JR東海は22日、豪雨に対する東海道新幹線の取組みについて発表した。雨の多い時期を迎えるにあたり、列車運行に影響がある場合の情報提供や利用者への対応を紹介するとともに、将来を見据えた線路設備の安全性向上の取組みについても発表している。
昨今、予測の難しい激しい降雨がたびたび発生している状況を踏まえ、気象予報で豪雨等が予想され、列車の遅れや運転見合わせの可能性がある場合、運行計画が決まっていない段階でも運行に影響が出る可能性について早めに公表する取扱いとする。
実際に運転を見合わせた際は、状況変化の有無によらず、一定の頻度で運行の見通しを知らせる。運転再開時に駅が相当程度混雑している場合は、しばらく来駅を控えるよう呼びかけ、利用者が適切な移動時期を選択できるよう丁寧な情報提供を行うとしている。駅での混雑による事故を防ぐため、改札外やホームで列車の再開を待つ利用者の誘導等も行う。
収束の見込みが立たない豪雨時、走行中の列車を駅間ではなく、できる限り駅に停車させ、車内で長時間待機することがないよう配慮する。これにともない、運転本数の多い東海道新幹線において、雨による運転規制の対象が一部区間のみの場合でも、全線にわたり運転を見合わせ、一部列車を運休とする可能性もあるという。運転再開時は状況に応じて普通車全車自由席の臨時列車を運転するなど、できるだけ多くの人が移動できるよう取り計らう。
線路設備については、従来の対策に加え、営業線の一部区間で実際の降雨時に盛土の土中における水の分布を詳細に把握し、盛土の性能を評価するモニタリングを今年度から実施。豪雨時の性能評価を行った上で対策工法を選定し、その効果を確認する。 今後、これらの成果を取りまとめ、対策を実現し、さらなる安全性向上と豪雨時における最適な運転規制につなげるとしている。