加熱式たばこユーザーが増えたことで、「たばこのにおい問題」もずいぶんと軽減されつつあるようだ。非喫煙者からすれば良い傾向であることに違いはないが、だからといってもう何も問題がないかといえばそうではない。加熱式たばこも、クサいものはちゃんとクサいのである。

ということで今回は、マイナビニュースの女性社員たち5名(全員が非喫煙者)の協力を得て、各加熱式たばこデバイスのにおいを徹底調査。ヘビースモーカーのAくんが吐き出した蒸気の臭さとにおいの傾向について率直な感想をいただいた。“スメハラ”と陰口を叩かれる前に、ぜひ参考にしてほしい!

全6種類の加熱式たばこデバイスの“においレベル”をジャッジ

今回用意したデバイスは、フィリップモリスジャパンの「IQOS イルマ i プライム」と「リル ハイブリッド」、JTの「Ploom X ADVANCED」と「with」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン「glo HYPER pro」と「glo pro slim」の全6種類。いずれも人気のデバイスで、ユーザー数も多いであろう点を鑑みて選抜した。

においレベルをジャッジする方法は至ってシンプルかつ原始的で、Aくんが各デバイスを吸い、思いっきり蒸気を吐き出し、それを非喫煙者の社員たちが至近距離で嗅ぎ、素直な感想を述べる。ただそれだけである。

【1】「IQOS イルマ i プライム」×「テリア・メンソール」

それではまず、加熱式たばこデバイスの中でもトップシェアを誇るIQOSから試してみよう。スティックは「テリア・メンソール」をセレクトした。

「IQOS イルマ i プライム」は高い吸いごたえとクリアな蒸気が人気で、満足度は紙たばこにも劣らないとされているが、においのほうはどうか。それではAくん、お願いします!

フゥ~……

深々と一服! さぁどうだ!?

「あ~、このにおい最近よく嗅ぐけど、これがIQOSだったんだ。クサい!」

「これ、吸ってる人は臭くないと思って吸ってるの? ちゃんと臭いよ?」

「居酒屋で隣の人が吸ってたら席を移動したくなるレベルかも」

厳しい感想が……! しかも全員一致で。ってか、そんなにダメなんだ……。やはり高い喫味は強いにおいと両刃の剣ということだろうか。Aくんも、「確かに吸いごたえはあるけど、よく言われる加熱式たばこ感があるにおいがする」と自覚しているようだ。

さぁ、どんどんいこう。

【2】「リル ハイブリッド」×「ミックス アイス プラス」

続いては「リル ハイブリッド」を「ミックス アイス プラス」で試してみることに。「リル ハイブリッド」は専用たばことリキッドで蒸気を発生させる、まさにハイブリッドタイプの加熱式たばこである。IQOSが300℃以上の高温加熱であるのに対し、「リル ハイブリッド」は約160℃という中高温加熱式を採用。そのぶん、においも軽減されているというが……

さぁ、いかがでしょう?

「……あんまりにおいがしないかも?」

「少しにおいは感じるけど、さっきのIQOSと比べると気にならないレベル」

「むしろたばこ系の香水かな? って思うくらい自然なにおい。変な消臭剤より全然いい」

おおっ、先ほどとは打って変わって高評価! 「むしろタバコ系の香水かな」ってマジかよ! Aくん曰く「次世代加熱式たばこって感じ。加熱式感は残しつつも、リキッドが入っているぶん水々しい感じがして、喉のイガイガもなく吸える」とのこと。スティックだけでなく、リキッドも用意しなければいけないという手間はあるが、周囲のことを考えるといい選択肢かも。

【3】「Ploom X ADVANCED」×「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」

お次は「Ploom X ADVANCED」と「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」のコンビにチャレンジ。JT独自の加熱技術「POWER HEATFLOW」で最高加熱温度を約320℃まで向上させた。IQOSに並ぶ吸いごたえとも言われるが、やはりその代償としてにおいのほうもキツめになっているのだろうか。

ダイナミックに吸い込んで、勢いよくフゥ~っと吐く……

みなさん、どうですか?

「あ~、やっぱり結構キツイかも。リルハイブリッドと比べたら」

「車内で上司とかが吸ってたら『やめてください』とまでは言わないけど、普通に苦痛」 「でも、最初のIQOSよりはまだマシじゃない? ギリ」

リルハイブリッドと比べるとにおいは気になるが、IQOSよりは幾分マイルドだというのが総意であるようだ。Aくんによると、「僕はいつもこれを使っているので、舌なじみがいいですね。普段はメンソールを吸ってない僕でも吸いやすいというか」とのこと。においのほうもギリギリ耐えているような印象だし、これは結構アリなのかも。

【4】「with」×「メビウス・プレミアムゴールド・メンソール・ウィズ用」

続いては、今回のラインナップで唯一の低温加熱式たばこである「with」で挑戦。JTが昨年、改めて立ち上げた新ブランドで、吸いごたえは高温加熱式に劣るが、40~60度という低温で加熱するため、イヤなにおいは大幅にカットできているという。今回は「メビウス・プレミアムゴールド・メンソール・ウィズ用」をチョイスしてみた。

スゥ~っと吸って、ハァ~っと吐き出す。

においのほうはどうかというと……。

「えっ、全然臭くない! っていうよりむしろいい香り」

「なんか甘い匂いというか、フルーティーさまで感じる」

「これなら車で吸われても嫌じゃない」

イヤなにおい問題は余裕でクリア! 一方で見た目はクールなデバイスというより可愛い感じとの意見も。Aさんによれば、「これまでのシリーズと比べると、吸いごたえはいい感じに上がってきていますね。喉のイガイガ感もなく吸えるし、蒸気の量が多いので、思ったより“吸った感”は強いですね」とのことである。

【5】「glo HYPER pro」×「ネオ・マックス・メンソール」

5ターン目は「glo HYPER pro」と「ネオ・マックス・メンソール」の組み合わせにトライ。ディスプレイも搭載し、吸いごたえもアップしたと話題になっている。通常モードで240~250度、ブーストモードだと260℃~280度に達するというが、果たして……。

「クサッ! なんか久々、このにおい! タバコのクサさ!」

「居酒屋で隣の人が吸ってたら、席は移動しないかもしれないけど、ちゃんとクサい!」

「髪の毛ににおいがつきそうで気になっちゃうレベルです」

おおっ、ここまでの言われようは久々な気がする。「とにかくメンソールが強烈です。強めのメンソールが好きな人にはたまらないかも」とAさん。「においは……自分ではあまりわからないですね」と顰蹙の声もなんのその!

【6】「glo pro slim」×「ケント・ネオスティック・インテンスリー・フレッシュ・J」

最後は「glo pro slim」。“史上最薄ボディの加熱式たばこ”と呼ばれ、スティックも細型だが、加熱レベルは「通常モード」で240~250度、「ブーストモード」で260~280度と、「glo HYPER pro」と互角。では、においの方はどうか。「ケント・ネオスティック・インテンスリー・フレッシュ・J」で試してみると……

ラストだ! 遠慮せずいこう! どうですか?

「う~ん……クサい……かな。でも神経を逆撫でするレベルではないかな」

「クサい! クサいけど、まだマシ。やっぱり薄いだけある気がする」

「普通にクサいけど、一個前(glo HYPER pro)と比べるとにおいも軽減されてるのかも」

なにやら微妙なリアクションだったが、強烈なクサさというわけはないらしい。Aさんも、「吸いやすいけど、味が結構薄いので、ちょっと物足りない感は否めないかもしれませんね」と、ちょっと微妙なコメントを残してくれたことをここで報告しておこう。

結果発表!

すべてのデバイスを試し終わったところで、いよいよ結果発表!

一番においがキツかったデバイスは……「IQOS イルマ i プライム」! そして最もにおいが少なかったのが「with」に決定!

  • 左からにおいがキツい順

ランキングとしては、以下のとおりでにおいがキツかったという結果になった。

【1】「IQOS イルマ i プライム」
【2】「glo HYPER pro」
【3】「Ploom X ADVANCED」
【4】「glo pro slim」
【5】「リル ハイブリッド」
【6】「with」

あくまでマイナビニュースの非喫煙者5名の感想なので、科学的根拠などはないが、非喫煙者のリアルな声は大いに参考になるはず。ジメジメと蒸し暑いこの季節、体臭だけでなく、たばこによるスメハラにも十分な注意が必要だ。今回のランキングをぜひ参考に、デバイスを選んでみてほしい。