フジロック’24今からでも間に合う徹底ガイド 快適に楽しむ5つのポイント【初心者必読】

フジロックフェスティバル24の開催まであと1カ月。苗場で25回目の開催となる今年、現地で120パーセント楽しむために押さえておきたいポイントをまとめた。参加を迷っている人、準備が不安な人もぜひ読んでみてほしい。

1. フェスの概要:音楽以外も見どころだらけ

フジロックは国内外から200組を超えるアーティストが出演し、「自然と音楽の共生」を体現する日本最大級の野外音楽フェス。今年も7月26日(金)・27日(土)・28日(日)の3日間、新潟県・苗場スキー場にて開催され、25日(木)の前夜祭(入場無料)も含めると最大4日間楽しむことができる。会場まではオフィシャルツアーバス(ビギナーにおすすめ)、新幹線〜越後湯沢駅からのシャトルバス、車が主な交通手段となる。

フジロック公式サイトより。交通手段の詳細はこちら

ヘッドライナーはザ・キラーズ、クラフトワーク、ノエル・ギャラガーの3組。今年も音楽の多様性を体現するようなラインナップが集結し、場内最大のメインステージとなるGREEN STAGEを筆頭に、WHITE STAGE 、RED MARQUEE、FIELD OF HEAVEN、Gypsy Avalon、苗場食堂などの個性豊かなステージで最高のライブが楽しめる。

フジロック公式サイトより。ステージ・施設の詳細はこちら

さらに、フジロックは音楽以外も見どころだらけ。まったり川遊びできる「ところ天国」付近の浅貝川、絶景も楽しめる日本最長ゴンドラ「ドラゴンドラ」と山頂のチルアウト空間「DAY DREAMING and SILENT BREEZE」、全長約2キロに渡って森の中を歩ける木道「ボードウォーク」、夜に輝くイルミネーション・アートなど名物スポットも目白押しで、子どものための遊び場「KIDS LAND」などファミリーで参加できるコンテンツも充実。一度行くだけでは到底味わい尽くせない魅力に満ち溢れている。

フジロック前夜祭

「ところ天国」付近の浅貝川

DAY DREAMING and SILENT BREEZE

ボードウォーク

木道亭「森のピアノ」

2. チケット:フル参加も日帰りも大いにアリ

フジロックの楽しみ方は十人十色。全日制覇が理想的ではあるが、フル参加が難しい人には日帰りカジュアルプランを推奨したい。

チケットは3日通し券と1日券に加えて、お得な金曜ナイト券とUnder22チケット(16歳以上〜満22歳以下が対象、15歳以下は保護者の同伴に限り入場無料)も発売されている。1日券の有効期限は当日朝9時〜翌朝5時なので、たとえば初日・金曜の分のチケットだけ買えば、木曜の前夜祭から2日目・土曜の朝までロングコースで楽しむこともできる。

金曜ナイト券は今年の新機軸で、その名のとおり初日・金曜の18:00〜翌朝5:00まで楽しめるチケット。1日券より割安で、仕事/学校終わりの参加にもうってつけだ。参考までに、昨年ヘッドライナーが登場したのは21時過ぎ。18時に会場入りすればセカンド・ヘッドライナーが出てくるフェス終盤、クライマックスの時間帯から合流できる。苗場の美しい夕暮れにもギリギリ間に合うはずだ。

今年の金曜は、各ステージのトリが非常に充実している。GREEN STAGEはフジロックの窮地を救ったザ・キラーズが堂々の出演。世界中のフェスでヘッドライナーを務めている問答無用のライブバンドであり、その実力は折り紙つき。「Mr.Brightside」の大合唱はフジロックの歴史に残るハイライトになりそうだ。

WHITE STAGEは特大アンセム「(It Goes Like) Nanana」を生み出した韓国のペギー・グー、RED MARQUEEは宇多田ヒカルの近作でも大活躍のフローティング・ポインツとエレクトロニック・ミュージックの最先端が控えているうえに、FIELD OF HEAVENは上原ひろみが異才揃いのバンド「Hiromi's Sonicwonder」を率いて登場。どのステージに足を運んでも最高の一夜になるのは間違いない。

さらに、フジロックは深夜も熱い。むしろ深夜が本番と言っても過言ではない。ヘッドライナーで大いに興奮したあと、大自然に囲まれながら朝まで全力で踊り明かす、もしくは吞み明かすのもこのフェスの醍醐味だ。金曜の夜、RED MAQUEEの深夜帯「PLANET GROOVE」は、フジロックと相思相愛の関係にある電気グルーヴが新たな伝説をつくるはず。パーティーエリアのGAN-BAN SQUARE supprted by FEVER-TREEも盛り上がること必至だ。

RED MAQUEE

GAN-BAN SQUARE supprted by FEVER-TREE

また、昨年復活したTHE PALACE OF WONDERは、フジロック初心者にぜひとも体験してほしいエリア。サーカスやポールダンスも楽しめる真夜中の遊び場で、新人登竜門ステージのROOKIE A GO-GOでフレッシュな演奏を楽しんだり、移動式テントのCRYSTAL PALACE TENTで粋な音楽を味わうこともできる。

金曜夜のCRYSTAL PALACEは、フィンランド出身の5人組バンド・USが、名付け親であるギャズ・メイオールと共に出演するのも熱い。USはフジロックのファウンダー日高正博氏が発掘した逸材で、デビューアルバムをリバティーンズのスタジオで録音したことでも話題。今年のフジロック3日間で4回もステージに立つことからも期待がうかがえる。かつてのザ・ストライプスにも通じる一大旋風を期待したい。

朝まで遊ばなくても、深夜1時に会場発のオフィシャルツアーバスもあるし、車で会場入りした人は車中泊もOK(1日駐車券が必要、駐車場が利用可能な朝7:00まで)。朝まで遊ぶ場合、会場〜越後湯沢駅までのシャトルバス下り始発は6:00で(運行表はこちら)、そこから新幹線で帰路につく流れとなる。体力と相談しながら最高の夜を過ごそう。

THE PALACE OF WONDER

CRYSTAL PALACE TENT

3.宿泊:手ぶらキャンプも実は可能!

フジロックといえばキャンプ。スキー場のゲレンデを利用したキャンプサイトの広大な敷地に、毎年色とりどりのテントが並ぶ光景は苗場の風物詩だ。さらにキャンプサイトは、ホテル・民宿に泊まるよりも会場に近く、宿泊費もリーズナブルだし、苗場の自然をダイレクトに満喫することもできる。テントの場所取りをするため、木曜の午前中から並ぶ人も多い。

もっと気軽にキャンプを楽しみたい方には新エリア「CAMP VILLAGE」がおすすめ。FIELD OF HEAVENを通り過ぎた先にあるホスピタリティエリア「ORANGE CAFÉ」に隣接するサッカー場を使用した区画で、下記の3つから好みのキャンププランを選択できる。

 a)キャンピングカー(エアコン、ミニ冷蔵庫なども完備)

 b)デラックスキャンプ(最大4名まで宿泊可能なテント、タープ設置)

 c)シンプルキャンプ(最大2名まで宿泊可能なテント)

テントは設置済みで撤去も不要。さらに、ベッド(コット)やブランケット、ランタンなど必要なアイテムも用意されているので、文字どおりの手ぶらキャンプが楽しめる。キャンピングカーは1台30万円と高額なプランではあるが、酷暑や豪雨に見舞われてもエアコン・屋根付きの空間で休めると思えばレベルが違う快適さ。キャンプビギナーや子育て世代のファミリー層もこれなら安心だ。しかも、キャンプヴィレッジ利用者は後述するFUJI ROCK go roundの場内運行バスにも乗車できるという(ORANGE CAFÉ発便のみ)。

フジロック公式サイトより。「CAMP VILLAGE」の詳細はこちら

キャンピングカー

デラックスキャンプ

シンプルキャンプ

ホテル・民宿は会場に近いほど人気が高く、早い時期から予約が埋まってしまうので今から探すのは困難だが、諦めるのはまだ早い。本稿執筆時点でオフィシャルツアーの「越後中里 - 民宿/民泊」や、会場〜越後湯沢駅周辺のいくつかのホテルは部屋に空きがあるようだ。

ちなみに、オフィシャルツアーでは体育館/音楽施設を利用した仮眠施設も用意されている。会場から徒歩圏内(15分〜30分)で利用料金は3泊で16,800円。大部屋での雑魚寝となるが、低予算でフジロックを楽しめるため根強い人気を誇るプランだ(申し込みはこちらから「苗場・浅貝エリア」→「休憩」)。

4.持ち物・注目サービス:備えあれば憂いなし

フジロック公式が紹介している必須アイテムを一式揃えておこう。絶対に怠ってはいけないのが雨対策。直近の2022年・2023年は好天に恵まれたが、2019年は過去最悪レベルの大雨に見舞われた。山の天候は変わりやすく寒暖差も激しいので、100均のレインウェアではなく防水性能が高いものを選ぼう。靴も同様で、個人的にはトレッキングシューズがおすすめだが、豪雨になったら長靴がやっぱり強い。

フジロック公式サイトより。持ち物&服装ガイドはこちら

フジロックの会場を端から端まで歩くと約4km。ステージを行ったり来たりして、朝から晩まで歩き回ると1日で3万歩はざらに超える。そこで近年、この時期になるとSNSでバズってるのがアミノバイタル。活動前や就寝前に飲んでおくと疲れ具合がまるで違うし、筋肉痛の抑制も期待できる(※効果には個人差があります)。バンテリン、休足時間といった足のケア用品も人気のようだ。折りたたみ椅子があると足もだいぶ楽だが、会場で場所取りに使うのとRED MARQUEEで使用するのは禁止されているのでやめましょう。

新サービス「FUJI ROCK go round」を導入するという手もある。場内をバスで移動できるうえに、専用ラウンジ&休憩所も使用可能で(場内2箇所/専用トイレ完備)、会場発〜越後湯沢駅までのシャトルバス優先乗車もついてくる。これまた異次元の快適さをもたらしてくれそうだ。

フジロック公式サイトより。「FUJI ROCK go round」詳細はこちら

フジロックの公式アプリも忘れずに入れておこう。会場のエリアマップ、出演アーティスト一覧や予習・復習に役立つプレイリストに加えて、Myタイムテーブル機能がなんとも便利。お目当てのアーティストを登録しておくと、出演時間の前にプッシュ通知でお知らせが届くので見逃す心配がない。

フジロック公式サイトより。公式アプリの詳細はこちら

5. グルメ:「食」もフジロックの醍醐味

入場ゲート手前〜場内最奥地まで12ものフードエリアが点在。世界各国のフードから新潟の地元食材を使用した料理まで、「3日間あっても食べきれない」フェスごはんもフジロックの醍醐味だ。

苗場食堂のとろろめし、ところ天国の天国バーガーといった名物はもちろん、四代目徳次郎のかき氷麺やMABOROSHIのラーメンラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原本店のピッツァ中華味一の特製まぜタンメンなど注目メニューが目白押し。越後魚沼の地酒も日本酒好きにはたまらないし、個人的にはFIELD OF HEAVENで飲む東京エールが最高に美味い。

あのとき何を食べたか、誰を観たかで夜通し語り合える最高のフェス。フジロックにぜひ足を運んでみてほしい。

苗場食堂「とろろめし」

ところ天国「天国バーガー」

越後魚沼の地酒屋「魚沼の日本酒 冷」

FUJI ROCK FESTIVAL'24

2024年7月26日(金)27日(土)28日(日)新潟県 湯沢町 苗場スキー場

フジロック公式サイト:https://www.fujirockfestival.com/