レクサスが高級ミニバン「LM」の日本仕様を発表してから約7カ月が経過した。これまでは4座仕様のみの販売だったが、このほど6座仕様も追加となり選択肢が広がった格好だ。ミニバン大国の日本に遅れてやってきたLMはウケているのか。レクサスに聞いてみた。
LMユーザーはどんな用途で買っている?
「LM」はレクサスが2020年に発売した高級ミニバン。車名は「ラグジュアリームーバー」の頭文字だ。初代LM(4座/7座)は中国やアジアでの「ショーファードリブンMPV」需要を取り込むべく登場。2023年10月に日本で発売となったのは2世代目モデルにあたる。日本向けとしては最初に4座仕様の「“EXECUTIVE”」グレード(2,000万円)を投入し、2024年5月に6座仕様の「“version L”」グレード(1,500万円)を追加した。
ミニバン大国の日本に遅れて入ってきたレクサスのLMだが、発売後の手ごたえはどうなのか。販売台数を聞くことはできなかったものの、年間販売目標は4,800台で、「当初の目標通り堅調に」(レクサス広報部)売れているそうだ。レクサスのHPを見ると、LM4座仕様は注文してから工場出荷までに2カ月半~3カ月かかるという。
ショーファードリブンに特化した4座仕様の“EXECUTIVE”については、「著名人をはじめ、多くの方に」選ばれているとのこと。VIPの送迎を含む法人用途のユーザーが購入するケースが多いという。
LMには、どんなクルマから乗り換えるユーザーが多いのか。その点については「居住空間に対するお客様の価値観がセダンからミニバンへと変化しており、レクサス『LS』をはじめとするショーファーセダンやアルファードなどのミニバンから」乗り換える顧客がいるとの話を聞くことができた。
このほど導入となった6座仕様については、「お客様ニーズにお応えし、多人数乗車を含むLMの使われ方の多様性を拡げるべく」導入を決めたとのこと。ファミリーカー用途などプライベートでの使い方が広がるほか、ビジネス用途で4人以上を乗せたいユーザー、例えば顧客の送迎や会食での移動などにクルマを使いたい人たちにも訴求できるのでは、というのがレクサスの考えだ。
超豪華な後席を体験してみた!
ショーファードリブン=運転手に運転してもらって移動することに特化した“EXECUTIVE”の後席は、どのくらい快適なのか。実際に体験してみた。
まず、6座仕様も作れるほど広い車内後部をたった2席で使っているので、頭上も含めゆったりとしたスペースがある。シートは細かく調整できて、オットマンを展開して背もたれを深く倒せばほとんどベッドだ。目の前には室内幅の横いっぱいに広がるワイドスクリーン(48インチ)が鎮座。画面は左右2分割、中央に1画面、フルスクリーンから映し方が選べる。HDMIケーブルが差せるので楽しみ方はいろいろだ。
「アルファード」の最上級グレード「Executive Lounge」と重なる装備・機能はけっこう多いが、やはりレクサスの「おもてなし」は1クラス上といった感じだった。