J:COMは6月6日、脱炭素社会の実現を目指すべく、同社グループの事業活動によるCO2の排出量を2030年度までに実質ゼロとする、「2030年度カーボンニュートラル達成」をグループ目標として策定した。
この目標で対象とするのは、J:COM本体および連結子会社のScope1・2が排出するCO2。2022年度のCO2排出量は約10万トンだったという。
J:COMグループは2022年に「2050年度カーボンニュートラル達成」を目標として策定していたが、その後に開催されたCOP28などを通じ、2035年に向け各国のさらなる目標引き上げが必要であると認識がひろがっている。そういった中で、J:COMグループではインフラのFTTHへの切り替えや空調効率化などの実績から、通信設備の電力消費を大幅に抑制できる公算が立ったことから、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速すべく、カーボンニュートラル達成を20年前倒しする新たな目標を設定した。
この目標の達成に向けて、「省エネルギー施策」と「再生可能エネルギー施策」の2つの軸でさまざまな取り組みを検討/推進していくという。
「省エネルギー施策」としては、以下のようなものを挙げている。とくに、J:COMの電力消費量の8割を占める、設備での電力消費量の抑制には重点的に取り組んでいく。省エネ効果の高いインフラであるFTTH化の加速は、エネルギー消費量の抑制と通信環境の変化への対応の双方に効果があるという。また、オフィスの省エネ設備導入や営業車のライドシェアなども実行していく。
- 省エネルギー施策
- 伝送路設備:FTTH化の推進による電力消費量の抑制/伝送路の給電効率の適正化
- ヘッドエンド設備(放送・通信に必要な設備):ヘッドエンドの利用状況に応じた空調効率の最適化/ヘッドエンドにおける省電力設備の導入
- オフィス:自社オフィスにおける省エネ設備の導入/営業担当者向けのライドシェアサービスの継続
「再生可能エネルギー施策」としては、加入者宅に設置した太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを加入者家庭で利用するとともに、余剰分をJ:COMの設備などで利用するというエネルギー循環モデルを構築することを目指し、2024年度から一部エリアにおいて加入者宅への太陽光発電サービス(PPA)のトライアルを開始する。このほか自社設備では太陽光/風力などの再生可能エネルギーへの切り替えを推進していくという。
- 再生可能エネルギー施策
- 加入者ともにつくる・つかう「グリーン電力」の推進
- 自社設備の再生可能エネルギー電気への切り替え(非化石証書の活用を含む)
- CO2排出量実質ゼロの電気サービスの提供(グリーンメニューの継続)