):769試合
 ジャンカルロ・スタントン(2010~):781試合
 アルバート・プホルズ(2001~2022):788試合
 
 上記のうちニューヨーク・メッツのピート・アロンソ選手は、今年4月下旬に通算200本塁打を達成した。
 
 一方、MLB通算本塁打数上位5位のうちバリー・ボンズ氏、ハンク・アーロン氏、ベーブ・ルース氏、アレックス・ロドリゲス氏は、通算200本塁打達成までに大谷選手よりも多くの試合数を要している。
 




MLB屈指の歴代スラッガーとの比較


 以降は、2000年以降デビューの選手を対象に、200本塁打達成までの過程を簡単に4区分して比較した。ハワード氏、プホルズ氏を除く4人が現役である。
 

 
 通算50本塁打達成までの試合数は大谷選手が最も多いが、151~200本塁打に要した試合数は、ジャッジ選手に次いで少なくなっている。
 
 日本時間7月14日現在、通算で200前後の本塁打を打っている現役選手は以下のとおりである。
 

 
 レギュラーを張る中心選手の名前が並ぶ中、アロンソ選手と大谷選手の数字が酷似している。「三振かホームランか」のイメージが強い現ワシントン・ナショナルズのジョーイ・ギャロ選手の打席数も大谷選手とほぼ同じだ。
 

 
 大谷選手が優れた数値を示す本塁打記録のひとつとしてAB/HR(本塁打1本あたりの打数)もある。3,000打席以上の選手を対象とした場合、大谷選手の数値はMLB歴代12位、現役選手の中では6位に入る。
 
 現役の左打者に限れば、ギャロ選手、カイル・シュワーバー選手に次いで3位だ。ちなみに、ギャロ選手は870試合目で、シュワーバー選手は824試合目で通算200本塁打を達成した。
 

 
 このように、大谷選手の通算200本塁打達成は、高い本塁打の割合を背景として、MLB史上でも速い部類に入るものだ。







大谷翔平のライバルたちは…?
 
 以降は上記選手のうち、今年は本塁打数で大谷選手を追うアロンソ、シュワーバー両選手を取り上げた比較を行う。シュワーバー選手は、フィラデルフィア・フィリーズで大谷選手と同じ1番DHのポジションを務める。
 
 一方で「三振か本塁打か」のイメージも強い。2022年、2023年とも40本台後半の本塁打と200以上の三振を同時に記録、2023年の打率は2割未満だった。
 
 2021年~2024年7月14日の主要指標を比較すると以下のようになる。

 
 直近の約3年半では、大谷選手とシュワーバー選手のAB/HRにほとんど差がない。大谷選手と比べてシュワーバー選手が三振しやすくアロンソ選手が三振しにくい点、大谷選手の打率が抜けて高くなっている点も特徴である。
 
 米分析サイト『Baseball reference』のデータをもとに、上記と同じ期間での両選手の3方向別の本塁打数を比較すると以下になる。
 

 

 
 「引っ張る」「流す」の区分の観点に立つと、アロンソ選手とシュワーバー選手の打球方向は実質的にほぼ同じと言える。大谷選手は、センター方向の本塁打の割合が両選手に比べ15ポイント前後高い。
 
 米分析サイト『Baseball Savant』をもとに、2024年のスイング特性を比較すると以下のようになる。
 

 
 3人とも高いスイング速度を誇り、シュワーバー選手のスイング速度はMLBのトップ3に入る。一方、スイングの力を打球に正確に伝える割合であるBlastsは、大谷選手が頭1つ抜けている感がある。
 
 以上の比較からみても、大谷選手のポテンシャルの高さが際立つ結果となった。センター方向への本塁打の多さも、このポテンシャルを反映したものと言えるだろう。
 
 ドジャースは、アロンソ選手の所属するメッツとの対戦を既に終えたが、シュワーバー選手の所属するフィリーズとの対戦を8月上旬に3試合残している。
 
 そしてこの両チームはポストシーズンでの対戦も十分に考えられる。7月に3連敗を喫した相手でもあるフィリーズは、ドジャースのワールドシリーズ進出に向けた大きな壁となろう。
 
 今度の8月の対戦では、大谷、シュワーバー両選手、さらにブライス・ハーパー選手も含めた主砲同士の対戦も見ものである。

 
【関連記事】




 


 

 
【了】