「マイナビ2025年卒大学生活動実態調査(6月15日)」によると、2025年卒業予定の就活生の6月15日時点での内々定保有率は80.8%で、前年比4.4ポイントの増加となりました。
過去2年の内々定保有率の推移と比較すると、3月1日以降、常に過去2年間の数値を上回っており、採用活動の早期化がいっそう進んでいる様子がうかがえます。
採用活動の早期化が顕著に
同調査によると、2025年卒業予定の大学生・大学院生の内々定率は5月末時点ですでに7割を超えていましたが、大手企業の選考が本格化する6月に入って8割を超えるまで進んでいることがわかりました(6月15日時点)。
この数値は、2023年卒比で6.7ポイント増、2024年卒年比でも4.4ポイント増と、過去2年と比較して最も高い数値となっています。
また、3月1日以降6月15日までの内々定保有率の推移を過去2年間と比較しても、2025年卒は常に過去の数値を上回っており、企業の採用活動の早期化傾向が強まっていると言えそうです。
さらに、2025年卒の内々定保有社数を2024年卒と比較してみると、内々定保有1社の学生は4.8ポイント減少し32.1%でしたが、内々定保有3社以上の学生は3.2ポイント増加し39.9%に。内々定保有者の約4割が3社以上の内々定を保有している状況です。
内々定保有者が考える内々定につながったと思う活動とは?
内々定保有者は、自らのどんな活動が内々定につながったと考えているか、この調査では「あなたが注力し、その結果として内々定につながったと思う活動(最も当てはまるもの1つ)」を聞いています。
その結果を見ると、最も多いのが「自己分析」(31.0%)で、次いで「面接対策」(24.8%)、「準備期間での積極的な活動/インターンシップ・仕事体験参加」(11.4%)、「業界研究」(8.9%)が続きます。
2024年卒と2025年卒の比較では、全体的な傾向は同じですが、「面接対策」と「準備期間での積極的な活動(インターンシップ・仕事体験参加)」がわずかに増加傾向です。
これは、面接の形式が最終面接を中心に対面形式に回帰する傾向があることや、インターンシップの重要性が増していることが影響しているのかもしれません。
就活に納得も、新社会人への不安と配属ガチャを心配
調査では、「これまでの就職活動に対しての納得感」についても聞いています。
結果を見ると、「十分に納得できる就職活動ができている」が33.6%、「ある程度納得できる就職活動ができている」が40.7%で、合計すると7割以上の学生は、自分なりに納得できる就活ができたと振り返っているようです。
しかしながら、就活を終えても、学生たちはさまざまな不安を抱えているようです。
内々定を得て就活を終了する(している)学生に、「現在、就職活動で悩んでいることや不安なこと(複数回答)」について聞いており、最も数値が高いのが「漠然と社会人になることが不安」(45.7%)で、「他の内々定者となじめるかどうか」(34.9%)が続きます。
また、「希望する勤務地に配属されるかどうか」(27.5%)、「希望する職種や部署に配属されるかどうか」(23.7%)など、勤務地や職種が必ずしも希望通りにいくとは限らない"配属ガチャ"を心配する声も少なくありません。
内定を承諾して入社を決めてから実際に入社するまでには、少なくとも半年以上の期間があくことになります。
学生たちの不安を払拭し、ストレスを感じることなく入社してもらえるよう、企業側にはきめ細かい内定後フォローが求められているようです。