資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」では、子どもたちの心と身体の健全な成長を支援する社会貢献活動「ANESSA Sunshine Project」を展開している。その一環として、6月19日には渋谷区立臨川小学校にて日焼け予防(紫外線対策)の出張教室を実施した。

  • 資生堂が、臨川小学校で日焼け予防の出張教室を開催

■どうして日焼けすると色が変わるの?

資生堂では、子どもたちに太陽の下で健康的に遊んでもらうことを目指し、2018年より紫外線の啓発教育を行っている。2024年には、全国の300の小学校で約24,000人の児童に日焼け予防の授業を実施し、また50の幼稚園・保育園に通う約10,000人の幼児向けにサンプリングを行う。

  • 生後1か月の赤ちゃんから使える低刺激処方の敏感肌用ジェル『アネッサ ミネラルUV マイルドジェル』(左)と敏感肌用ミルク『アネッサ パーフェクトUV マイルドミルク NA』(右)

この日、臨川小学校では5年1組の担任の上河先生が資生堂のプログラムに沿いながら、日焼け予防の授業を行った。

  • 渋谷区立臨川小学校

その冒頭、子どもたちに「太陽の光にはどんな良いことがあるか」を考えさせた。クラスからは「外で遊べる」「植物も元気に育つ」「お布団を干すと気持ちが良い」「電気を作れる」といった意見があがる。

  • 太陽の光のひみつとは?

  • 子どもたちの回答は、どれも正解

次に、日焼け(肌の色の変化)の原因についてみんなで予想した。何で色がつくのかな、皮が剥けるとすごい痛いよね、焼き肉をするときにどんどん色が変わるのと同じことかな、といった声。そんななか、皮膚の中にはメラニンがあるんでしょ、という鋭い回答も聞こえてくる。

  • これまでの知識と経験をもとに、日焼けするとなぜ色がつくのか考える子どもたち

  • 友だちと意見を交わしながら、日焼け対策を自分ごとにしていく

そこで資生堂の公式サイトにある「SUNSHINE KIDS LAB」内の動画を参照しながら、日焼けの仕組みについて学んだ。それによれば、人の肌が太陽に含まれる紫外線を浴びたとき、表皮ではメラノサイトと呼ばれる細胞から信号が送られてメラニンが発生している。肌の色が変わることで紫外線が肌の奥まで届くのを防ぐが、その一方で、これがシミの原因になっている。

  • アネッサ 予防教育動画(1)「どうして日焼けはするの?」篇から

このあと、紫外線の強い季節・時間帯についても議論。そして、どうやって紫外線対策したら良いのか、みんなで考えた。教室のあちらこちらで手が挙がり、日焼け止めを塗る、帽子を被る、日傘をさす、日陰に入る、サングラスをかける、といった意見が集まる。では、紫外線の影響を受けやすい身体の部位は?

  • いつもどこを日焼けするかなぁ、と隣り近所で相談

ここで資生堂の岩下研究員が教壇に立ち、日焼け止めクリームの機能について詳しく説明した。お店では、どんな商品を選んだら良いのだろう? そんな問いかけに、SPFの数値=どのくらいの時間「紫外線B」から守ってくれるか、PAの後の+の数=どのくらいの強さで「紫外線A」から守ってくれるか、が表記されていると解説する。

  • SPF50+、PA+++といった表記について解説

このほか肌への優しさ、そして汗をかいても流れない耐水性にも注目して下さい、と岩下氏。実験を通じてウォータープルーフの重要さについて説明する。

  • 耐水性のない日焼け止めは汗で流れてしまう。これでは海やプールで困る

そしてクリームの効果的な塗り方についてもレクチャーした。パッケージをよく振ったら、一円玉の大きさにクリームを出して、おでこ、鼻のあたま、顎、両頬に乗せたあと、手のひらで円を描くように塗っていく。そのあとで、首や腕に塗ることも忘れずに。

  • 塗り方をエアーで練習する

最後に子どもたちから、日焼け止めにはどんな成分が入っているのか、クリームのほかにスプレータイプもあるけれどどんな違いがあるのか、といった質問があがる。スプレータイプは、頭皮や髪にも簡単に塗れるメリットがあるという。授業を終えて、子どもたちには商品のサンプルが配られた。「すぐに付けてみたい」と、笑顔の弾ける子どもたち。

■保護者も意識が変わり始めた

担任の上河先生に話を聞いた。紫外線がより強くなったように感じる、この季節。子どもたちからは「肌を日に焼きたくないんです」という声を聞くという。「普段からご家庭でも紫外線対策をされているのだと思います。プールの授業でもラッシュガードがスタンダードになってきました。ひと昔前と比べて、保護者の皆さんの意識が変わり始めているのを感じます」と先生。

来月には夏休みも控えている。学校としては、子どもには外で健康的に遊んで欲しいという思いもある。そこで必ず帽子を被る、適宜日陰に入る、水分補給を忘れない、そして日焼け止め対策をする、ということをしっかり伝えながら、安全に気を付けて遊んでもらえたらと話してくれた。

  • 子どもたちの外遊びをより安全なものにしていく

資生堂の担当者にも話を聞いた。プレミアムブランド事業部の酒井千絢氏は「ひと昔前であれば、日焼け止め=化粧品という理解から、子どもの使用には必ずしも積極的でない学校さんもありました。でも最近では全国の教育現場から、日焼け予防について課外授業をして欲しい、というご要望が寄せられています」と語る。

  • 資生堂 プレミアムブランド事業部の酒井千絢氏

子ども時代に浴びた紫外線は、大人になってどのような影響が出てくるのだろうか? そんな質問には「紫外線は浴びてから1年後、3年後、5年後、10年後のお肌に影響を及ぼすと言われています。たとえば学生時代に浴びた紫外線が、20代後半になってシミ・シワになってくる。いわゆる”肌老化”という形で影響が出てくることが充分に考えられます。皮膚病、皮膚がんにつながるリスクも0ではありません」。

そして保護者の意識の移り変わりも感じているそうだ。大人になったときにシミが増えないように、という理由で子どものうちから紫外線対策を行う家庭も増えてきたと明かす。「親子で一緒に使える日焼け止め商品の売り上げも、いま伸びています」と酒井氏。

  • 『アネッサ ミネラルUV マイルドジェル』(左)は、紫外線吸収剤を使用しないノンケミカル処方。アレルギーの心配がなく、親子で安心して使用できる

今後は、海外でも日焼け予防の課外授業を行う方針。「日本と同様に、アジアでも紫外線の影響で子どもの外遊びが減っている現実があります。そこで『ANESSA Sunshine Project』では、アジア諸外国にも活動の幅を広げます。今年はベトナムで教室を実施する予定で、2030年までに日本国内で20万人、アジアで10万人の規模感で取り組みを展開していくことを目標に掲げています」と展望を語った。