JR東海は13日、同社所属の新幹線電気軌道総合試験車923形0番代、通称「ドクターイエロー(T4編成)」の引退を発表した。JR西日本も2027年以降をめどに、「ドクターイエロー」による検測を終了する予定と発表した。

  • JR東海所属の「ドクターイエロー(T4編成)」は2025年1月に検測走行を終了し、引退する(写真は2018年9月の「新幹線なるほど発見デー」取材時に撮影)

「ドクターイエロー」は2編成あり、JR東海所属のT4編成、JR西日本所属のT5編成が交互に約10日に1度の頻度で東海道・山陽新幹線(東京~博多間)を検測走行。実際の営業路線を走り、電気設備・軌道設備等の状態を確認している。その確かな検測データにより、新幹線の安全・安定輸送が確保されているという。

JR東海所属のT4編成は2001年9月に運用開始し、20年以上活躍してきたが、車両の老朽化にともない2025年1月をもって検測走行を終了し、引退することに。これを受けて、JR東海は感謝の気持ちを込めたイベントの開催、企画商品の販売など多数用意。車両基地での撮影会、体験乗車イベント、車体を掃除するイベントを開催するほか、「ドクターイエロー」に関連した記念グッズの販売も予定しており、詳細は決まり次第、プレスリリースおよび同社サイト等で発表する。

JR西日本所属のT5編成は2005年に製造。T4編成の引退後も、T5編成を用いた検測走行は当面継続されるが、JR西日本は「同車両の老朽化に伴い、2027年以降を目途に『ドクターイエロー』による検測を終了する予定」としている。T5編成の具体的な検測終了時期等は改めて発表する。

「ドクターイエロー」で現在行っている検査に関して、2027年からJR東海の営業用車両N700Sに導入される営業車検測機能により代替される予定。新たな検測体制の詳細も後日追って発表する。