ジェイ・レノもお気に入りの911ダカール!通常モデルの911との違いは??

ポルシェ911ダカールが、かのジェイ・レノのお気に入りであることを知った『Octane』UK版編集部のグレン・ワディントンが、同車に試乗。その真価は?

【画像】まさに万能車!? ポルシェ911ダカールの実力を試す(写真3点)

ジェイ・レノは『Octane』UK版248号でポルシェ911ダカールを気に入ったと公言した。「未舗装の道を時速60マイルで走り、テールを出してパワースライドするのが、本当にこれが許されるのかと思ってしまうほど楽しい」と彼は言う。

しかし残念なことに、彼がディーラーに赴いたときには、すべて売り切れていたそうだ。ランボルギーニ・ウラカン・ステラートとポルシェ911ダカールは、同じタイミングでデビューした同じコンセプトの車だが、どちらもこのアイデアを独自に思いたと主張しており、すでに全台数が完売している。

1980年代、ポルシェはおそらく地球上で最も過酷なドライビングイベントであるダカールラリーを制覇した。911ダカールはカレラ4 GTSをベースに、リフトアップキット、後輪操舵、そして通常のモデルのドライビングモードに追加で、専用のモードを備えている。ホイールアーチエクステンション、カーボンスポイラー、ステンレス製アンダーボディプロテクションを装備しながらも、ポルシェはGT3の軽量ボンネット、軽量フロントバケットシート、薄型ガラス、リチウムイオンバッテリーを採用し、そしてアクティブエアロダイナミクとリアシートを廃止することで、大幅な重量増を回避した。また、ピレリのスコーピオン・タイヤが装着され、通常時の車高はGTSより50mm高く設定されている。オフロードモードに切り替えるとさらに30mm車高を高くすることも可能だ。

走りに注力したいときは、スポーツまたはラリーモードを楽しむのがおすすめだ。前者はスロットルとダンピングを鋭くし、ラリーモードではトルクの80%を後輪に送る。快適性を保ちタイヤを路面に接地させたいときは、ダンパーセッティングをコンフォートに戻しスプリングレートを下げるのが賢明だろう。

こうした特別なサスペンション・セッティングは、911の能力を一変させ荒れた路面を駆け抜けることを可能にする。速い上にサスペンションの衝撃吸収性も高い。それはまさに極端な路面状況の田舎道を走るラリーカーに期待されるものだ。しかしながらボディコントロールの面でも依然として秀逸で、ステアリングの切れ味は現行市販車のなかでも最高レベルだ。要するに、ダカールは能力を拡張した911と言えよう。GTSより5万ポンドほど高い18万ポンド(約3100万円)でも、2500人がすぐに申し込んだのも納得だ。

彼らが単にスピードバンプをクリアするのにこの車の能力を活かすだけでなく、それ以上に能力を引き出せるような楽しみ方ができることを願ってやまない。

文:Glen Waddington