大谷翔平は新データでも”メジャー最強”!? MLBが公開した「スイン…

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 日本時間5月13日、MLBが新たにバットスイングを数値化したデータを公開した。これによって、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の従来の打球速度や飛距離に加え、そのスイングの特徴やレベルの高さも明らかになってきた。そこで今回は、数値化された大谷選手のスイングの特色を、他の主要選手との比較も合わせ含めて取り上げる。
 

 

 
 これは、4月23日(日付は現地時間、以下同)に、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がワシントン・ナショナルズ戦でマット・バーンズ投手から打った特大ホームランのイメージである。
 
 打球の速度や角度に加え、BAT SPEEDとSWING LENGTHといったスイングを示す数値指標が出ている。
 
 MLBが公開したスイングの数値指標は以下のとおりである。数値化・指標化されているのはスイングの速度だけではない。
 
・Bat Speed(スイングの速度)
・Fast Swing Rate (Bat Speedが時速75マイル(約121キロ)超の割合)
・Squared-up Rate(打球速度が、投球の球速とBat Speedから発生し得る最大打球速度の80%以上を記録した場合Squared-upとし、スイングのうちこれを記録した割合)
・Blasts(Bat Speedの高いSquared-upの割合。簡単にはスイングも打球も速い割合)
・Swing Length(スイングの開始地点からインパクト地点までの距離)
・Swords(おかしなスイング)

 
 Squared-up(Rate)をさらに簡単に言うと、「投手の球速と打者のスイング速度から引き出せる最大限の打球速度の80%以上を出せた打球(の割合)」となるだろう。





全ての指標で平均以上!メジャー屈指の首位打者は“特例”?
 米分析サイト『Baseball Savant』内には、Bat Speed(横軸)とSquared-up Rate(縦軸)の2軸から各選手のスイングの特色を示したチャートがある。赤丸が大谷翔平選手だ。下図は現地時間5月19日終了時点である(以降の数値や図も同じ)。縦軸と横軸の指標は、複数の選択肢から入れ替えることも可能だ。

 
 左上に1人だけ離れた選手(青丸)は、サンディエゴ・パドレスのルイス・アライエズ選手である。
 
 2022年、2023年と首位打者を獲得した同選手は、平均Bat SpeedがMLB最低の時速62.4マイル(約100.4キロ)なのに対し、Squared-up RateはMLB最高の42.7%になっている。スイングは遅いが、スイングの力をボールに確実に伝える能力が高いということだろうか。
 
 5月19日終了時点で、大谷翔平選手の上記指標とMLBでの順位は以下のようになっている。括弧内はMLBの平均値とMLBの順位だ。
 
・平均Bat Speed:時速75.3マイル(約121.2キロ)(時速71.4マイル(約114.キロ)、20位)
・Fast-swing Rate:54.3% (22.1%、18位)
・Squared-up Rate:29.4%(25.6%、43位)
・Blasts:20.6%(10.6%、3位)
・Swing Length:7.5ft(2.3m)(7.3ft(2.2m))
・Swords:3

 

 
 いずれの指標もMLB平均を上回り、Fast-swing RateでMLB平均の約2.5倍、BlastsでMLB平均の2倍近くの数値を出している。





チームメイト、ライバルたちとの比較
 
 大谷選手のスイングの数値につき、『Baseball Savant』を用いて、一番イメージしやすいBat Speedに関して主要選手と比較する。まずは同チームのムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手との比較だ。

 ベッツ選手、フリーマン選手はMLB平均を下回るのに対し、大谷選手は両選手やMLB平均を上回っている。大谷選手のBat Speedはドジャースのチーム内で1位である。
 
 次に、ニューヨーク・ヤンキースの主力打者3人、ジャンカルロ・スタントン選手、アーロン・ジャッジ選手、フアン・ソト選手と比較する。

 
 この3人は大谷選手と打球速度を競い合っており、平均打球速度のMLB順位はジャッジ選手1位、ソト選手2位、大谷選手5位となっている。スタントン選手は、5月19日時点で2024年シーズン最速の時速119.9マイル(約193.キロ)の打球を打っている。
 
 大谷選手を含む4人は、打席数に対するバレル(一定の角度、速度を満たす打球)の割合でもMLB1~4位を独占している。
 

 
 ソト選手は大谷選手と同じ箇所にピークがあるが、ばらつきは小さく分布は右にずれている。スタントン選手、ジャッジ選手はいずれも大谷選手を上回り、スタントン選手はばらつきも小さい。
 
 スタントン選手の平均Bat Speed(時速80.6マイル(約129.7キロ))はMLB1位で、ジャッジ選手(時速76.6マイル(約123.3キロ))はMLB7位、ソト選手(時速76.2マイル(約122.6キロ))はMLB9位だ。






各選手の指標の一覧
 
 これまで取り上げた各選手の指標を、平均打球速度も合わせ含めて一覧にしてみた。

 
 大谷選手のスイングはスタントン選手やジャッジ選手より遅いが、2人よりコンパクトだ。打球に力を伝える確実性が高く、速いスイングで強い打球を打つ確率は2人より高い。ソト選手は大谷選手と特性が近く、各指標の数値は大谷選手を上回る。
 

 
 スイングに関する各種指標が速度だけでなく様々な形で表現されるとともに、それが打球速度とも連関づけられることで、新たな数字の見方が生まれた。大谷選手は、その新たな見方を楽しませてくれる代表的な1人といっていいだろう。
 
 なお、ドジャースは、6月7~9日に、ヤンキースタジアムでヤンキースと対戦する。スイングや打球速度での大谷選手とスタントン選手、ジャッジ選手、ソト選手との「対決」も楽しみだ。


 
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【了】